更新日: 2022.07.20 キャッシュレス
日本一のキャッシュレス好きは「千葉県民」!都道府県別のキャッシュレス利用度は?
もしかしたら、キャッシュレス好きかどうかも都道府県ごとに違うのかもしれない。そう思った筆者は、いろいろとデータを調べてみました。
結果、日本一キャッシュレス好きな都道府県とキャッシュレス苦手な都道府県がどこなのかをつきとめたので、この場を借りてお知らせします。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
都道府県ごとのキャッシュレス利用度は?
今回筆者の用いたデータは「2019年全国家計構造調査」です。この中で「都道府県別消費支出に占める『現金』以外の支出の割合」というデータがあったので、紹介します。
上位5都道府県は大都市
まず、消費支出に占める「現金」以外の支出(クレジットカード、掛買い、げっぷ、電子マネー)の割合が高かった都道府県を5つ、紹介します。
【図表1】
順位 | 都道府県 | 「現金」以外の支出の割合(%) |
---|---|---|
1 | 千葉県 | 31.2% |
2 | 神奈川県 | 31.2% |
3 | 東京都 | 31.0% |
4 | 愛知県 | 30.9% |
5 | 京都府 | 30.4% |
出典:総務省統計局「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 結果の概要」
都道府県名を見てもわかるように、いわゆる大都市圏が上位を占める結果になりました。
下位5都道府県は九州勢
一方、割合が低かったのは以下の都道府県です。
【図表2】
順位 | 都道府県 | 「現金」以外の支出の割合(%) |
---|---|---|
43 | 大分県 | 17.6% |
44 | 宮崎県 | 16.4% |
45 | 佐賀県 | 16.3% |
46 | 長崎県 | 15.9% |
47 | 鹿児島県 | 14.9% |
出典:総務省統計局「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 結果の概要」
偶然なのか、それとも土地柄なのかは分かりませんが、九州勢で固まる結果になりました。
そもそも日本はキャッシュレスが苦手?
ここで筆者はあることに気づきました。現金以外で決済する割合が多い千葉県や神奈川県であっても、割合はやっと3割を超えているに過ぎません。
もしかしたら日本は、キャッシュレスが苦手な国なのかもしれない、ということで、さらにデータを調べてみました。
2016年の時点でやっと20%台
こちらは、2018年に経済産業省が発表した「キャッシュレス・ビジョン」で紹介されていた、各国のキャッシュレス決済比率の状況をまとめたグラフです。
【図表3】
出典:経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」
これは2015年のデータですが、日本は18.4%と、諸外国に比べると低い水準にとどまっています。ほかの国についてもみてみましょう。
日本のお隣である韓国が89.1%と突出して高く、そのあとを中国、カナダ、イギリスが追う形になっています。グラフにおける比較の対象となった国で、日本よりキャッシュレス決済の比率が低いのはドイツだけでした。
「キャッシュレス・ビジョン」が発表された2018年当時は、2年後の2020年に控えていた東京オリンピックを見据え、外国人観光客の受け入れ体制の強化が急ピッチで進んでいた時期です。
外国では当たり前のように使えるキャッシュレスが、日本だと使えないというのは、やはり外国人観光客にとってはマイナスになるでしょう。
2021年には32.5%まで増えている
その後、2020年初頭から新型コロナウイルス感染症が、日本を含めた世界中で大流行しました。日本でも数回にわたり緊急事態宣言が発令され、飲食店の営業を中心に日常生活に大きな制限が加わったのです。
また、その中で「新しい生活様式」が提唱され、キャッシュレス決済の推進も盛り込まれました。
キャッシュレスであれば、非対面・非接触の決済が可能となり、現金を使う場合に比べると感染リスクが避けられるからでしょう。実は、キャッシュレス決済の普及においては「新しい生活様式」も追い風になったのかもしれません。
2016年にやっと20%を超えたキャッシュレス決済の比率は、2021年には32.5%までに伸びています。
【図表4】
出典:経済産業省「2021年のキャッシュレス決済比率を算出しました
経済産業省は、キャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度に引き上げることを目標にしています。
実際にどうなるか、現時点では分かりませんが、目標を達成できる可能性は決してゼロではないでしょう。
便利だからこそ賢く使おう
実際のところ、キャッシュレス決済は非常に便利です。現金と違って万が一落としてしまったとしても、利用停止手続きをした上で再発行ができるため、防犯面では圧倒的に優れています。
また、ポイントやマイルが貯まるのも見逃せません。現に、筆者はクレジットカードの利用で貯まったマイルだけを使い、夫婦で福岡旅行を楽しんできました。
その一方で「お金を使った」という実感がわきにくいのも事実です。現金で買い物をする場合と同じように、「本当に欲しい、必要なものか」を考えた上で買い物をするのはもちろん、こまめに利用明細をチェックし、無駄や不審な点がないかを確認しましょう。
出典
総務省統計局 2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 結果の概要
経済産業省 キャッシュレス・ビジョン
経済産業省 2021年のキャッシュレス決済比率を算出しました
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部