二世帯住宅のメリット、デメリットは? 親世帯と子世帯の費用負担はどうなってるの?
配信日: 2022.07.29
「注文住宅の達人」が実施した「二世帯住宅」に関するアンケート結果から、二世帯住宅に実際に住んでいる人の声を聞いてみましょう(※)。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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経済的な理由で二世帯住宅を建てた人が多い
二世帯住宅で同居しているのは「夫の両親」が69%と、7割を占めています。
二世帯住宅を建てようと思った理由を聞いたところ、「親世帯からの希望」が最も多く、43%を占めました。親からの希望のほか、「土地を無償で提供してもらえた」(21%)、「建築費を抑えられるから」(14%)という点も挙げられており、経済的な理由で二世帯住宅を検討している人が多いことがわかります。他に、「家事や育児を協力してもらえるから」(17%)という理由を挙げる人もいます。
二世帯同居にあたり不安だった点は、「お互いのプライバシー」が52%と半数を超え、親子とはいえプライバシーを確保したいという声が多く寄せられました。他には「生活習慣の違い」(23%)、「子育てに対する口出し」(9%)、「生活時間のズレ」(9%)が挙げられました。
二世帯住宅のタイプを見ると、「一部共有型」が51%で、キッチンやリビング等一部を共有している人が半数以上でした。また、「完全分離型」が35%、「完全同居型」が14%となりました。
ハウスメーカーに依頼する人が多く、価格と間取りを重視
二世帯住宅を建てるのに相談した住宅会社の数を聞いたところ、「2~3社」が66%で、複数社を比較検討する人が多い一方で、「1社のみ」も25%と、4人に1人は1社のみで決めているようです。
建築を依頼した住宅会社は「ハウスメーカー」が61%を占めており、住宅展示場等で検討して大手ハウスメーカーに依頼する人が多いと思われます。他には「地元工務店」が35%で、この2つで100%近くとなっています。
住宅会社を選ぶ際に重視したポイントについては、「価格帯」(39%)と「間取り」(36%)が多く、価格はもちろんですが、プライバシーの面で間取りを重視していることがうかがえます。
予算は2501万円〜4000万円が6割。親世代が多めに支払う場合が多い
それでは、二世帯住宅を建てるのにいくらかかったのでしょう。土地代を含めず、二世帯住宅を建てるのにかかった予算を聞いたところ、「2,501万円~3,000万円」(23%)、「3,001万円~3,500万円」(21%)、「3,501万円〜4,000万円」(16%)が多く、「2,501万円〜4,000万円」で6割を占めました。
建築費の負担割合を聞くと、「親世帯が多めに負担」が48%と約半数となり、親が多く払っていることが圧倒的に多いようです。次いで「親世代と子世帯で半分ずつ負担」が24%のほか、「子世帯が多めに負担」している人も17%いました。
建てる前の段階で一番間取りで気をつかった点は「トイレ・お風呂の位置」が37%でトップに。トイレやお風呂は音が気になるため、どこに配置するか気をつかうようです。次いで「親世帯寝室の位置」が24%を占めました。親は比較的早めに就寝することが多いため、子世帯の生活音が聞こえないよう配慮していることがうかがえます。
二世帯住宅にして良かった点は、「建築費の援助が大きかった」が26%と最も多く、「土地代がかからなかった」(19%)と合わせると半数近くとなり、費用面のメリットをあげる人が多く見られました。また、「親の体調が悪いときに助けられる」(21%)、「子供の体調が悪いときに助けてもらえる」(20%)と、体調が悪いときにお互い助け合えることもメリットとして挙げられています。
一方で、二世帯住宅にして悪かった点は、「生活時間のズレがあり洗濯やお風呂の時間など気をつかう」が28%で最も多い結果に。そのため、前述した水回りの位置を慎重に検討する必要があるようです。また、「家族や友人を家に呼びづらい」(19%)、「家事や育児に口出しされてストレスになることがある」(13%)等、親に遠慮したり干渉されることが挙げられました。
以上のように、二世帯住宅は費用面や子供の世話、親の世話等でメリットがある反面、プライバシーの面がデメリットとなることがわかりました。どちらを重視するかは個人の判断になりますから、二世帯住宅にする場合は間取りを慎重に検討した方が良さそうですね。
出典
※株式会社MayLight 【建築費はどちらが負担する?】二世帯住宅に関するメリット、デメリットのアンケート調査結果発表
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部