更新日: 2022.09.19 その他暮らし
ニュースでよく聞く「消費者物価指数」とは何? 上昇すると経済や生活にどう影響する?
この記事では消費者物価指数の意味や算出のしくみを解説し、指数が上昇の影響などについて考察します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
消費者物価指数とは?
財務省統計局の定義では、消費者物価指数(CPI)は「全国の世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定するもの」となっています。要するに、家計に影響する商品やサービスの価格の変化を定期的に調べて、分かりやすく数値化したものです。商品やサービスには価格がありますが、それぞれに価格がつけられていて、それぞれに変動します。
例えば、スーパーで売られているりんごの価格が上がったからといって、文房具店の消しゴムも同じように値上げされるとは限りません。つまり、全体としての物価の変動を知るには、個別の商品の価格変動だけ見ていても分からないことになります。消費者物価指数では、このような個別の商品の間にある差異を平準化して、全体としての物価の変動が分かるようになっています。
・測定期間と公表場所
毎月作成されており、総務省統計局のwebサイトで公表されています。
・測定される品目(指数品目)
家計に影響する商品やサービスの中から582品目が選ばれ、品目構成は直近の家計調査結果から、5年に1度改定されます。このような指数品目には、世帯の自由にならない支出である所得税・住民税などの直接税、社会保険料などは含まれません。これらは「非消費支出」とよばれます。また、預貯金・保険料・有価証券購入・土地や住宅購入などの支出は、直接消費のための支出ではないので指数品目には含まれません。
・算定方法
まず、比較のために、最初に基準となる時期を「基準時」として決めます。基準時から一定の時間が経過した時点を「比較時」として、その差によって、基準時と比較時の間の物価の変動が分かるのです。
経済や生活にどう影響する?
消費者物価指数は具体的にどのように用いられて、どのような影響があるのでしょうか。以下で、経済や生活への影響を説明します。
・経済分野
消費者物価指数は「経済の体温計」ともよばれています。経済活動が活発になると消費者物価指数の上昇率が高まり、経済活動が停滞すると上昇率が低下するからです。そのため、家計に関わる統計データのなかでも、国の経済政策を進めるための重要な指標として使われています。また、日本銀行による金融政策を決める際の判断材料としても重要な指標とされています。
・生活分野
国民年金や厚生年金では物価スライド制を採用しています。物価に合わせて給付水準を見直す際の指標として消費者物価指数が用いられているのです。また、賃金や家賃、公共料金の改定の際の参考としても広く使われています。
今後の消費者物価指数の動向に注意してみましょう
消費者物価指数のしくみを理解すれば、全体的な物価の変動を数値で表示するためには複雑な統計処理が必要なことが分かります。ただし、しくみを理解したからといって、それ自体が家計に影響をあたえることはありません。そうはいっても、日常的な生活に必要な商品やサービスを改めて数字で見直してみると、家計支出の全体像を実感することができます。ぜひ今後の消費者物価指数の動向にも注意を払ってみましょう。
出典
財務省統計局 消費者物価指数(CPI)
財務省統計局 消費者物価指数に関するQ&A(回答)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部