奨学金を400万円借りたら、卒業後から返還まで何年かかる?
配信日: 2022.11.19 更新日: 2022.11.21
そこで、本記事では奨学金を400万円借りた場合の返還期間などについて解説をします。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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大学において奨学金の利用者は2人に1人
労働者福祉中央協議会が2019年3月に発表した「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」によると、学生支援機構の奨学金を利用した39歳以下の人は約2人に1人です。2018年当時で、利用者はおよそ34.9%でした。
・奨学金の種類
学生支援機構が行っている奨学金利用制度には、国内向けと海外留学向けがあります。国内向けの奨学金は、返還が必要なものと不要なものという2種類。さらに返還が必要なものに関しては無利子で利用できる第一種奨学金と利子がかかる第二種奨学金となっています。こちらでは大学で利用できる奨学金に絞って見てみましょう。
・第一種奨学金
第一種奨学金(無利子)の月額は自宅から大学まで通学している場合、国公立で2万・3万・4万5000円、私立で2万・3万・4万・5万4000円です。自宅外から通学している場合、国公立ならば2万・3万・4万・5万1000円、私立ならば2万・3万・4万円・5万円・6万4000円となっています。
・第二奨学金
第二種奨学金の月額は1万円刻みで2~12万円です。ただし、私立大学において医・歯学では12万円に4万円、薬・獣医学で12万円に2万円がそれぞれ増額可能となっています。貸与利率は毎年いつ頃に借入が終了したのか、また、利率が固定式なのか見直し式なのかによって異なります。
例えば、令和4年度の場合、利率固定式で4月終了は0.468%、9月終了は0.605%です。利率見直し式で4月終了は0.020%、9月終了は0.077%でした。増額した部分についても、それぞれ利率が異なります。
奨学金400万円を完済するまでの期間
奨学金の返還期間や毎月の返還額を知るには、学生支援機構のホームページにある「奨学金貸与・返還シミュレーション」に条件を入力するとわかります。
・奨学金約400万円を利用した場合
例えば、第二奨学金を毎月8万円(大学4年間で384万円)借りて令和4年度の9月で借入終了、年利0.605%(固定方式)とします。この場合の返還期間は20年(返還回数240回)、返還総額408万9247円、月額1万7038円(最終月のみ1万7165円)です。無理のない返還期間として20年間が設定されていますが、短縮して返還することもできます。
ただ、その場合、毎月の返還額は2万円超えになることから、収入や固定出費を考慮したうえで決めたほうがよいでしょう。
・奨学金を返還できなかった場合
毎月の返還を未払いにした場合、本人に督促電話、奨学金返還の振替不能通知の送付、連帯保証人もしくは保証人に報告、個人信用情報機関への登録という流れになります。支払えない状況であれば、相談をして返還期限猶予の手続きをすることも可能です。もし、連絡もしないまま放置したり、支払えるのに支払わなかったりした場合は奨学金を一括返還しなければなりません。
奨学金400万円の返還期間は通常約20年
奨学金を400万円ほど借りた場合、通常は卒業から約20年間で完済できます。ただ、これは無理のない範囲で返還する場合です。早く完済したい場合は返還期間を短くできます。注意しなければならないのは、奨学金の返還は毎月必ずしなければならない点です。
もし支払えなかった場合、個人信用情報機関に登録されてしまう可能性もあります。返還期間を短くする場合は、必ず収入・支出などを考慮しましょう。
出典
独立行政法人日本学生支援機構 平成19年4月以降に奨学生に採用された方の利率
独立行政法人日本学生支援機構 第一種奨学金の貸与月額
独立行政法人日本学生支援機構 平成30年度以降入学者の貸与月額
労働者福祉中央協議会 「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」調査結果の要約 2019年3月
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部