更新日: 2022.07.28 子育て

私立高校に進学後、就学支援金が支給されると授業料の負担はどのくらい?

執筆者 : 柘植輝

私立高校に進学後、就学支援金が支給されると授業料の負担はどのくらい?
学びたくても学べない、そういった子どもを減らすために国は高等学校等就学支援金によって、家庭における授業料の実質的な負担が減るよう対応しています。私立学校を例に、就学支援金が支給された場合、その負担がどれくらい変化するのか確認してみます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

高等学校等就学支援金とは

高等学校等就学支援金とは、高校や専門学校などに通うのに必要な学費を支援することで各家庭の負担を減らし、教育機会が多くの子どもたちに与えられるようにするための制度です。高校や専門学校などの高等教育機関であれば、国公私立を問わず授業料に充てるための高等学校等就学支援金が支給されます。
 
ただ、高等学校等就学支援金は全ての世帯において支給されるものではなく、一定の所得以下の世帯に対して支給されることになります。
 

どれくらいの所得であれば高等学校等就学支援金を受け取れるのか


 
高等学校等就学支援金
 
市町村⺠税の課税標準額×6%-市町村⺠税の調整控除の額
 
で計算した金額が15万4500円未満であれば、39万6000円(月額換算3万3000円)が、15万4500円以上30万4200円以下であれば、11万8800円(月額換算9900円)が年間で支給されることになります。
 
目安年収と受け取れる高等学校等就学支援金の額については下記の表をご参照ください。
 

 
出典:文部科学省 高校生等への修学支援 年収目安
 
なお、支給される額が授業料よりも高い場合は授業料の額を上限として支給されることになります。
 

高等学校等就学支援金によって授業料の負担はどうなる?

東京都によれば、令和3年度の全日制私立高校の授業料の平均は年間で46万8412円でした。高等学校等就学支援金が支給される場合、年収590万円以下であれば、上限額の39万6000円が支給される可能性が高いため、年間の負担は7万2412円と月額7000円未満の負担となります。
 
年収910万円以下であれば、年間で11万8800円の高等学校等就学支援金の給付が受けられる可能性が高いため、年間の負担は34万9612円と月々の負担は3万円以下になります。
 
ただ、実際に支給される金額は収入や世帯の構成によっても異なるため、必ず支給額について確認をするようにしてください。
 

高等学校等就学支援金を受け取るには?

高等学校等就学支援金を受け取るには申請が必要です。必要な手続きについては4月頃に学校から案内があります。具体的な時期や案内の方法などについては学校やお住まいの都道府県などによって異なります。詳細については学校へご確認ください。
 

自治体独自の制度を利用することで授業料が無料となることもある

自治体によっては、高等学校等就学支援金に上乗せして独自の制度が運用されている場合があります。例えば、東京都の場合はおよそ年収590万円未満の世帯に対して年間7万3000円が、年収がおよそ910万円未満であれば年間35万200円の独自の助成制度があります。
 
東京都においては、国の支給分も含めて考えると年収910万円未満の世帯であれば授業料に関しては実質的に無料で私立高校に通うことができることになっています。
こういった制度は国の高等学校等就学支援金と同様に申請をしなければ給付を受けられないものになります。詳細についてはお住まいの自治体にご相談ください。
 

就学支援金の利用で私立学校に通う負担が軽減されることがあります

私立学校の授業料は東京都の場合平均で年間40万円以上と高額となりますが、国からの高等学校等就学支援金を利用することでその負担が軽減されます。自治体によっては自治体独自の制度を行っていることもあり、東京都のように実質的に授業料が無償で私立高校に通えることもあります。
 
これから私立高校に通う予定のある子どもを抱える世帯の方においては、一度国やお住まいの自治体で利用できる高等学校等就学支援金の制度について調べてみてください。
 

出典

文部科学省 高校生等への修学支援
文部科学省 ⾼等学校等就学⽀援⾦

文部科学省 高校生等への修学支援 年収目安

東京都 令和3年度 都内私立高等学校(全日制)の学費の状況

公益財団法人東京都私学財団 私立高校には学費負担を軽減する制度があります

 
執筆者:柘植輝
行政書士

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