更新日: 2022.07.15 その他暮らし

【選挙・政治資金】政治家と有権者のクリーンな関係を保つために【寄付の禁止】について解説!

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【選挙・政治資金】政治家と有権者のクリーンな関係を保つために【寄付の禁止】について解説!
選挙が終わると、残念なことにまるで風物詩のように選挙違反の摘発事例の報道が後を絶ちません。
 
公正な選挙を実現するためにも、政治家は有権者へ金品などを渡す買収や寄付をしてはいけないと法律で定められています。
 
本記事ではどのような行為が「寄付」に該当し、どのような行為が例外として認められているのか、公職選挙法で禁止されている「寄付の禁止」について詳しく解説します。また例外的に認められているケースについても説明します。
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寄付の禁止とは?

選挙の有無に関係なく、政治家が選挙区内にいる人や法人に寄付をすることは「公職選挙法」で禁止されています(199条の2)。ここでいう政治家とは、議員など公職に就いている人だけでなく候補者や候補者になろうと考えている人も含みます。また、選挙区内に住む有権者だけでなく、選挙区内に滞在している人に対しても寄付をしてはいけません。
 
また「寄付」には政治活動や選挙活動のために物品を送る行為だけでなく、お歳暮・お中元・ご祝儀・香典・お見舞い・地域への差し入れなど、政治運動や選挙活動と関係がないものも該当し、厳格に禁止されています。物品を配るだけでなく、サービスを無償で提供したり、借金を帳消しにしたりということも寄付にあたります。
 
政治家の後援団体からの寄付については、後援団体の総会や集会、旅行など「団体の設立目的により行う行事または事業」であれば例外的に認められているものもありますが、選挙前の一定期間は行うことができません。また、政治家が所属する会社や団体が、政治家名義で行う寄付も禁止です。もちろん、有権者が政治家に寄付を求めてもいけません。
 
寄付の禁止は公正な選挙を実現し、有権者の声を正確に政治に反映するために大事なことです。違反した場合、公職選挙法違反となり、刑罰を科されることがあります。また有罪となった場合、公職に就いている人は失職し、一定期間選挙権や被選挙権がなくなります。
 

例外的に寄付が認められているものも

政治家の寄付は原則禁止されていますが、例外的に認められているものもあります。
 
例えば、6親等内の血族あるいは3親等内の姻族に対して行う寄付や、政治家が所属する政党や政治団体に対して寄付をする行為は認められています。また、葬儀の際に政治家が僧侶に渡すお布施については、読経に対する報酬と認められれば寄付に該当しません。
 
結婚式でのご祝儀も、「自らが出席して渡す」場合であれば例外として認められていますし、葬儀での香典も「自らが参列して渡す」のであれば問題とならないことが多いです。ただし、ご祝儀や香典の額が多すぎるなど社交の範囲を超えてしまうと、違反となる場合もあります。
 

線引きが難しい「寄付の禁止」に該当する例

一方、結婚式や葬儀に自らが参列せず、秘書など代理の人にご祝儀や香典を渡してもらうというのは、公職選挙法で禁止されています。また、寺院や神社を修復するための寄付も公職選挙法違反です。このほか、災害被災地復興のために行われている募金活動で寄付をする行為も、処罰の対象となるため注意しなければいけません。
 
暑中見舞いや年賀状などの時候のあいさつも、「答礼のために自筆で書くもの」以外禁止です。自筆で書いたあいさつ状をコピーしたものやパソコンで作ったあいさつ状は、たとえ答礼のためのものであっても送ってはいけません。
 

うっかり「寄付」をしないよう注意が必要

政治家の寄付は、公正な選挙を実現するために禁止されています。現在公職に就いている人だけでなく選挙に立候補しようとしている人にも「寄付の禁止」は適用され、場合によっては刑罰が科される可能性があります。「寄付の禁止」は選挙前だけではありませんし、暑中見舞いや年賀状を送るだけでも違反となる場合もあります。
 
うっかり選挙違反をしないためにも、政治家になろうとする人やその周りの人は、寄付の範囲をしっかり理解しておく必要があるのです。
 

出典

総務省 寄附の禁止
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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