更新日: 2022.09.09 子育て

「大学無償化制度」とは? 支援内容や注意点を解説

執筆者 : 古田靖昭

「大学無償化制度」とは? 支援内容や注意点を解説
大学無償化制度は、2020年4月に始まり、正式名称は「高等教育の修学支援新制度」といいます。大学などの高等教育を受けたいけれども金銭面で難しい世帯の子どもの修学支援制度です。
 
本記事では、大学無償化制度や支援内容、注意点について解説します。
古田靖昭

執筆者:古田靖昭(ふるた やすあき)

二級ファイナンシャルプランニング技能士

大学無償化制度とは


大学無償化制度は、経済的な理由で大学の進学をあきらめなければならなかった場合でも、進学が可能な制度です。大学の修学支援として、「入学金や授業料の減免」や「給付型奨学金の支給」があり、大学無償化の条件に該当すれば支援を受けられます。ただし、進学後の学業成績が悪く、欠席しがちな場合など、支援が打ち切られる可能性があるため注意しましょう。
 

支援の対象者

大学無償化制度の支援対象となる学生は、住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯の学生です。年収の目安と支援額は図表1のとおりです。
 
図表1
 

 
出典:文部科学省 大学生の皆さんへ 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援制度 支援の対象者 より筆者作成
 
資産にも要件があり、生計を維持する人が1人の場合は1250万円未満を基準、2人の場合は2000万円未満を基準としています。なお不動産は資産の対象外です。
 

支援対象者の学力

支援対象になる学生の学力は、高校2年の申込時までの評定平均値が3.5以上の場合、進路指導などで学修意欲を見ることになり、3.5未満であればレポートや面談で学修意欲を確認します。認められれば予約採用されます。
 
大学入学後の申し込みの場合、入学1年目と入学2年目以降で異なります。入学1年目は、高校の評定平均値3.5以上や、学修計画書を提出し学修意欲が認められることなどが条件です。入学2年目以降では、在学中の平均成績などが上位1/2以上であることや単位の取得状況、学修計画書を提出し学修意欲が認められる人などが条件になります。
 

支援を受ける内容

大学無償化の支援制度には、「入学金や授業料の減免」や「給付型奨学金の支給」があります。
 

入学金や授業料の減免

大学無償化制度には、入学金や授業料が減免される支援があります。受け取れる金額の上限額は図表2のとおりです。世帯の経済状態によって受け取れる金額は変わります。
 
図表2 <昼間制>
 

 
出典:文部科学省 大学生の皆さんへ 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援制度 支援の金額より筆者作成
 

給付型奨学金の支給

給付金型奨学金は、入学金や授業料以外にも活用できる支援金として日本学生支援機構から学生に毎月支給されるものです。受け取れる金額の上限額は図表3のとおりです。
 
図表3 <昼間制・夜間制>
 

 
※カッコ内の金額は、生活保護世帯で自宅通学する人や児童養護施設などから通学する人が該当します。
出典:文部科学省 大学生の皆さんへ 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援制度 支援の金額より筆者作成
 

大学無償化制度は始まったばかりの制度

大学無償化制度は、2020年4月に始まったばかりの比較的新しい制度です。今まで経済的な理由で大学への進学をあきらめていた人でも、進学できる可能性が広がりました。大学の修学支援は、「入学金や授業料の減免」や「給付型奨学金の支給」があり、大学無償化の条件に該当すれば支援を受けられます。
 
今は関係ないと思っている世帯でも将来的に必要となる場合もありますので、大学無償化制度があることを覚えておくとよいでしょう。
 

出典

文部科学省 大学生の皆さんへ 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度

文部科学省 支援措置の対象となる学生等の認定要件について

 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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