更新日: 2022.07.29 その他暮らし

【同性婚】が日本の経済に好影響をもたらす3つの理由とは?

【同性婚】が日本の経済に好影響をもたらす3つの理由とは?
同性婚という婚姻の形が話題になっています。諸外国など、文化が成熟した寛容な社会では既に認められているところもありますが、日本ではその是非が議論になっているのです。宗教的な観点や家族のあり方などが主な論点になっています。
 
この記事では、同性婚の持つ経済的可能性について、あるレポートを参照しながら解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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現在の日本での同性婚の受容

生物の世界では持続可能な生存環境を保持するためには多様性が必須条件であることが知られています。人間の社会でも、人種、性別、文化などの差異を超えて、多様な存在を認め合う姿勢が、持続可能な社会の基礎的要件であると考える人や企業が増えてきています。
 
そのなかでも「LGBTQ+」など、性的マイノリティーの人たちの権利を擁護する運動が盛んです。ちなみに「LGBTQ+」とは「レズビアン」「ゲイ」「バイセクシュアル」「トランスジェンダー」「クエスチョニング」または「クィア」の頭文字に「その他の可能性」の意味での+がつけられた、全ての性のあり方を含む包括的な概念です。
 
このようなLGBTQ+の権利にからむ法的課題の1つとして同性婚問題があります。現状では憲法24条1項の「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し(以下省略)」という部分の解釈が問題となり、衆議院や裁判所などで議論が行われているのです。なかなか議論は進まない一方で、自治体では、同性カップルの権利を条例等で保障する「パートナーシップ制度」などの取り組みが先行しています。
 

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同性婚法制化の日本経済へのインパクトを示したレポート

アクセンチュア、アメリカンエクスプレス、AT&T、バークレイズ、IKEA、ロレアルなど35以上のグローバル企業が賛同する「Open For Business」という団体があります。この団体は、LGBTQ+のインクルージョン(包摂)を推進しており、2020年に「婚姻の平等が日本社会にもたらす経済インパクトレポート」を発表しました。婚姻の平等と経済効果という観点は次の3点にまとめることができます。
 
なお、この「婚姻の平等」とは同性婚の法制化のことで、このレポートを日本語に翻訳した公益社団法人Marriage For All Japan–結婚の自由をすべての人に(東京都港区)によりますと、2022年7月27日現在、267の企業・団体が「婚姻の平等」に賛同しています。
 

・人材戦略への影響

高度なスキルを持つ優秀な人材は、LGBTQ+に対して開かれた環境を求めています。同性婚の法制化が進めば、日本が開かれた社会であることを表現するメッセージの1つとして、世界中の優秀な人材が日本に注目することでしょう。
 

・GDP経済成長への影響

社会や職場でのLGBTQ+差別の存在は、働く人たちのパフォーマンスを低下させます。その結果として国家のGDPにマイナスの影響を与える可能性があります。LGBTQ+のインクルージョンは経済成長につながるのです。具体的な数値としては、婚姻の平等などのLGBT+に関する法制度の整備によって、1人当たりのGDPが1694ドル程度高くなる傾向があると考えられます。
 

・企業業績への影響

LGBTQ+のインクルージョンを実現している企業は、イノベーションや株価の面で高いパフォーマンスを発揮する傾向があります。ここに、同性婚の法制化が加われば、企業が独自に対応してきた福利厚生のコストを低減することにつながります。
 

同性婚の法制化で日本のさらなる経済発展を

このレポートを発表した団体を構成する企業は、ほとんどが高収益を上げているグローバル企業です。実際にその現場でLGBTQ+のインクルージョンが実現していることを考えると、彼らの主張には説得力があります。
 
日本の今後の経済発展のためには、公共も民間も含めたあらゆる領域で、同性婚の法制化を始めとする多様性のある社会の実現に向けて、真剣に取り組むべき時期が来ているといえるでしょう。
 

出典

衆議院 第196回国会 日本国憲法下での同性婚に関する質問主意書
Business for Marriage Equality 経済効果レポート
Business for Marriage Equality 経済効果レポート
Business for Marriage Equality 婚姻平等賛同企業・団体
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部