更新日: 2022.08.23 その他暮らし

お米への支出は平均「約2.3万円」!産地ほど支出金額が安い傾向に

お米への支出は平均「約2.3万円」!産地ほど支出金額が安い傾向に
日本人の主食といわれる「お米」。日本人は米に年間どのくらいのお金をかけているのでしょうか。また、1世帯当たりどのくらいの米を食べているのでしょうか。
 
この記事では総務省統計局の「家計調査」をもとに、日本人が米にどのくらいのお金をかけているのか説明していきます。また、日本人に人気がある米の品種についても解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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1世帯当たりの平均支出額は2万2998円

総務省統計局の「家計調査(2人以上の世帯)」によると、2019年から2021年の3年間における、米への年間支出額の平均は2万2998円でした。都道府県庁所在地と政令指定都市の中で、1世帯当たりの支出金額が最も多かったのは北海道札幌市で2万9665円、次が静岡県静岡市で2万9410円、3位が福井県福井市で2万8034円となりました。
 
一方、1世帯当たりの米の消費量は平均62.51キログラムでした。1世帯当たりの米の消費量が最も多かったのは福井県福井市で76.04キログラム、2位が静岡県静岡市で75.94キログラム、3位が北海道札幌市の75.40キログラムと続きました。
 
福井県はコシヒカリをはじめとする水稲栽培が盛んな県で、水稲の作付面積は2万6000ヘクタールにのぼります。一方、北海道は水稲栽培が盛んな地域ですが、札幌市だけを見ると水稲栽培を行っているのは南区など限られた地域になっていて、水稲よりも野菜の栽培が盛んな地域です。福井県福井市は消費量が最も多かったのに対し支出額が3位だったのには、地域で米を栽培していたことも関係しているでしょう。
 
ちなみに、支出金額が4位だったのは米の栽培が行われていない沖縄県那覇市でした。那覇市の1世帯当たりの平均消費量は68.05キログラムで、全国12位となっています。「フードマイレージ(食料の輸送量×輸送距離)」が高くなるほど、米を購入する価格が高くなっている様子がうかがえます。
 
なお、米の消費量が最も少なかったのは東京都区部で1世帯当たりの年間消費量は51.24キログラムでした。
 

人気の品種はコシヒカリ


 
2020年に最も作付け比率が高かったのは「コシヒカリ」で、33.7%を占めました。
 
コシヒカリは1956年に誕生した品種で、北海道と沖縄県を除く日本全国で栽培されていて、2位のひとめぼれの作付け比率を3倍以上、上回っています。米が白くつややかで粘り気があり、甘みや香りが強いのが特徴です。新潟県では県内各所でコシヒカリが栽培されていて、魚沼・岩船・佐渡はコシヒカリの三大産地と呼ばれています。
 
2番目に作付け比率が高かったのは「ひとめぼれ」で、9.1%を占めました。
 
ひとめぼれは宮城県や岩手県・福島県などの東北地方で生産されている米です。ひとめぼれはコシヒカリと「初星(はつぼし)」を掛け合わせ宮城県で誕生した品種で、冷害に強いという特徴があります。栽培のしやすさから、全国で作られるようになりました。
 

お米の産地では消費量が多くても支出金額が抑えられる

最も作付け比率が高い品種はコシヒカリで、比率を見ると33.7%です。日本の2人以上の家庭が1年間に米に支出する金額は2万2998円でした。米の支出金額が高い県ほど消費量が多いわけではなく、米の特産地では消費量が多いのにもかかわらず支出金額が少なくなっていました。
 
特に、コシヒカリの特産地である福井県福井市は、米の支出金額が3位にもかかわらず米の消費量が最も多い地域です。米は産地に近いほど安く流通しているといえそうです。「地産地消」が食費節約のカギを握っているのかもしれません。
 

出典

総務省統計局 家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2019年~2021年平均)
公益社団法人米穀安定供給確保支援機構 米ネット お米Q&A : 日本で多く生産栽培されているお米の品種を教えてください
農林水産省 「コシヒカリ」の歴史と特徴(とくちょう)についておしえてください。
新潟県農林水産部 10月の旬コシヒカリ
農林水産省 「ひとめぼれ」はどんなお米ですか。
JAグループ ひとめぼれ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部