更新日: 2022.07.26 子育て
子どもの留学費用はどう貯める? 返済の必要がない「留学奨学金」が利用できる要件とは?
留学のための奨学金には、留学前の人を対象にしているものや、留学中の人を対象に、現地の教育機関などが行っているものもあります。
返済の必要がない留学奨学金は利用できる要件が定められており、誰でも利用できるわけではありません。
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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日本学生支援機構による支援
日本学生支援機構では、留学生支援として「協定派遣」「学部学位取得型」「大学院学位取得型」「海外留学のための貸与奨学金」が用意されており、貸与奨学金以外は、返済の必要がない給付型となっています。
■協定派遣
留学前の学生が、海外の大学との学生交流に関する協定などに基づいたプログラムに、8日以上1年以内で参加する場合において、資格および要件を満たすことで、奨学金が支給される制度です。
支給金額は留学先(地域)によって、月額6万~10万円と差があります。また、渡航支援金が別途32万円支給されます(家計基準を満たす必要あり)。
■資格および要件
協定派遣による支援を受けようと思う学生は、以下の資格および要件を満たす必要があります。
1. 日本国籍を有している、もしくは日本への永住が許可されている
2.海外の大学との学生交流に関する協定などに基づき、派遣先の大学が受け入れを許可している
3. 経済的理由により、自費のみではプログラムの参加が困難である
4. プログラムの参加にあたり、必要なビザを確実に取得できる
5. プログラムが終了した後に、現在在籍している大学などに戻り、在籍している大学などの学位を取得(もしくは卒業)する
6. 学業の成績が優秀、かつ、人物などに優れている
7. プログラム参加のために支給を受ける場合で、日本学生支援機構以外の奨学金を受けている場合、支給月額の合計が日本学生支援機構の支給月額を超えないこと
8. 留学先が外務省の定める海外安全ホームページにおけるレベル2以上に該当すること
また、この協定派遣制度は、併給が認められていない奨学金やプログラムがありますので注意してください。
(出典:日本学生支援機構 海外留学のための奨学金)
学部学位取得型
学士の取得を目指して海外の大学に留学する人を対象に、奨学金を給付する制度です。
■対象者
応募時において日本に在住しており、高等学校など卒業した後、海外の大学にて学位(学士号)を取得するための課程に進学する人が対象です。
対象者にはこのほかにも「語学」「学歴」「学業成績」「所得要件」などが設けられています。
■支援内容
月額5万9000~11万8000円の間で奨学金が支給されるほか、授業料として実費(年間250万円が上限)が支給されます。
支援期間は原則として4年間となっており、人数は最終的な選考結果によって決まります[2021年度実績45人(応募者数:223人)]。
(出典:日本学生支援機構 留学生支援)
大学院学位取得型
修士もしくは博士の学位取得を目指して海外の大学に進学する人に対し、奨学金を支給する制度です。
募集内容は9月ごろに公開されますが、締め切りは翌月中旬と、非常に期間が短くなっているため、利用を検討している人は、前年までの応募内容を参考にしながら、必要書類を早めに準備しておくようにしましょう。
■対象者
1. 修士もしくは博士号の取得を目標として海外の大学院に進学する人
2. 学士以上の学位を取得もしくは取得見込みであること
そのほか、語学・学業成績・年齢制限等があります。
■支援内容
月額8万9000~14万8000円の間で奨学金が支給されます。
授業料についても、年間250万円までを上限に実費が支給されます。支援期間は、修士号取得目的者は2年、博士号取得目的者は3年です。
[出典:日本学生支援機構 2022年度海外留学支援制度(大学院学位取得型)]
海外で募集している奨学金もある
日本国内だけでなく、海外(留学先の学校など)で奨学金制度が用意されているところもあります。
要件は、実施している教育機関や団体などによって異なり、成績優秀者に対して行われるものと、経済的に困難な人に対して行われるものがあります。
内容の詳細については、実施先の学校や団体などに問い合わせてみましょう。
まとめ
留学における奨学金制度は、日本学生支援機構でも用意されています。目的によって対象者や要件が異なり、大学院学位取得型では所得要件は設けられていません。
また、学部学位取得型についても、所得基準が定められているものの、世帯所得が2000万円以下とそこまで厳しくありません。
留学における奨学金については、所得基準よりも、本人の学力や進学意欲などが重視される傾向にあるようです。
とはいえ、学位取得期間における授業料や月額の奨学金の支給は、非常にありがたいといえるのではないでしょうか。
申請時は、利用する奨学金ごとに準備する書類が異なりますので、事前に確認し、早めに準備しておきましょう。
出典
日本学生支援機構 ホームページ
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員