生活を支えるために国が行っている支援とは? 個人への給付金について解説
配信日: 2022.10.04
今回は、その支援策の中でも個人に対して給付を受けられる施策について、目的別に簡潔に解説します。
執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
ファイナンシャル・プランナー
中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。
生活費や事業資金に困っているとき
(1) 新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金
緊急小口資金等の特別貸付を利用できない生活困窮者の世帯で、収入要件、資産要件、求職活動等に要件を満たす場合に支給されます。
【支給額(月額)】
単身世帯:6万円、2人世帯:8万円、3人以上世帯:10万円
【支給期間】
申請月から3ヶ月
ただし、申請は令和4年12月末までにする必要があります。
(2)低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金
新型コロナウイルス感染症が長期化し、食料品や光熱費などの物価高騰を鑑み、児童扶養手当受給者などの低所得者の子育て世帯を対象に給付金を支給するものです。
【給付額】
児童1人あたり一律5万円
【申請期限】
原則令和5年2月末(自治体により異なる)
(3)子育て世帯への臨時特別給付
新型コロナウイルス感染症による影響がさまざまな人々におよぶ中、子どもたちの未来をひらくべく、子どもたちを支援するために、児童を養育している人の年収が基本的に960万円以上を除き、0歳から高校3年生の子どもに支給されます。
【支給額】
子ども1人あたり10万円相当
(5万円の先行給付+追加の5万円相当の給付(自治体によってはクーポンで給付))
【給付時期】
1. 5万円の給付
中学生以下の子どもについては、年内の給付を目指す。高校生についても可能な限り速やかに支給開始としています。
2. 追加の5万円相当の給付
市区町村ごとに準備が整いしだい給付しています。
(4)住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、住民税非課税世帯に対して、速やかに生活を支える支援を行うものです。
【支給額】
1世帯当たり10万円
【給付時期】
市町村ごとに準備が整いしだい、速やかに支給
(5)住居確保給付金(家賃)
新型コロナウイルス感染症の影響により、離職・廃業等により収入が減少し、住居を失う恐れがある方に、住まいの確保ができるように支援するものです。
【支給額】
家賃額(ただし、上限あり)
単身世帯:5万3700円
2人世帯:6万4000円
3人世帯:6万9800円
新型コロナウイルスへの感染等により仕事が減少したとき
(1)傷病手当金
業務災害以外の病気やケガの療養のために原則4日以上仕事を休んでおり、働くことができない人を対象に所得補償をする制度です。新型コロナウイルス感染症もその対象となります。
【支給額(1日あたり)】
原則として、傷病手当金の支給開始日の属する月以前の直近12月間の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する額
【支給期間】
支給を始めた日から通算して1年6ヶ月の間で、傷病手当金の支給要件を満たす日について支給
(2)新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金
新型コロナウイルス感染症の影響により、令和4年1月1日から令和4年11月30日(予定)までに事業主が休業させた労働者のうち、休業手当を受給できなかった人に支給されます。
【支給額】
休業前賃金の 80%(日額上限8355円)
求職中の場合
(1)雇用保険の基本手当(求職者給付)
離職された方で、ハローワークへ求職申し込みをした方へ求職活動を支援するために支給するものです。
【給付額】
離職前賃金の50%~80%
【給付日数】
1. 定年、契約期間満了や、自己都合の方:90日~150日
2. 倒産・解雇等や、労働契約が更新されなかった方など:90日~330日
3. 障害者等の就職困難者の方:150日~360日
(2)高等職業訓練促進給付金
児童手当の受給を受けているか、同等の所得水準にあるひとり親の方で、養成機関において6月以上にカリキュラムを修業し、対象資格の取得等が見込まれる方へ、訓練期間中に生活費として給付金が支給されます。
【支給額(月額)】
10万円
※ 住民税課税世帯は月額7万500円
※ 修学の最終年限1年間に限り支給額を4万円加算
小学校の臨時休業等に伴い子どもの世話が必要なとき
(1) 小学校休業等対応支援金
小学校などが新型コロナウイルス感染症の影響により、臨時休業等した場合に、子どもの世話を行うために、個人で契約した仕事ができなくなった方で、一定の要件を満たす保護者に対して支援金が支給されます。
【支給額】
4500円/日
【適用日】
令和4年4月1日~令和4年9月30日
(ただし、春休みや夏休みなど学校が開校する予定のなかった日は除く)
まとめ
このように、新型コロナウイルスの影響により生活に支障をきたしている人たちのために、国はさまざまな支援策を実施しています。該当する方は忘れずに申請するようにしましょう。
出典
厚生労働省 生活を支えるための支援のご案内
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー