更新日: 2022.10.12 子育て

奨学金の借入総額平均はいくら? 奨学金を返済できなくなったらどうしたらいい?

奨学金の借入総額平均はいくら? 奨学金を返済できなくなったらどうしたらいい?
労働者福祉中央協議会が2019年に実施した「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」(調査対象:勤労者16588人)によると、2018年時点での奨学金の借入総額平均は324.3万円という結果が出ています。
 
貸与奨学金は借金です。有利子の場合は、利息分も併せて返済していかなければなりません。しかし、さまざまな事情で返済が苦しくなることもあります。
 
今回は、奨学金を返済できなくなったときの適切な対処法などを紹介していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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奨学金を返済できなくなったときの2つの対処法

日本学生支援機構の奨学金では、返済が困難になったときの対処法として次のような制度を用意しています。
 

減額返還制度

毎月の返済額を減額できる制度で、毎月の支払額を2分の1、もしくは3分の1まで減らすことが可能です。例えば、月々1万5000円の返済額を3分の1まで減らした場合は、毎月5000円まで抑えることができます。
 
ただし、返済総額が減額になるわけではありません。減額した分、返済期間は長引きますが、経済的に苦しい時期に利用すると便利な制度といえるでしょう。減額返還制度は、給与所得なら年収325万円以下、給与以外の所得なら年収225万円以下で利用できます。
 

返還期限猶予制度

返済そのものを猶予してもらえる制度です。最長10年の利用が可能で、1年ごとに願い出ることができます。返還期限猶予制度も、猶予を受けた分だけ、返済期間が長引きます。
 
しかし、病気などやむを得ない事情で働けないときや、失業中などに利用できるので安心です。返還期限猶予制度は、給与所得なら年収300万円以下、給与以外の所得なら年収200万円以下で利用できます。
 

返済を免除してもらうことは可能?

奨学金の返済が将来的にも難しいと判断されたときは、免除を受けることも可能です。申請することで免除の対象になりますが、必ずしも全額免除になるわけではありません。
 
また、ケースによって全額免除、もしくは一部免除のいずれかになります。免除されるケースは次のようなものがあります。
 

精神もしくは身体に障害があるとき

精神もしくは身体のいずれかに障害を負い、通常のように働くことが難しいと判断されたときは免除対象になります。
 
申請には、日本学生支援機構で用意している「給付奨学金返還免除願」のほかに、本人の収入証明書など返済ができなくなったことを証明する書類、医師の診断書などが必要です。
 

利用者本人が死亡したとき

利用者本人が死亡したときも免除の対象になります。死亡の場合も「給付奨学金返還免除願」と本人死亡の事実が記載された戸籍抄本、個人事項証明もしくは住民票等の公的証明書が必要です。
 

債務整理は可能であれば避けたほうがいい

返済ができないときの手段として債務整理がありますが、可能であれば避けたほうがいいでしょう。
 
特に、自己破産となると、免責を受けてからも5年程度はクレジットカードなどの新規契約はできません。借金をすることはなくても、賃貸物件を借りる際の保証会社の利用なども難しくなります。
 
失業や入院など一時的なものであれば、減額返還制度や返還期限猶予制度を利用するだけでも、大変な時期を乗り切ることはできます。それより、毎月の固定費の見直しをしたり、可能なら実家に住んだりして、抑えられる部分を考えて返済をしていく方が得策です。
 

経済的に苦しいときは制度を利用して無理のない返済を

経済的に苦しいときは、日本学生支援機構が用意している制度を利用することで負担を軽くすることができます。払えないときの事情は、人によって違います。返済に遅れが出る前に、まず日本学生支援機構に相談してみましょう。
 
また、家賃や通信費など固定費を見直すだけでも、月々の出費が軽減されることもあります。悩むよりも利用できる制度を使って、精神的な負担を軽くして無理のない返済を続けることが大切です。
 

出典

労働者福祉中央協議会 「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」 調査結果の要約(2019年)
独立行政法人日本学生支援機構 ホームページ
独立行政法人日本学生支援機構 減額返還・返還期限猶予リーフレット
独立行政法人日本学生支援機構 死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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