高校の金融教育や成年年齢の引き下げ。10代のお金への意識は?
配信日: 2022.09.14
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社は、15歳~19歳の学生を対象に実施した「10代の金銭感覚についての意識調査2022」から、10代のお金に関する意識を見ていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
大学生ではお小遣い以外の収入がある人が7割。通常営業する店が増え、アルバイト収入も増えた?
高校生では「収入はお小遣いのみ」が52.4%と半数以上を占めているのに対し、大学生等では12.7%となっています。しかし、高校生では28.9%だった「お小遣い以外の収入がある」が72.1%となっており、高校を卒業すると生活が変化し、何かとお金が必要になってくるため、アルバイト等をしている人が多いことがわかりました。
1ヶ月あたりの収入額の平均は、高校生で1万1813円、大学生等では4万3883円という結果に。平均お小遣い金額は、高校生で4417円、大学生等では1万140円でした。また、平均アルバイト代は、高校生では6961円、大学生等では3万2903円となっています。
昨年と比べて、アルバイト代の平均は、高校生では267円の増加、大学生等では6468円の増加となりました。商業施設や飲食店が通常営業するようになり、求人が増え、勤務時間も長くなったため、収入が増えたと思われます。
預貯金をしている高校生は57.3%、大学生等は63.8%と、両世代で6割前後でした。預貯金の平均総額は、高校生では11万6725円と前回調査からは2万9952円増、大学生等では平均26万7718円で5万1503円増となっています。コロナ禍では交際費やレジャーへの支出が減っていることもあり、預貯金が増えた人が多いと思われます。
男性は「アニメ・マンガ」、女性は「推し活」にお金をかけている
それでは10代は何にお金をかけているのでしょう。お金をかけたいと思うものの1位は、「ファッション」とアイドル・キャラクターのグッズなどの「推し活」がいずれも37.3%で、以下は「友人との交際」(34.5%)、「アニメ・マンガ」(30.5%)、「旅行・観光」(30.2%)が続きました。男女別では、男性の1位は「アニメ・マンガ」が32.6%、女性の1位は「推し活」が55.0%となっています。
人・社会・地域・環境に配慮した「エシカル消費」をしたことがある人は62.1%で昨年より9.7ポイントアップしています。「リサイクル素材を使った商品」(59.6%)、「地産地消になる商品」(37.8%)、「省エネ商品」(34.8%)などを購入しているようです。学校教育でSDGsに関する教育をしていることもあり、10代はエシカル消費に対する意識が高いと思われます。
お金のトラブルから子どもを守れ!
これまでに、詐欺などのお金のトラブルの被害にあったことがある人は11.6%で、男性では13.0%、女性では10.2%でした。具体的なトラブルは、「ワンクリック詐欺」(25.9%)にあった人が最も多いことがわかりました。
ワンクリック詐欺とは、Webサイトやメールに記載されたURLをクリックしただけで、サービスへの入会などの契約成立を宣言され、多額の料金の支払いを求められるもので、Webページを閲覧している際にうっかりクリックしてしまうケースが想定されます。他には「フィッシング詐欺」(20.7%)、「無料商法」(19.8%)が続きました。
2022年4月から成年年齢が18歳に引き下げられました。成年年齢引き下げによって、新たに18歳からできるようになったものを聞いたところ、「親の同意なしでクレジットカードをつくる」(63.6%)、「親の同意なしで携帯電話を契約する」(60.1%)、「親の同意なしで一人暮らしの部屋を借りる」(53.4%)については理解している人が半数以上でした。
しかし、このように保護者の同意なしに自分の判断でお金の契約ができるようになると、トラブルにも巻き込まれがちです。保護者は、子どもにお金に関する注意事項をしっかりと説明し、子どもがトラブルにあわないようお金の使い方をチェックしましょう。
出典
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社 10 代の金銭感覚についての意識調査 2022
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部