更新日: 2022.08.23 その他暮らし
親の不動産を「負動産」にしないために、今できること
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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もし放置すると、どんなデメリットがあるの?
デメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
●家が荒れてしまい、防犯上の危険性が高まる
●庭木の手入れなどで、近隣住民と損害賠償トラブルになる可能性もある
●土地や家屋を所有していると、固定資産税・都市計画税などの税金の負担が続く
「おおむね年間を通じて居住・その他利用がされていない建築物(住宅に限らない)」状態を、法律では「空家等」と定義されています。これらに加えて、以下のような状態が1つでも当てはまれば自治体から「特定空家等」として、罰則が適用されることもあります。
現時点で、著しく保安上危険・衛生上有害な状態にあるものだけでなく、そのような状態になることが予見されるものも「特定空家等」に含まれます(図表1)。
図表1
特定空家等
(1)倒壊など著しく保安上危険となるおそれがある状態
(2)アスベストの飛散やごみによる異臭の発生など、著しく衛生上有害となるおそれがある状態
(3)適切な管理がされていないことで著しく景観を損なっている状態
(4)その他、立木の枝の越境やすみついた動物のふん尿などの影響によって、周辺の生活環境を乱している状態
「特定空家等」に認定されると、自治体は所有者に適切に管理をするように助言や指導を行います。それでも改善が見られない場合は勧告や命令を行います。所有者が命令に従わなければ、最大50万円以下の過料に処される場合があります(空家法第14条、第16条)。
出典:政府広報オンライン 年々増え続ける空き家!空き家にしないためのポイントは?
今からできることは、何があるの?
例えば、以下のような事項も考えてみてはいかがでしょうか。
●不動産登記の記録(登記人など)を最新の状態にする
登記記録が古いままだと、相続の時にかなりの作業が発生して負担が強まる可能性もあります(令和6年4月から相続登記が義務化されます)。
●リフォームして、将来に賃貸や売却しやすくする
●空き家の管理サービスを利用する
●家財をなるべく整理して、最終的な家財処分費用を抑える
●空き家バンクや、解体費用の補助など、国や自治体独自の制度の利用を調べて検討する
税制の特例制度などがあります
例えば、以下のような税制の特例制度もあります。適用できるか、専門家に相談しておくのも良いでしょう。
・住宅用地の特例制度
住宅・マンションなど居住できる建物の敷地である「住宅用地」には、特例措置が適用される場合もあります。
例えば、固定資産税の課税標準額は、面積200平方メートル以下の部分までの住宅用地(小規模住宅用地)は6分の1、小規模住宅用地以外の住宅用地は3分の1に軽減されます。
しかし、前述した空家法に基づく勧告を受けた「特定空家等」の敷地や、居住のために必要な管理がされていない場合などで今後居住する見込みがない空き家の敷地には、特例措置は適用されません。
・空き家対策に関する税制特例
・空家の譲渡所得の3000万円特別控除(相続開始の日から3年を経過する年の12月31日までに、一定条件を満たせば譲渡所得から3000万円まで控除)
・居住用財産の譲渡に関する特例措置(居住用財産の譲渡であること等の諸条件を満たせば譲渡所得から3000万円まで控除)
・低未利用地の適切な利用・管理を促進するための特例(譲渡価格が500万円以下の低未利用土地等の諸要件を満たせば譲渡所得から100万円を控除)
まとめ
親など家族が築いてきた資産である、不動産を「負動産」にしないために、早めに将来の道筋(維持・賃貸・売却・財産放棄)をどうするのか、この記事を参考に、家族で話し合っておくのも良いでしょう。
出典
富里市 住宅用地に対する課税標準の特例
国土交通省 空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報
国土交通省 空き家・空き地バンク総合情報ページ
国土交通省 全国地方公共団体空き家・空き地情報サイトリンク集
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部