この記事では、金融広報中央委員会が公表している資料をもとに、20代が抱える悩みや不安について確認した上で、対策方法を解説していきます。
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20代は自分の生活に不安を覚えている
内閣府が2021年に実施した「国民生活に関する世論調査」によると、国民の悩みや不安について、20代の回答率が最も多かった項目は「自分の生活(進学、就職、結婚、子育てなど)上の問題について」でした。
図表1
(単位:%)
男性 | 女性 | |
---|---|---|
老後の生活設計について | 20.3 | 29.4 |
自分の健康について | 40.5 | 31.8 |
家族の健康について | 21.5 | 28.2 |
今後の収入や資産の見通しについて | 57 | 55.3 |
現在の収入や資産の見通しについて | 55.7 | 48.2 |
家族の生活(進学、就職、結婚、子育てなど)上の問題について | 16.5 | 15.3 |
自分の生活(進学、就職、結婚、子育てなど)上の問題について | 51.9 | 61.2 |
勤務先での仕事や人間関係について | 26.6 | 34.1 |
家族・親族間の人間関係について | 7.6 | 14.1 |
近隣・地域との関係について | 1.3 | 7.1 |
事業や家業の経営上の問題について | – | 1.2 |
出典:内閣府「国民生活に関する世論調査Ⅰ現在の生活について」
数多くのライフイベントを控えている20代は、キャリアや家庭について不安を覚えている人が多いようです。
収入や資産についての不安も大きい
「自分の生活(進学、就職、結婚、子育てなど)上の問題について」以外の項目をみてみると、20代の男性・女性とも、「現在の収入や資産の見通しについて」「今後の収入や資産の見通しについて」が多いです。
20代ができるお金の対策とは
お金の不安は尽きないものですが、何かしらの対策を施さなければ、状況は改善されません。今回は、20代ができるお金の対策をご紹介します。
ライフプランニングを行う
年代関係なく、お金の管理にはライフプランニングが有効です。
ライフプランニングとは、将来の生き方を経済的な側面から計画することです。自分の目標を顕在化し、必要な資金を明確にすることで、初めて対策を検討できます。
漠然と将来の不安を抱えるのではなく、ライフプランニングによって経済的な課題を認識することが重要です。
情報収集を行う
ライフプランニング自体は、インターネットにも無料のシミュレーションツールがありますので、使いやすいものを活用するとよいでしょう。
しかし、より精度の高いライフプランニングを行うためには、自分で勉強したりプロから教えてもらったりして、情報収集する必要があります。
今では資産形成に関する書籍が数多く販売されていますので、自分のステータスと目標に合った書籍から勉強を始めるとよいでしょう。
資産形成を実行する
必要な情報を一通りインプットできたら、実際にライフプランニングに沿った資産形成を実行していきます。
具体的には、株式や投資信託などの金融商品でリターンを追求したり、保険で保障を充実させたりして、ライフプランの実現に向けた対策を実行していきます。
一度にまとめて対策するのではなく、分散投資を意識して、タイミングや商品を効果的に分散させることがポイントです。
図表2
出典:金融庁「NISAを始める前にⅠ分散投資」
まとめ
20代はお金に関する不安を抱えている人が多いです。男女間でやや違いは見られるものの、概ね将来の自分のライフイベントに対する不安や、収入面への不安が強いことが分かります。
20代でまとまった資金がない中でも、資産形成に必要なライフプランニングや情報収集は、無料、もしくは安価で実行できますので、早い段階から自分の収支計画に向き合うことが重要です。
出典
内閣府 国民生活に関する世論調査(令和3年9月調査)より 「I 現在の生活について」
金融庁 投資の基本
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部