メルクバイオファーマ株式会社が発表した調査結果(※)をチェックしてみましょう。
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目次
子どもを望む割合、そして不妊に悩む割合は?
まずは、事前調査として全国20〜40代の男女3万人を対象に行われたものの結果を見てみます。
将来子どもがほしいと回答したのは、全体の半数弱。年代別に見てみると、20代が6割超、30代がおよそ半数、40代になると一気に3割を切るかたちに。また、不妊に悩んだ経験がある人は、全体のおよそ2割。年代別に見ると、20代はまだ10%台ですが、30代40代になるとおよそ4人に1人が不妊に悩んでいるという状況に。
晩婚化が進んでいるといわれる今、30歳を過ぎてから結婚をしていざ子どもを授かろうとした際に、不妊に悩むというケースが多いのかもしれません。
ちなみに、妊活の経験がある人はおよそ2割、不妊治療の経験がある人はおよそ1割でした。不妊に悩んだ経験がある人はおよそ2割でしたから、半数の人は「不妊に悩みつつもさまざまな理由で治療に踏み出せない」「不妊に悩みそのまま諦める選択をした」ということなのでしょうか。
子を産み育てるのはハードルが高い? 多くの人が直面する経済的な問題
子どもがほしいと思っている人のうち、「今すぐ授かりたい」という人はおよそ2割。「いつでもいい」という人はおよそ15%でした。それ以外の6割超の人については、「3年以内に……」「せめて10年以内に」「11年以上先で」といった回答に。
その背景にあるのは、「経済的に余裕がない」というものがダントツで多く4割を超えていました。時間の余裕がなかったり精神的な余裕がなかったり、まだ今の生活スタイルを続けたいといったものだったりと、他にもさまざまな理由が。(複数回答)
本当はすぐにでも授かりたいけれど、お金がどうにもならないために数年先を計画している……という人も、実は少なくないのかもしれません。
子どもを産み育てるのには決して少なくないお金が必要です。そのため、夫婦で働きながら妊活をし、生まれた後も仕事と子育てを両立させなければならないという人がほとんどではないでしょうか。
そのような背景もあり、働きながら子育てをするために必要なこと(複数回答)として1位に上がったのは、やはり「経済的な支援」(64.4%)でした。もちろん勤めている会社の支援やパートナーや家族の支援・理解についても、必要だという声が多く上がっています。
子どもを授かるにも、生み育てるにも、第一にお金の問題にぶつかるケースが多いということが分かりますね。
「妊活・子育て」と「仕事」の両立、男性よりはるかに女性が高負担! 1割弱の女性が子育て退職を経験
では最後に、本調査として高校生以下の子どもがいる20〜40代の有職者1200人(男女各600人)を対象に行われたものの結果を見てみましょう。子育てと仕事を両立させるために、働く親たちはどのようなことに悩んでいるのでしょうか。
女性1位の回答は「時間的制約」で71%、女性2位は「体力的な負担」で70%、女性3位は「精神的な負担」で62.8%、僅差で「経済的な負担」が62.7%でした。一方で男性1位は「経済的な負担」で60.2%、男性2位は「時間的制約」で51.2%、男性3位は「精神的な負担」で44.3%、僅差で「体力的な負担」が44%でした。(複数回答)
女性と男性で、割合も順番も違っていますね。やはり日本はまだ子育ての中心が女性ということもあり、仕事と子育ての両立の負担も女性に多くのしかかっているということなのでしょうか。
実際、パートナーの協力不足に悩んでいるという人の割合は、女性で28.3%、男性で6.7%と大差が開いています。世のパパたちはもっと積極的に子育てをすることで、夫婦関係や家庭内の空気もグンッとよくなるかもしれませんね。
ちなみに、子育てのために退職したという割合は、女性で14%、男性で3%でした。やはりここでも、男性よりも女性にかかる負担のほうが非常に大きいことが分かりますね。退職だけでなく子育てのための転職・異動を含めると、女性はおよそ35%、男性は22%にも上ります。
この調査から、子を産み育てるには経済的なハードルが高いのが現状ということ。そして子育てと仕事の両立には、経済的な支援はもちろん女性の負担を取り除くためのパパや家族の協力が必要不可欠ということが分かりました。
一部不妊治療の保険適用なども始まったことですし、もっと精神的にも経済的にも気軽に妊活・不妊治療・子育てに参加できるような風土ができあがっていくことを願いたいものです。
出典
※メルクバイオファーマ株式会社「第6回『妊活®・不妊治療・子育て』と『仕事』の両立に関する意識と実態調査」
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部