更新日: 2022.11.18 子育て

日本学生支援機構の奨学金。体調を崩したら返済は「免除」してもらえる?

日本学生支援機構の奨学金。体調を崩したら返済は「免除」してもらえる?
日本学生支援機構が運営する貸与型奨学金は、大学・短大・専門学校卒業後は返済する義務が生じます。しかし、病気やけがが原因で体調を崩したら、休職や退職を余儀なくされるかもしれません。そうなると、収入の減少や、無収入になってしまう可能性も出てくるため、返済も厳しくなるでしょう。
 
そこで本記事では、体調を崩して働けなくなった場合、日本学生支援機構の貸与型奨学金の返済を免除してもらえるのかについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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結論体調次第では「免除」が受けられる

日本学生支援機構では、以下のいずれかにあてはまる場合、手続きをすることで未返済額の全部または一部の返還の免除が受けられます。
 

●本人が死亡し返還ができなくなったとき
●精神もしくは身体の障害により労働能力を喪失、または労働能力に高度の制限を有し、返還ができなくなったとき

 
つまり、本人が亡くなってしまったり、重い病気やけがが原因で働けなくなったりした場合は、全部または一部の返済が免除されると考えましょう。
 

病気やけがが原因で働けない場合の手続き

病気やけがが原因で働けない場合は「精神もしくは身体の障害による免除」として手続きを行います。主治医と相談し、以下の3つの書類を日本学生支援機構に提出しましょう。
 

●貸与奨学金返還免除願または給付奨学金返還免除願
●返還することができなくなった事情を証明する書類
●診断書(日本学生支援機構所定用紙)

 
貸与奨学金返還免除願または給付奨学金返還免除願は、日本学生支援機構のWebサイトからダウンロードできます。自分が利用した奨学金制度に合うものを使いましょう。
 
返還することができなくなった事情を証明する書類とは、収入に関する証明書類です。所得証明書、収入金額または所得金額が明記された(非)課税証明書のいずれかを使います。その年の1月1日時点で居住していた市区町村で発行されます。
 
また、一定額以上の所得がある場合は、「返還できない状況にあることを証する書類」(貸与奨学金返還免除願又は給付奨学金返還免除願の右面)に事情を記入する必要があります。本人および本人の家族、親族による証明は認められません。かかりつけの医療機関にソーシャルワーカー(社会福祉士、精神保健福祉士)がいれば、頼んでみましょう。
 
また、診断書は所定項目を漏れなく記入し、医師の記名押印のうえ病院の封筒に封入・密封した状態のものを提出しなくてはいけません。主治医にその旨を伝え、受け取ったら開封せずに提出しましょう。提出された書類を日本学生支援機構の嘱託医が審査し、免除の可否および額を決定します。
 

●審査結果が第1級の場合:未返済額の全額を免除
●審査結果が第2級の場合:未返済額の一部を免除

 
第1級、第2級のいずれにも該当しない場合、免除は受けられません。
 

免除が受けられない場合にはどうすべき?

自分や主治医が「働くのは無理」と判断していても、嘱託医の見解が違っていたため、免除が受けられない事態は起こり得ます。このような場合、減額返還制度もしくは返還期限猶予制度の利用を検討しましょう。
 

減額返還制度とは

減額返還制度とは、毎月の返済額を2分の1もしくは3分の1に減らし、返済期限を延ばす制度です。1年ごとの願い出で、最長15年まで延長できます。5年分の返済金額を15年で返済すると考えましょう。
 

返還期限猶予制度

返済期限猶予制度とは、月々の返済を先に延ばす制度です。先に延ばす分、返済完了までの時間が長くなります。1年ごとの願い出で、最長10年まで延長可能です。
 

延滞する前に相談してみよう

実際のところ、病気やけがで体調を崩して働けなくなっても、必ず返済が免除されるわけではありません。しかし、返済を待ってもらったり、期限を延ばしてもらったりなど、毎月の負担を減らす制度は用意されています。延滞してしまってからでは、これらの方法を使うのも難しくなるため、延滞する前に日本学生支援機構や、医療機関のソーシャルワーカーに相談してみましょう。
 

出典

独立行政法人日本学生支援機構 月々の返還額を少なくする(減額返還制度)

独立行政法人日本学生支援機構 返還を待ってもらう(返還期限猶予)

独立行政法人日本学生支援機構 死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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