実録!一昔前のブラック企業 金融系会社営業マン、長時間労働と叱責の日々

配信日: 2018.05.17 更新日: 2019.01.08

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実録!一昔前のブラック企業 金融系会社営業マン、長時間労働と叱責の日々
人気シリーズ第2弾の今回は、新卒で金融関連の営業の仕事を始めたSさんにお話を伺いました。
 
上司の怒鳴り声がお客さんに聞こえないように、デスクの下にもぐって電話をかけたと言うSさん。
 
聞いているだけで身震いしてしまう、ブラック企業の恐ろしい実態を見てみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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新卒で金融関連の営業を始めたSさん。6時半~23時勤務、一日の終わりは上司からの叱責

Sさんは新卒で、金融関連の会社に営業として入社しました。
 
勤務時間は6時半から23時。部長、課長が7時に出社するため、その前に掃除と仕事の準備をします。
 
朝の9時から20時は飛び込み営業です。対象は法人の役員。自分の担当地区で雑居ビルを中心に営業を行います。当時はビルにセキュリティーシステムが少なかったため、誰でも容易に入ることができました。
 
21時からはオフィスに戻り、振り返り会議です。数字が目標に届いていないと、上司が椅子を蹴って怒鳴ります。
 
自分で責任を取って買えと詰め寄られることもあったそうです。Sさん自身がお金を出すことはありませんでしたが、同僚は借金をして数十万円買い取ったと言います。
 

給料は手取り18万円+歩合制。60人いた同期は1年半後に5人に

一日の仕事の流れはこのような形でしたが、新規の受注が取れなかったときは、土曜日に出勤させられることもありました。
 
週の休みがほぼ日曜日だけという生活が続き、休みの日は疲れて眠ることが多かったそうです。プライベートに割く時間はほとんどありませんでした。
 
Sさんは訪問販売のほかに、テレアポの仕事も行いました。午前中の社内は上司が怒鳴り声が響いていることが日常茶飯事だったため、デスクの下にもぐり、怒鳴り声がお客さんに聞こえないように電話をしたそうです。
 
給料は手取り18万円に加え、歩合制。労働時間が長く、職場環境も決して良くない中で、60人ほどいた同期は1年半後には5人になっていました。
 

転職を決めたきっかけは「自分のお客さんが損をすることが心苦しかったから」

Sさんが転職を決めたきっかけは、お客さんを幸せにしていないと感じたからだそうです。
 
Sさんの会社は、Sさんが営業をしてお客さんを開拓しても、その後は上司が担当になり、質の良くない商品を売りつけることがありました。
 
営業の仕事は「この人からなら買おう」と、営業マンを気に入って発注を決める人も多くいます。Sさんは、そのように自分を気に入ってくれたお客さんが、その後に損をしてしまう姿に心苦しさを感じたそうです。
 
Sさんが働いていた会社は、その後倒産しました。
 
現在、Sさんは違う業界で企画営業のマネージャーとして活躍しています。
 

今の学生さんへ。ブラック企業の見分け方

毎回掲載していますが、社会人経験が少ない学生さんに向けて、ブラック企業の見分け方をご紹介します。
 
(1)規模の割に新卒の採用人数が多い
(2)選考の中で会わせるのは社長や役員だけ、若手には会わせない
(3)面接の時間が常に営業時間外
 
今回のケースでも(1)のように、当初Sさんの同期は60人も採用されていました。ただ、1年半後には5人にまで減っています。ブラック企業では辞めていく人が多いため、その分採用の段階で大量に人材を確保する必要があると考えられます。
 
また、(2)に関連し、就職活動中に入社1、2年目の若手社員の方に、仕事内容をよく聞くことができれば、事前に実態がわかったかもしれません。
 
最近ではネット上で、実際に働いている人の口コミが見られる場合もあります。ネットの書き込みの全てをうのみにしてはいけませんが、そのような公開情報をきちんとチェックすることも重要なことだと思います。
 
現在は、学生の売り手市場になっており、企業側が採用に苦戦しています。 説明会や面接で良いことばかりを言う企業もありますので、慎重に企業選びをしてください。
 
苦しい経験をしたSさんですが、今は自分の能力を存分に活かして生き生きと仕事をされています。風通しの悪い環境では、自分の本来持っている能力を活かすことはできません。
 
就職活動中の皆さんには、ぜひ伸び伸びと働ける職場を見つけてほしいと思います。
 
Text:FINANCIAL FIELD編集部

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