車の維持費を抑えたい! ガソリン代の節約効果をシミュレーション
配信日: 2022.09.18
カーライフの実態調査では今年、ドライバーが負担を感じる経費として、自動車税や車検・点検費を押さえ、ガソリン代がトップとなりました。ガソリン代の節約に関心を持つ方も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事ではガソリン代の節約方法の効果をシミュレーションし、どれだけ生活費削減に貢献するかを検証します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ガソリン代高騰で維持費急増
ソニー損害保険株式会社(以下、ソニー損保)が毎年実施している「全国カーライフ実態調査」はその時々の世相を映し、興味深い内容となっています。
2022年6月の調査(調査対象:自家用車を所有し月に1回以上車を運転する18~59歳の男女1000人)によると、1ヶ月あたりの車の維持費は平均1万2800円で、前年から1100円の大幅増加となりました。
車の諸経費で負担に感じるものを尋ねたところ、「ガソリン代・燃料代」(68.1%)が前年から14.1ポイントの大幅上昇となり、トップとなりました。前年までは2年連続で自動車税がトップだったことを鑑みると、ガソリン代高騰の影響が色濃く表れているといえるでしょう。
ガソリン代に大きく影響する年間走行距離は6727キロメートルで、前年(6186キロメートル)から500キロメートル以上も伸びています。調査では、新型コロナウイルス感染症対策として、密集を避けられる車を使う頻度が増えたことが背景にあると分析しています。
節約方法別に削減額を試算
ガソリン代の代表的な節約方法として、ここでは「エコドライブ」と「セルフガソリンスタンドの利用」の2つについて、収集可能なデータをもとに効果(削減額)を検証してみます。
シミュレーションで想定する車の燃費については、経済産業省と国土交通省が公表した2016年度の乗用車の実績値(19.2km/L)を使用。上記ソニー損保の調査の平均値を基に、年間6727km走行すると仮定した場合、年間のガソリン給油量は以下のとおりです。
●年間のガソリン給油量=年間走行距離6727km÷燃費19.2km/L=350.36L
こちらの給油量(年間350.36リットル)を前提に、試算を進めます。
エコドライブ
一般財団法人省エネルギーセンターによると、「エコドライブ」とは、燃費を向上させる運転操作で、発進時の「ふんわりアクセル」、巡航時の「加速度の少ない運転」、減速時の「早めのアクセルオフ」、停止時の「アイドリングストップ(エンジンを止めること)」の4つのモードがあります。
効果の目安として同センターは、走行データの調査に基づき、エコドライブによる燃料消費の削減量を25.7%と紹介しています。
まずは前提として、通常運転での年間のガソリン代を試算します。
経済産業省の給油所小売価格調査によると、2022年8月22日時点のレギュラー価格の全国平均は169.0円/Lでした。これに年間給油量を乗じて算出します。
●年間のガソリン代=年間給油量350.36L×169.0円=5万9210円。
これを月換算すると、4934円となります。
次にエコドライブをした場合です。同センターの調査に基づき、25.7%が削減されるとすると、年間の削減額は以下のとおりとなります。
●年間の削減額=5万9210円×25.7%=1万5216円/年
月換算すると、1268円節約できることになります。
なお、環境省は上記4つの運転操作のほか、「エアコンの適切な使用」「タイヤの空気圧の点検・整備」なども、エコドライブとして紹介しています。
セルフガソリンスタンドの利用
スタッフによる各種サービスを省いた「セルフサービス」のガソリンスタンドは、スタッフがいる「フルサービス」のスタンドに比べ、ガソリン価格が割安になる傾向があります。
経済産業省など公的機関では、「セルフ」「フル」を区別した市況調査をしていないため、ここではドライバーなどがリアルタイムにガソリン価格の情報を投稿するサイト「ゴーゴージーエス」のデータをもとに試算します。
2022年8月23日時点で、東京都のフルサービスのレギュラー価格は165.2円/L、セルフサービスは158.6円/Lでした。差額は6.6円/Lです。セルフを利用することによる年間の削減額は、以下のように試算できます。
●年間の削減額=年間のガソリン給油量350.36L×6.6円/L=2312円
月換算すると192円となりました。
まとめ
今回の記事では、ガソリン代の節約方法別に削減額を試算し、「エコドライブ」で月1200円程度、「セルフガソリンスタンドの利用」で190円程度との結果が出ました。
少しでも節約しようとセルフガソリンスタンドを探し回るより、日々の運転でエコドライブを心がけたほうが効果は大きそうです。
ここで試算した削減額は、筆者が標準に近いと考えられるデータを選んで算出しており、個々人のカーライフの実態によって大きく変わってきます。一度、ご自身でも身近な数値で試算されてみてはいかがでしょうか。
出典
ソニー損害保険株式会社 ソニー損保「2022年 全国カーライフ実態調査」
経済産業省 乗用車の2030年度燃費基準を策定しました
一般財団法人省エネルギーセンター(ECCJ) エコドライブ
環境省 大気環境・自動車対策 エコドライブ10のすすめ
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部