「世帯年収500万」でも子どもを都内の私立小学校に通わせることはできる?
配信日: 2022.09.20
この記事では、私立小学校に通わせる際にかかる費用や、東京都内で世帯年収が500万円でも子どもを私立小学校に通わせることができるのかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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私立小学校に入れた場合にかかる費用
文部科学省が2018年に発表した「平成30年度子供の学習費調査の結果について」によると、私立小学校に子どもを1年間通わせた場合にかかる費用は159万8591円でした。内訳は授業料などの学校教育費が90万4164円、学校給食費が4万7638円、学校外活動費が64万6889円です。
それに対して、公立小学校に子どもを通わせた場合に1年間にかかる費用は32万1281円で、学校教育費が6万3102円、学校給食費が4万3728円、学校外活動費が21万4451円です。
公立小学校と私立小学校を比べると、学校給食費は大きな差がありませんが、学校教育費は私立小学校が公立小学校の14.3倍、学校外活動費については3倍となりました。
特に、学校教育費が高いのは、公立小学校は授業料が無償となっているのに対し、私立小学校は授業料がかかるということが挙げられます。また、公立小学校の場合、多くは地域の学校に通いますが、私立小学校の場合通学定期代などがかかります。仮に家から徒歩で通える私立小学校に入れ、習い事をさせなかった場合でも、年間100万円近くの費用がかかるのではないでしょうか。
子ども1人でも相当な節約が必要
それでは、世帯年収500万円の家族が東京で生活した場合、学費以外にどのぐらいのお金が必要なのでしょうか。
まず、年収500万円といってもそこから社会保険料や税金が差し引かれます。社会保険料や税金として引かれる額は控除の額によって異なりますが、額面の20%ほどが引かれることを考えると、手元に残るのは400万円ほどです。その中から、家賃や学費、その他生活費を支払わなければなりません。東京都内で2LDK・3K・3DKの物件の家賃相場を見ると、東京23区内では10万円以上、東京都市部でも中央線沿線だと8万円以上はかかります。
そのため、学費のほかに家賃として年間で最低96万円以上は必要でしょう。私立小学校に通わせるお金として年間100万円、家賃として年間96万円かかるとなると、残りは17万円となります。ここから生活費や貯蓄をやりくりするとなると、子どもが1人であっても相当切り詰めた生活をしなければならないことが分かります。
世帯年収500万円の場合、家族の理解・協力が必須
年収500万円の世帯といっても、なかには元々家や土地があり、住居にかかる費用が必要ないケースもあるでしょう。そのような場合、子ども1人なら私立小学校に通わせることができるかもしれません。
しかし、家賃や住宅ローンを支払いながら子どもを私立小学校に入れるのは、子どもが1人でも頑張って節約をしなければなりません。子どもをどうしても私立小学校に入れたい場合には、家族でよく相談し、協力することが大切です。
出典
文部科学省 平成30年度子供の学習費調査の結果について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部