更新日: 2022.08.03 その他暮らし

ペットのマイクロチップ義務化。かかる費用と手続き、安全性は?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

ペットのマイクロチップ義務化。かかる費用と手続き、安全性は?
ペットのマイクロチップ義務化について何となく聞いたことがあっても、何をしなければならないのか具体的には知らない人も多いでしょう。
 
2022年6月1日より施行されたペットのマイクロチップ義務化によって、ペットショップなどが販売する犬や猫には、必ずマイクロチップが装着されるようになりました。それにともない、飼い主の情報登録も義務付けられています。
 
本記事では、ペットのマイクロチップ義務化の概要や飼い主が取る手続きの方法と費用、マイクロチップの安全性についてまとめました。ペットを購入する前に、制度について予習しておきましょう。
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ペットのマイクロチップ義務化とは?

 
ペットのマイクロチップ義務化とは、ペットショップやブリーダーが、販売する犬や猫にマイクロチップの装着を義務付ける制度です。
 
マイクロチップには15桁の識別番号が割り振られており、番号を指定登録機関である公益社団法人日本獣医師会のデータベースに照会すると、所有者の氏名や住所、連絡先などの登録情報が分かります。
 
この制度の主な目的は、マイクロチップの装着によって犬・猫の遺棄を防いだり、迷子や災害・事故、盗難で飼い主と離れてしまった犬・猫を飼い主のもとに返したりするのに役立てることです。
 
2022年6月1日より本制度が開始したことにより、犬・猫の飼い主には次のことが義務付けられます。

●ペットショップやブリーダーから犬・猫を購入した際や、マイクロチップを装着した犬・猫を譲り受けた際のマイクロチップの登録情報(所有者情報)の変更
●制度開始前から飼育している犬・猫やペットショップ・ブリーダーなど以外から購入した犬・猫にマイクロチップを装着した際の情報登録
●登録事項に変更が生じた際の変更の届出
●マイクロチップを装着した犬・猫が死亡した際の届出

なお、制度開始前から飼育している、またはペットショップ・ブリーダーなど以外から購入した犬・猫に関しては、マイクロチップの装着は任意ですが、努力義務があります。また、マイクロチップの装着費用は、動物の種類や施術する動物病院にもよりますが、一般的に数千~1万円程度です。
 

ペットのマイクロチップ登録の手続き方法

 
マイクロチップを装着した犬・猫を飼い始めるときや、犬・猫に新たにマイクロチップを装着したときには、所有者情報などの登録手続きが必要です。また、転居や譲渡、犬・猫の死亡などで登録内容に変更が生じたときは、変更の届出をしなければなりません。
 
いずれの手続きの場合も、指定登録機関である日本獣医師会にオンラインもしくは郵送で申請しましょう。シーン別の手続き内容や必要書類・費用は図表1のとおりです。
 
【図表1】

手続き 期限 必要書類 手数料
マイクロチップを装着した犬・猫を飼い始めたとき 所有者情報の変更登録 犬・猫の取得後30日以内 登録証明書(犬・猫と一緒に渡されたもの) オンライン:300円
郵送:1000円
犬・猫に新たにマイクロチップを装着したとき 所有者情報等の登録 装着後30日以内 マイクロチップ装着証明書(獣医師発行) オンライン:300円
郵送:1000円
登録情報に変更が生じたとき、犬や猫が死亡した場合 各事項の届出 変更が生じたとき 登録証明書 無料

出典:東京都福祉保健局 犬、猫へのマイクロチップ装着に関する制度について(令和4年6月から施行)
 

マイクロチップ義務化でペットに危険はない?

 
犬・猫に装着するマイクロチップは、直径2mm、長さ12mm程度の円筒形をした、非常に小さいものです。日本獣医師会によると、マイクロチップの装着が動物に悪影響を与えることはほとんどありません。諸外国の機関などの調査結果も含めて副作用などの報告もほぼなく、ワクチン接種などと比べても安全性は高いとされています。
 
また、マイクロチップ装着後もレントゲン撮影やCTスキャンなどに支障はなく、特定の条件のMRIで画像のゆがみが認められる程度の影響です。そのため、動物病院での検査が必要となった際にも、多くの場合は通常どおり受診できると考えてよいでしょう。
 

ペットと離ればなれにならないためにマイクロチップを装着しよう

 
ペットへのマイクロチップ装着義務化によって、犬・猫の購入時などには所有者情報の登録が必要となります。
 
飼い主にとっては従来と比べて費用や手間が増える制度ですが、マイクロチップによって所有者情報が管理されることで、大切なペットが万が一迷子になったり災害などで離ればなれになってしまったりしたときに、再開できる可能性が上がるでしょう。
 
これから犬や猫を飼い始める人は、マイクロチップの情報登録手続きを忘れずに行いましょう。
 

出典

東京都福祉保健局 犬、猫へのマイクロチップ装着に関する制度について(令和4年6月から施行)
環境省 動物の愛護と適切な管理 犬と猫のマイクロチップ情報登録に関するQ&A
環境大臣指定登録機関 公益社団法人日本獣医師会 犬と猫のマイクロチップ情報登録
公益社団法人日本獣医師会 動物の福祉及び愛護
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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