更新日: 2022.11.10 暮らし

高校無償化の所得制限とは? 利用できる世帯とできない世帯の違い

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

高校無償化の所得制限とは? 利用できる世帯とできない世帯の違い
高校無償化とは、正式名称「高等学校等就学支援金制度」のことです。
 
国立・公立・私立の高等学校をはじめ、高等専門学校(高専)といった対象の学校に在学する生徒に対し、授業料を一部免除にしたり無料にしたりできます。何かと支出の多い高校生がいる家庭にとって、この制度を利用すれば金銭的負担を大きく減らすことができるでしょう。
 
しかし、高等学校等就学支援金制度は誰でも利用できる制度ではありません。特に一定の所得要件がある点は、事前に詳しい情報を得ておくのが大切です。
 
そこで本記事は、高等学校等就学支援金制度の概要、具体的な所得要件について詳しく解説します。これから高校に進学する子どもがいて支出面で負担があるなどで、高等学校等就学支援金制度を利用できるかどうか気になる人は、ぜひ参考にしてください。
 
FINANCIAL FIELD編集部

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジュを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

高校無償化「高等学校等就学支援金制度」の概要

高等学校等就学支援金制度では、高等学校教育における経済的負担を減らすことを目的に授業料へ充てるための就学支援金を支給します。基本的に返済する必要はなく、以下の学校に在学している方なら国立・公立・私立は関係なしに高等学校等就学支援金制度の対象です。

【高等学校等就学支援金制度の対象となる学校】

・全日制、定時制、通信制の高等学校
・中等教育学校の後期課程
・特別支援学校の高等部
・高等専門学校の1~3学年
・専修学校の高等課程
・専修学校の一般課程
・各種学校(国家資格者の養成施設・告示で指定した外国人学校)
・省所管学校

また、通学する高校によって高等学校等就学支援金の支給額が変動します。図表1にて、令和2年4月以降の支給上限額と支給期間を詳しくまとめたので見ていきましょう。
 
【図表1】

1ヶ月あたりの支給限度額の上限 支給期間
高等学校(全日制) 公立:9900円
国立:9600円
私立:9900円(加算額:2万3100円)
36ヶ月
高等学校(定時制) 公立:2700円
私立:9900円(加算額:2万3100円)
48ヶ月
高等学校(通信制) 公立:520円
私立:9900円(加算額:1万4850円)
48ヶ月
中等教育学校の後期課程 公立:9900円
国立:9600円
私立:9900円(加算額:2万3100円)
36ヶ月
特別支援学校の高等部 公立:400円
国立:400円
私立:9900円(加算額:2万3100円)
36ヶ月
高等専門学校の1~3学年 公立:9900円(加算額:9650円)
国立:9900円(加算額:9650円)
私立:9900円(加算額:2万3100円)
36ヶ月
専修学校の高等課程・一般課程(昼間学科・夜間等学科) 公立:9900円(加算額:2万3100円)
私立:9900円(加算額:2万3100円)
昼間学科:36ヶ月
夜間等学科:48ヶ月
専修学校の一般課程(通信制学科) 私立:9900円(加算額:1万4850円) 48ヶ月
各種学校 公立:9900円
私立:9900円(加算額:2万3100円)
36ヶ月
各省所管学校 国立:9900円 36ヶ月

※加算額の対象は子の数、両親共働き・一方が働いているかどうかで年収の条件が異なる
 
文部科学省「高等学校等就学支援金制度 支給期間・支給限度額一覧(令和2年4月以降)」より筆者作成
 

高校無償化の所得要件

一定以上の所得がある場合、高等学校等就学支援金制度の支給対象外です。授業料に充てるための就学支援金は支給されないため、各家庭にて全額負担しないといけません。
 
所得要件は、共働きなどで両親である父親・母親の両方に収入がある場合、両親のうち一方が働いている場合で異なります。また、所得要件は世帯年収では判断されないので、両親以外の同居家族に収入があったとしても合算されません。
 

利用できる世帯とできない世帯の違い

高等学校等就学支援金制度の支給対象となるのは、以下の計算式で算出した金額が30万4200円未満の場合です。
 
・両親等の市町村民税の課税標準額×6%-市町村民税の調整控除の額=30万4200円未満
 
課税標準額とは、1年間(1月1日~12月31日まで)の合計所得から所得控除などを差し引いた住民税の算定基準となる所得額です。
 
目安として両親等の年収が約910万円未満の世帯が支給対象ですが、これはあくまでも両親のうち父親か母親のどちらか一方が働いている、かつ高校生の子どもが1人の場合の年収ラインです。高校生以上の子どもの人数や年齢によっても支給対象となる年収は変動するので注意してください。
 
所得基準に相当する目安年収は図表2を参考にしてください。
 
【図表2】

両親共働き 両親のうち一方が働いている
子どもの数 11万8800円(月額9900円)の支給対象 39万6000円(月額3万3000円)の支給対象 11万8800円(月額9900円)の支給対象 39万6000円(月額3万3000円)の支給対象
子1人(高校生)
※扶養控除対象者1名
~約1030万円 ~約660万円 ~約910万円 ~約590万円
子2人(高校生・中学生以下)
※扶養控除対象者1名
~約1030万円 ~約660万円 ~約910万円 ~約590万円
子2人(高校生・高校生)
※扶養控除対象者2名
~約1070万円 ~約720万円 ~約950万円 ~約640万円
子2人(高校生・大学生)
※扶養控除対象者1名・特定扶養控除対象者1名
~約1090万円 ~約740万円 ~約960万円 ~約650万円
子3人(中学生以下・高校生・大学生)
※扶養控除対象者1名・特定扶養控除対象者1名
~約1090万円 ~約740万円 ~約960万円 ~約650万円

文部科学省「高等学校等就学支援金制度 年収目安」より筆者作成
 
両親が共働きなのか、一方のみ働いているのか、子の数と年齢によって対象となる目安年収を確認してみてください。両親の年収が目安年収を上回っている場合、高等学校等就学支援金制度の支給対象になりません。
 

進学費用の負担が大きく減らせるかも。まずはしっかり確認を!

高校無償化となる高等学校等就学支援金制度は、両親の年収が一定の額を超えている場合は支給対象になりません。また、支給対象になるための所得基準は両親共働きか、両親のうち一方が働いているかに加えて、子どもの人数や年齢によって微妙に異なります。
 
これから高校に進学する子どもがいる人は、所得要件を確認して進学費用準備のための最終確認を行ってみてください。
 

出典

文部科学省 高等学校等就学支援金制度
文部科学省 高等学校等就学支援金制度 支給期間・支給限度額一覧(令和2年4月以降)
文部科学省 高等学校等就学支援金制度 年収目安
文部科学省 高等学校等就学支援金制度に関するQ&A
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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