更新日: 2022.11.10 その他暮らし
JR東【オフピーク定期券】来春導入へ!通常定期と比べてどれだけお得?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
「オフピーク定期券」とは
オフピーク定期券とは、JR東日本で2023年3月より導入される予定の新しい定期券です。オフピーク定期券は、平日朝のピーク時(駅ごとに異なります)を除く時間帯に使用でき、通常の通勤定期券と比べて運賃が割安になります。
オフピーク定期券が導入される背景には、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために3密回避が求められていることや、首都圏における通勤時間帯の混雑緩和に対する要望の高まり等があります。
オフピーク定期券を発売することで、通勤時間をピーク時からオフピーク時間帯にずらす人が増えれば、鉄道の混雑が分散し3密回避にもつながります。
なお、オフピーク定期券の導入と同じ時期に、JR東日本では利用者が多いことを理由に運賃が安く抑えられている「山手線」や「京浜東北線」などの「東京の電車特定区間内完結となる区間」の運賃を切符・ICカード共に10円値上げする予定です(図表1)。
また、これに合わせて通勤定期券も若干値上げが予定されています。運賃の値上げ分は「ホームドアの設置」など、バリアフリー設備の整備に使われる予定です。
図表1
東日本旅客鉄道株式会社 JR東日本ニュース「通勤定期運賃の変更認可申請について~来年3月の『オフピーク定期券」導入に向け、手続きを開始しました~」より引用
オフピーク定期券と通勤定期券ではどれくらい運賃が違う?
オフピーク定期券は平日のピーク時には使えないという制限がある代わりに、現行の定期券の金額より約10%値下げした金額になる予定です。一方、東京の電車特定区間内で完結する通勤定期券は、現行より約1.4%値上げが予定されています。
また、通勤定期券およびオフピーク定期券には、2023年3月より「鉄道駅バリアフリー料金」として1ヶ月定期に280円、3ヶ月定期に790円、6ヶ月定期に1420円がそれぞれ加算される予定です。
「新宿~八王子」区間で比べてみた
具体的に、「新宿~八王子」区間の通勤定期券を買う場合を想定してみましょう。同区間の6ヶ月通勤定期券は現行が6万9560円です。2023年3月からは、通常の定期券が7万1950円、オフピーク定期券は6万4020円になります(いずれも鉄道駅バリアフリー料金込み)。
現行の通勤定期券と比較すると、通常の定期券は現行と比べて2390円の値上がり、オフピーク定期券は現行と比べて5540円の値下がりになり、通常の定期券とオフピーク定期券の差は7930円です。オフピークの時間に通勤が可能であれば、オフピーク定期券はかなりお得といえるでしょう。
オフピーク定期券「使用上の注意」とは?
オフピークの時間帯に使えば運賃が割安になるのが魅力的なオフピーク定期券ですが、一つ「注意点」があります。オフピーク定期券の「利用時間」の判定は自動改札機の「入場時」に行われるため、ピーク時にオフピーク定期券を利用して入場した場合、出場時は定期券として利用できません。その際は、通常のIC普通運賃が徴収されてしまうことがオフピーク定期券のデメリットです。
ちなみに、八王子から新宿までの通常運賃は現行で490円、2023年3月からは500円になります。オフピーク定期券を持っていても6ヶ月で16回、1ヶ月に換算すると3回以上ピーク時に電車を利用してしまうと、通常の通勤定期券を持っているほうがお得です。
時差通勤ができるならオフピーク定期券は運賃が割安になるメリットがある
2023年3月に発売予定のオフピーク定期券は、現行の通勤定期券の運賃より約10%安く、同じ時期に約1.4%値上げされる通常の通勤定期券と比べるとかなり運賃が割安です。通勤時間帯をオフピークにずらせる人には定期券代を安くできるメリットがありますが、ピーク時に入場すると、出場時に通常のIC運賃が徴収されるデメリットもあることを知っておく必要があります。
なお、通学定期券はこれまでどおり、運賃の変更もオフピーク定期券の設定もありません。
出典
東日本旅客鉄道株式会社 JR東日本ニュース 通勤定期運賃の変更認可申請について~来年3月の『オフピーク定期券」導入に向け、手続きを開始しました~(2022年9月16日)
ekitan 運賃・料金 八王子→ 新宿
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部