更新日: 2022.10.03 その他暮らし
「外貨預金」ってどんな仕組み? その特徴とメリット・デメリットとは?
2022年の現在では、当時より円安が進み、外貨預金に興味を持つ人が増えていると思われます。
この記事では、外貨預金の特徴とメリット・デメリットについて解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
外貨預金とは
外貨預金の仕組みと為替レートについて解説します。
外貨預金の仕組み
外貨預金とは、米ドル・豪ドル・ユーロなどの外国の通貨で預金することをいいます。円預金と同様に「(外貨)普通預金」「(外貨)定期預金」といった種類があります。基本的な仕組みはほぼ「円預金」と同じです。
外貨預金は、預け入れた外国の通貨で運用され、預け入れた通貨の金利を受け取ることができます。通貨によっては、円預金よりも金利が高い場合があります。
預入時や払戻時の為替レートの変動により、為替差益(為替による利益)または為替差損(為替による損失)が発生します。
円と外貨預金を交換する際に使われる為替レート
外貨で預金をする(円から外貨に預け入れる)場合、円を外貨に交換するための交換レートが必要になります。この交換レートのことを「為替レート」といいます。「TTS」と「TTB」の2つがあります。
外貨預金は円を外貨で運用するため、払戻時の為替レートによって、円での払戻金額が変動します。為替のタイミングをうまく合わせて運用できれば、為替差益も期待できます。ただし、レートによっては為替差損が生じることがあります。
外貨預金のメリット
外貨預金のメリットについてみていきましょう。
円預金よりも高金利が期待できる
外貨預金も円預金同様、利息がつきます。外貨預金にはさまざまな通貨の種類があり、一般的に円預金よりも金利が高く設定されています。預け入れているだけで、その分の利息を受け取ることも可能です。
為替変動による利益を受け取れる
外貨預金は受け取る利息だけでなく、預入時と払戻時の為替レートの変動(=為替変動)で利益を得ることができます。為替変動とは外国為替市場で通貨の価値が変わることをいいます。
外貨預金では、円高のときに外貨に換え、円安で払い戻すことで利益を得られます。
例えば、1ドルが100円から90円になれば、ドルの価値は下がり、円の価値は上がるため「円高」になります。反対に1ドル100円から110円になれば、ドルの価値は上がり、円の価値は下がるため「円安」となります。
つまり、外貨預金の為替変動で利益を得るステップは次のとおりです。
1.円高のときに円を外貨に交換
2.円安のときに外貨を円に交換
3.その差額分が利益になる(為替差益)
具体的には、預入時の為替レートが1米ドル=100円のときに、100万円を米ドルへ預け入れ、1米ドル=110円のとき(円安)に円へ払い戻した場合だと、100万円で預け入れた資金が110万円になります。当初預け入れた金額より増加した分(=10万円)が為替差益ということになります。
外貨預金のデメリット
円預金よりも利益を期待できる外貨預金ですが、デメリットもあります。代表的なものをみていきます。
元本割れのリスクがある
外貨預金には為替変動のリスクがあります。為替変動は利益を生む可能性もあれば、元本割れを起こす可能性もあります。
上記で紹介したメリットとは反対のパターンで、預入時よりも円高のタイミングで外貨を円に払い戻すと損失が生じます(為替差損)。
具体的には、為替レートが1米ドル=100円のときに、100万円を米ドルへ預け入れ、1米ドル=90円のときに円へ払い戻した場合だと、100万円で預け入れた資金が90万円に減ります。当初預け入れた金額より減少した分(=10万円)が為替差損ということになります。
手数料がかかる
外貨預金は、円から外貨に交換する場合、外貨から円に交換する場合のいずれも、為替手数料が必要です。為替相場で利益が出ていても、手数料分を引くとマイナスになってしまう可能性があります。
為替手数料は金融機関によって異なりますが、コストがかかる点はデメリットといえるでしょう。
ペイオフの対象外
日本の預金制度には「預金保険制度」(ペイオフ)というものがあります。預入銀行が破綻しても、元本1000万円まで保護されますが、外貨預金はペイオフの対象にならないので、預入銀行が破綻しても保護はされません。
外貨預金を上手に運用しましょう
外貨預金は、為替の変動による利益と、円預金よりも高い金利が得られる点が魅力ですが、反対に為替変動による損失が生じる可能性も大いにあります。
失敗しないためにも、為替変動のタイミングに気をつける、一度にたくさん投資しない、など、リスク管理しながら上手に運用しましょう。
出典
マイボイスコム株式会社 外貨預金の利用に関するアンケート調査(第10回)(2020年)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部