更新日: 2022.07.25 その他暮らし

地域活性化事業を始めたい! クラウドファンディングで資金調達は可能か?

執筆者 : 古田靖昭

地域活性化事業を始めたい! クラウドファンディングで資金調達は可能か?
地域活性化事業を始める際、資金を調達する手段の1つとしてクラウドファンディングの活用が挙げられます。クラウドファンディングは、事業に必要な資金を調達できるだけでなく、特産品に関する情報発信などさまざまな効果が期待できます。
 
本記事では、クラウドファンディングの基本的な仕組みや、どのようなメリットが期待できるのかについて紹介します。
古田靖昭

執筆者:古田靖昭(ふるた やすあき)

二級ファイナンシャルプランニング技能士

地域活性化事業とは

一般的に地域活性化というと、まちおこしのためのイベントを企画するなどの方法が考えられます。しかし、1回きりのイベント開催では地域貢献の効果は一時的です。
 
また、仮に定期的なイベント開催を計画するとしても、地元企業や商店街などから賛助を受けているケースでは、経済状況によって安定的な開催が難しくなることもあります。
 
そこで、地域活性化をビジネスとして後押しする仕組みを作ることで、地域が抱える課題解決に向けた持続的な取り組みが可能となるでしょう。
 

クラウドファンディングは活用できる?

それでは、地域活性化への貢献とビジネスの両立を目指すうえで、クラウドファンディングはどのように活用できるのでしょうか?
 
クラウドファンディングは、インターネットを通じてプロジェクトの狙いや具体的な事業内容を公表した上で、支持や応援、資金提供を呼びかけるという調達方法です「寄付型」、「購入型」、「投資型(金融型)」の3種類があり、このうち地域活性化事業に活用できるのは主に「寄付型」と「購入型」です。
 
「寄付型」は、事業内容に共感した支援者から寄付を募る仕組みです。例えば、地域にある歴史的建造物の修復事業などに多くの人たちから寄付を募る1つの方法としてクラウドファンディングを活用できるでしょう。
 
「購入型」は、事業内容を支持、応援する人から資金的に支援を受け、その返礼として商品やサービスを提供するという仕組みです。例えば地域の特産品を用いたお菓子を開発する事業を立ち上げ、支援者たちに対し、返礼としてそのお菓子を提供するといった流れです。
 

クラウドファンディングを使った事例

クラウドファンディングが地域活性に結び付いた事例として、「obisugi-design世界展開プロジェクトチーム」の取り組みを紹介しましょう。このチームは、宮崎県日南市の自治体職員、NPO職員、地元や都市部の会社員などで構成されています。
 
日南市で伐採された「飫肥杉(おびすぎ)」を地域資源として見直すため、さまざまなデザイナーや職人が「飫肥杉製品(obisugi design)」を制作。
 
この「飫肥杉製品」を世界中の人に知ってもらうために、海外向けのウェブサイトを構築し、ニューヨークのギフトショーへ出展するプロジェクトを立ち上げました。250万円を目標に掲げて実施したクラウドファンディングでは、325万円の資金調達に成功しました。
 

地域活性化事業の手段としてのクラウドファンディング

クラウドファンディングは、資金が調達できるだけでなく、地域資源や特産品について、それを用いた商品やサービスにまつわるストーリーと共に広く情報発信する機会にもなり、ビジネスにおける新規顧客開拓にも活用ができます。
 
また、地域で作られた商品やサービスに、どのくらいのニーズがあるのかを調査するテストマーケティングの手段としても活用が可能です。
 

出典

経済産業省 ミラサポplus 不特定多数の人から資金を調達「クラウドファンディング」
 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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