家族が認知症かなと思ったら、どこで診察してもらう?

配信日: 2022.08.03

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家族が認知症かなと思ったら、どこで診察してもらう?
厚生労働省の調査によると、日本における65歳以上の認知症の人数は2020年時点で約600万人となっています。そしてその数は年々増加し。2025年には高齢者の5人に1人である700万人にも増加するといわれています(※1)。
 
認知症とは、どのような病気なのか、また家族が認知症かなと思った際にはどこで診察してもらうのかについて解説します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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認知症とは?

認知症とは、脳の病気や障害などさまざまな要因によって脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりしたために、日常生活への支障が出る状態をいいます。
 
認知症の中で最も多いのが「アルツハイマー型認知症」で、脳神経が変性し、脳の一部が萎縮するためにおきるものです。次いで多いのが「血管性認知症」で、脳梗塞など脳血管障害が原因となっておきる認知症です。
 
(出典:厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス総合サイト 認知症(※1))
 

認知症の症状

認知症になると、脳の細胞が壊れることにより、次のような症状がみられます。
 

1. 記憶障害:数分前に聞いてきたことをまたたずねるなどの症状です。
 
2. 見当識障害:見当識とは、現在の年月や時刻、自分がおかれている状況を把握することです。この機能が障害を起こすことで、季節感のない服を着たり、道に迷ったりします。
 
3. 理解力、判断力の障害:物事を理解したり適切な判断をしたりすることができなくなることで、自動販売機や銀行のATMの前で手続きが分からずまごつくといった症状がみられます。また、運転などのミスが多くなることも特徴です。
 
4. 実行機能障害:物事の計画を立て、実際に行動することが困難になることで、今までできていた調理の手順が分からなくなって中断するといった症状がみられることもあります。

 
これらの症状のほか、認知症の初期段階では、すべてが面倒になり、以前は面白かったことに対して興味がわかないと感じるなどのケースも見られます。その他、怒りっぽくなる、幻覚、ものを盗まれたと疑うなどといった行動症状が出ることもあります。
 
また、もの忘れには加齢によるものと認知症によるものがあります。これらの区別は難しいものですが、以下の点を注意してみておくことで、認知症のサインに気付くことがあります。
 

■日常生活に支障をきたしている

日常生活に支障がないもの忘れであれば、加齢によるもの忘れと考えられますが、「約束を忘れる」もしくは「自分が経験したことを覚えていない」などであれば、認知症が疑われます。
 

■本人の自覚がない

忘れているという自覚があれば、単に加齢によるものと判断できます。しかし、もの忘れをしていること自体に気付かなくなり、話の中でつじつまを合わせようとするような場合は、認知症と考えてもよいかもしれません。
 

■もの忘れの範囲

一部を忘れているだけなら加齢によるものでしょう。しかし全体を覚えていないとなると、認知症が疑われます。例えば、昨日の夜に何を食べたか思い出せないなら、加齢によるもの忘れの範囲かもしれませんが、認知症の場合は、昨日の夜にご飯を食べたかどうか、それ自体を覚えていないケースがあります。
 

軽度認知障害とは?

認知症と診断されるまではなくても、軽度認知障害と診断されるケースもあります。軽度認知障害の特徴は以下のとおりです。
 

1. 以前と比べてもの忘れがひどくなった(本人の自覚あり)
 
2. 日常生活に大きな支障はない

 

早期診断・早期治療が重要

認知症の中でも最も多いアルツハイマー型認知症は、薬で進行を遅らせることができるため、早期に治療を開始することで健康な時間を長く保つことができます。
 
しかし、認知症の診断は初期ほど難しく、高度な検査機器と熟練した技術が必要になることがあります。
 
全国に設置されている認知症疾患医療センター(※2)では、認知症の診断や治療、相談などを受けることができます。また、自治体によっては、ホームページなどで認知症の診断や治療を行っている医療機関を紹介しています(※3)。
 
なお、身近な相談窓口としては、各市区町村の地域包括支援センター(※4)があり、介護などに関する相談を受け付けています。
 
認知症の早期診断、早期治療のためには、地域の認知症関係機関との連携がポイントです。上記で紹介したような医療センターや自治体が紹介している医療機関、さらには地域包括支援センターを利用し、早期受診を心掛けるようにしましょう。
 

まとめ

家族が認知症かと思っても、本人にその自覚がない場合は、診察を受けることを拒むケースもあるでしょう。そのような時は決して無理強いはせず、「軽い気持ちで、一度検査をしてみてはどう?」と促したり、「私たち家族が心配なので診察を受けてほしい」と頼んでみたりする方法もあります。また、かかりつけ医などの第三者から受診を勧めてもらうのもよいでしょう。
 
認知症の人が穏やかに暮らすためには、周囲の理解と気遣いが必須です。「家族を温かく見守る」という意識で接するようにしましょう。
 

出典

(※1)厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス総合サイト 認知症
(※2)一般社団法人 認知症予防協会 全国の認知症疾患医療センター 一覧
(※3)横浜市 認知症の診断・治療を行う医療機関リスト
(※4)厚生労働省 地域包括支援センターの業務
横浜市 ホームページ

 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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