大学の学費はなぜ文系よりも理系の方が高いの?
配信日: 2022.09.15
文系よりも理系の学費の方が高い理由は明確にあります。この記事では、大学の学費はなぜ文系よりも理系の方が高いのかについて解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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理系の学費の方が高いのは授業形態の違いにある
理系の学費の方が高い理由は、文系と理系の授業形態の違いにあります。具体的にいうと、理系の方が文系よりも、実験や実習の数がはるかに多いということです。
実験や実習をするためには、実験材料や実験施設が必要となりますが、理系の実験や実習にかかる費用を文系の学費に上乗せはできません。
また、実験や実習をするためには教員が必要となります。しかし安全性を確保しながら教員1人が対応できる学生数は限られているといえるでしょう。すべての学生の安全性を確保しながら実験や実習を行うためには、文系よりも多くの教員を雇用しなければいけません。
一方で、文系では実験や実習の数は少ないだけでなく、授業自体も、広い教室で数十人、数百人を相手にして行われることもあるなど、1人の教員で多くの学生を担当することが可能です。
理系の学費の方が高い理由は、実験材料や実験施設の費用、実験や実習の安全性を確保するために多くの教員を雇用する人件費なのです。
実際に理系と文系ではどれくらいの学費の差があるの?
実際に、理系と文系では学費にどれくらいの差があるのか、紹介しましょう。私立と国公立、それぞれみていきます。
文部科学省「令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」によると、4年間の学費は下記のようになっています。
●私立大学理系……約550万円
●私立大学文系……約410万円
4年間では学費が140万円ほどの差があるのが分かるでしょう。
また、国公立大学では理系と文系とで学費の差はほとんどなく、4年間の学費は下記のようになっています。
●国立大学……約243万円
●公立大学……約255万円
私立大学理系と国公立大学では、4年間の学費で300万円ほどの差があります。少しでも学費を抑えて理系学部で学びたいなら、国公立大学を選択するのがおすすめといえます。
私立理系でも授業料を抑える方法について
しかしどうしても、特定の私立大学理系に進みたいと考えることもあるでしょう。
私立大学理系でも、授業料を抑えて大学生活を送るための方法はあります。ただし、全員が可能な方法ではないことは理解してください。
私立大学理系で授業料を抑える方法は、学部内で優秀な学業成績を残すこと、または研究結果をまとめた論文が認められることです。
大学によって異なりますが、学部内で優秀な学業成績を残している学生は、授業料が全額、もしくは半額免除になる制度を設けている大学があります。
また、研究結果をまとめた論文などが認められれば、特例措置として学費が免除されることもあります。
ただし、こうした学費免除制度を実施していない大学もありますので、よく確認しましょう。
奨学金利用の検討も視野に入れて学費に備えよう
実験や実習が多いことから、私立大学では文系よりも理系の方がどうしても授業料は高くなってしまいます。
また、日本学生支援機構が2020年に行った「令和2年度学生生活調査」によると、奨学金を受けている私立大学生の割合は49.6%と、ほぼ半数近くなっています。
奨学金は将来的には返還をしなければいけないことから、どれくらいの金額を借りるのか、慎重に決めましょう。
出典
文部科学省 令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について
文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移
独立行政法人日本学生支援機構
独立行政法人日本学生支援機構 令和2年度学生生活調査
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部