大人の「学び直し」には支援制度がある!
配信日: 2022.07.26
社会人=大人になっても学ぶということで思い浮かぶのは、「生涯学習」ではないでしょうか。生涯学習とは、一生涯にわたり行うあらゆる学習で、学校教育や社会教育だけでなく文化活動、スポーツ活動、ボランティア活動や趣味など仕事以外のことや、その人の「生きがい」となる内容も学習のその対象です。
今回は、仕事に生かすための知識やスキルを学ぶこと、具体的には、資格習得系科目やビジネス系科目、プログラミングスキルなどを学ぶ「リカレント教育」等の“学び直し”についての制度に関してお話しします。
執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)
田久保誠行政書士事務所代表
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員
行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。
リカレント教育とは
リカレント(recurrent)教育とは、学校教育から一度離れて社会に出た後も、それぞれの人の必要なタイミングで再度教育を受け、仕事と教育を繰り返しおこなうことです。
日本では、仕事を休まずに学び直すこともリカレント教育に含まれており、社会人になってから自分の仕事に関する専門的な知識やスキルを学ぶことを指しますので、「社会人の学び直し」ともいわれています。
どんな支援制度があるの?
社会人の学びには、学費の負担など金銭面において不安を抱くこともあるかと思いますが、リカレント教育にはさまざまな支援制度が設けられています。今回はその中で教育訓練給付を見ていきます。
教育訓練給付金は、働く方の主体的な能力開発の取り組み、または中期的・長期的なキャリアアップを支援して、安定した雇用と再就職を促します。また、対象講座を修了すれば、受講費用の20~70%の支給が受けられます。
給付金対象の教育訓練は、その訓練のレベル等に応じ、以下の3種類があります。
●専門実践教育訓練
●特定一般教育訓練
●一般教育訓練
それぞれの違いは下記のとおりです。
専門実践教育訓練は、失業状態になってしまった際に初めて専門実践教育訓練(通信制、夜間制を除く)を受けるケースにおいて、受講を開始した時に45歳未満であるなどの一定の要件を満たすことで、別途、教育訓練支援給付金を受けられるというものです。
これらの教育訓練給付金の支給申請手続きは、お住まいを管轄するハローワークで受け付けしています。
よりよい条件で働くことが可能になるかも
これまでは、終身雇用制度のもと、社内教育を受けるということもあったかと思いますが、現在は、情報技術の進展、グローバル化、働き方改革などにより、社会に出た後に専門学校で学んだり、留学したり、あるいは転職や起業で新たな仕事を始めたり、定年後も新しい仕事に可能な限り挑戦するなど、キャリアアップ・キャリアチェンジしていく時代へ変わってきています。
つまりこれからは、学校卒業後も、科学技術の発展は日進月歩ですし、仕事のやり方も日々変わってきています。残念ながら、一度学んだことが今後も使えるものであるとは限りません。いくつになっても学ぶことは大切ですので、いろいろな制度を活用しながら学び続けていきたいですね。
出典
政府広報オンライン 「学び」に遅すぎはない! 社会人の学び直し「リカレント教育」
厚生労働省 教育訓練給付制度
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表