日本学生支援機構奨学金の学力基準を満たしていない…! 奨学金に申し込むことは難しい?
配信日: 2022.07.26 更新日: 2022.07.28
この学力基準は、利用する奨学金によって異なり、要件の1つに「平均の評定値が5段階評価で3.5以上であること」と明記されています。
では、その基準に満たなければ申し込むことはできないのでしょうか?
今回は、予約採用における日本学生支援機構の奨学金の、学力基準について解説します。
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
聞くのは耳ではなく心です。
あなたの潜在意識を読み取り、問題解決へと導きます。
https://marron-financial.com
種類によって異なる学力基準
日本学生支援機構では、利用する奨学金の種類によって学力基準を設けています。利用するにあたっては、この学力基準を満たさなければなりません。
では、実際に学力基準はどのように設定されているのでしょうか?
■給付型奨学金の学力基準
給付型奨学金の学力基準は以下のとおりです。
1. 申込時までの全履修科目の評定平均値が5段階評価で3.5以上(※1)であること。
2. 将来において、社会で自立および活躍する目標をもち、進学しようとする大学などにおける学修意欲があること。
(※1)専修学校の高等課程の生徒等は、これに準ずる
給付型奨学金の学力基準は、上記の1もしくは2のどちらかを満たす必要があり、2の場合は在学している高校などでの面談、およびレポートの提出により判断されます。
[出典:日本学生支援機構 進学前(予約採用)の給付奨学金の学力基準]
■貸与型奨学金(第一種)の学力基準
貸与型奨学金(第一種)の学力基準は以下のとおりです。
1. 申込時までの全履修科目の評定平均値が5段階評価で3.5以上であること。
2. 高等学校卒業程度認定試験合格者であること
貸与型の奨学金を申し込むにあたっては、上記の基準のどちらかを満たさなければなりません。
ただし、1の基準について、生計維持者が住民税非課税世帯や生活保護受給世帯の場合、または社会的養護を必要とする者の場合、以下のいずれかに該当すれば、基準を満たしたものとして取り扱われます。
●特定の分野で特に優れた資質能力を有しており、特に優れた学習成績をおさめる見込みがある
●学修に意欲があり、特に優れた学習成績をおさめる見込みがある
[出典:日本学生支援機構 進学前(予約採用)の第一種奨学金の学力基準]
■貸与型奨学金(第二種)の学力基準
貸与型奨学金(第二種)の学力基準については、次のいずれかに該当する必要があります。
1. 高等学校などにおける学業成績が平均水準以上であると認められること
2. 特定の分野において、特に優れた資質能力が認められること
3. 進学先の学校での学修に意欲があり、確実に学業を終了できる見込みがあると認められること
4. 高等学校卒業程度認定試験合格者
[出典:日本学生支援機構 進学前(予約採用)の第二種奨学金の学力基準]
面談およびレポートでどのように判断される?
給付型奨学金を希望する人で、評定平均値が5段階評価で3.5以上という要件を満たさない場合でも、面談、およびレポートで学習意欲があると認められれば、基準を満たすことになります。
では、この面談やレポートでどのように判断されるのでしょうか。
■レポートや面談の内容
レポートや面談では学生本人の「進学の目的」、そして「進学後における学修継続の意志」が問われます。
まず、進学の目的として、
●将来につきたい職業があって、それに就くための知識や資格を取得する
●興味のある学習分野などがあり、それに関する知識を習得、理解を深める
●将来において、社会人として自立するための基礎的な能力を身に付ける
といった点が問われます。
進学後における学修継続の意志については、進学後に卒業まで学修を継続し、全うしようとする意志が認められるかをポイントに、学生本人と奨学金担当の先生とで話し合いが行われ、最終的に進学後の学習意欲などが認められるかを判断します。
[出典:文部科学省 大学等への修学支援の措置に係る学修意欲等の確認の手引き(高等学校等向け) 令和元年5月17日(※2)]
まとめ
日本学生支援機構の奨学金は、その種類によって学力基準が設けられています。利用しようとする奨学金の種類によっては、学力基準を満たさないケースもあるでしょう。
特に貸与型奨学金(第一種)の学力基準は厳しく設定されており、収入基準を満たさなければ、評定平均値のみで判断されます。
貸与型奨学金(第二種)の場合は、その学校の平均値以上であることが求められますが、学校のレベルによって平均値が異なるため、救済策として「特定の分野での優れた資質能力」や「進学先での学修意欲」をチェックする方法がとられています。
基本的に、大学進学における学力基準は数値化して判定しますが、大学院進学などにおいては、大学在学中の成績で判定されます。
日本学生支援機構の奨学金は、学力基準を満たさない場合は申し込むことができません。面談やレポートの結果、推薦できないと判断された場合も同じです。
ただし、申し込む奨学金の種類によって救済策が設けられているため、それに該当すれば申し込めないことはありません。
評定平均値が5段階で3.5を満たさない、もしくは平均以上でないからといって諦めず、ほかの要件も確認してみましょう。
出典
(※2)
文部科学省 大学等への修学支援の措置に係る学修意欲等の確認の手引き(高等学校等向け) 令和元年5月17日
日本学生支援機構 ホームページ
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員