更新日: 2022.08.02 暮らし

災害時に使える公的救済制度にはどのようなものがある?

執筆者 : 新井智美

災害時に使える公的救済制度にはどのようなものがある?
毎年、日本のどこかで地震や土砂災害が発生しています。
 
いつ、どこで災害が起きてもおかしくない状況の中で、災害に遭ったときに使える公的救済制度にはどのようなものがあるのかを知っておくことは大切です。
 
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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罹災証明書

被災した際に、はじめに行っておきたいのが罹災(りさい)証明書の申請です。公的な支援金もしくは災害義援金などといった給付を受けたり、税金の減免や融資を受けたりする場合に必要となります。
 
罹災証明書とは、災害対策基本法に基づいて、災害による住宅などの被害の程度を証明するもので、申請窓口は市区町村です。申請を行うと、市区町村の職員などが被害認定調査を行い、後日、調査結果に基づいて罹災証明書が発行されます。
 
罹災証明書によって証明される住宅の被害程度の区分は、図表1のとおり6つに分けられています。
 
【図表1】

図表1

 
以前は5つに区分されていましたが、2020年12月に「被災者生活再建支援法の一部を改正する法律(※2)」が施行されたことに伴って、「中規模半壊」が追加されています。
 

住宅の応急修理制度

自分の家が被災した際には、できるだけ早く修理をして住みやすくしたいと考えるものです。
 
その際に利用できるのが、災害救助法による「住宅の応急修理制度(※3)」です。この制度は、都道府県または市区町村が業者に修理を委託し、修理代金は直接業者に支払われる仕組みになっています。
 
そのため、被災者が自分で部材などを購入して修理した場合は、この制度の対象外になってしまう点に注意が必要です。さらに、自分が修理した後に被害の認定が行われると、実際よりも軽い被害程度と判定されてしまう可能性があります。
 
制度の概要については以下のとおりです。
 

■対象となる被災世帯の要件

この制度の対象となる被災世帯は、以下の要件に当てはまる必要があります。

・災害によって「大規模半壊」「中規模半壊」「半壊」または「準半壊」の被害を受け、そのままでは住めない状況にあること
・応急修理を行うことにより、避難所などへの避難が不要になることが見込まれること
・応急仮設住宅や公営住宅などを利用しないこと

 

■支援の内容

被災した住宅の屋根や台所、トイレなど日常生活に必要な最小限度の部分について、応急的な修理を行います。
 

■修理限度額

1世帯あたり54万7000円が限度となっています(ただし、自治体によっては、一定の条件のもとで上乗せあり)。また、準半壊の場合は30万円が限度となります。
 

■応急修理の期間

災害発生の日から1ヶ月以内(国の災害対策本部が設置された災害の場合は6ヶ月以内)に修理が完了します。
 

被災者生活再建支援制度

10世帯以上の住宅全壊被害が発生した自然災害によるもの住宅の被害程度が全壊、もしくは大規模半壊の場合や、やむを得ず住宅を解体したり、長期間の避難生活が必要となったりする場合に、被災者生活再建支援法に基づく「被災者生活再建支援制度」により、基礎支援金が支給されます。
 
この制度の概要については以下のとおりです。
 

■対象となる被災世帯

この制度の対象となる被災世帯は、以下のいずれかに当てはまる世帯です。

1. 住宅が全壊した世帯
2. 住宅が半壊もしくは住宅の敷地に被害が生じ、その住宅をやむを得ず解体した世帯
3. 災害による危険な状態が継続し、住宅に住むことができない状態が長期間継続している世帯
4. 住宅が半壊し、大規模な補修を行わなければ居住することは困難な世帯(大規模半壊世帯)
5. 住宅は半壊し、相当規模の補修を行わなければ居住することが困難な世帯(中規模半壊世帯)

 

■支援金の支給額

支給額は基礎支援金と加算支援金があり、住宅の損害の度合いによって金額が異なります。
 
【図表2】

図表2

 
世帯人数が1人の場合は、各該当欄の金額の4分3の額になります。
 

■申請期間

申請期間は、基礎支援金と加算支援金で異なります。

・基礎支援金:原則として災害発生日から13ヶ月以内
・加算支援金:原則として災害発生日から37ヶ月以内

なお、この支援金の使途は限定されていないため、必ずしも住宅の再建などのために使わなくても良いとされています。仮に建設資金として使う場合であっても、最大支援金額は300万円のため、資金が不足する場合には、被災者向けの融資の利用も考える必要があります。
 
(出典:内閣府 防災情報のページ 被災者生活再建支援法(※4))
 

まとめ

災害で被災した場合には、上記で紹介した制度以外にも災害義援金の給付が受けられる可能性がり、ほかにも災害弔慰金や災害障害見舞金などが用意されています。各市区町村の条例に基づいて支給されるため、金額については市区町村で異なることが予想されます。
 
災害で被災した際に用意されている公的な救済制度は、災害の状況などによって法改正や制度の見直しがあり、これまで使えなかった制度が使えるようになったり、逆に今まで使えた制度が使えなくなったりすることもありますので、定期的に確認しておきましょう。
 

出典

(※1)内閣府 防災情報のページ 災害に係る住家の被害認定
(※2)内閣府 防災情報のページ 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案が閣議決定されました
(※3)内閣府 防災情報のページ 6.住宅の応急修理
(※4)内閣府 防災情報のページ 被災者生活再建支援法
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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