更新日: 2022.11.22 その他暮らし

【カタールW杯開催】総務省がサッカーに着目して過去の国民の行動を分析!

【カタールW杯開催】総務省がサッカーに着目して過去の国民の行動を分析!
サッカーファンお待ちかねの2022年FIFAワールドカップが11月20日から12月18日にかけてカタールで開かれます。これに先立ち、総務省は11月16日、8月に公表した「令和3年社会生活基本調査」の結果をサッカーに関係する項目を抽出して読み解いたレポートを公開しました。
 
本記事ではレポートをかいつまんで国民のサッカー関連の行動の一端をのぞいてみましょう。人が動けばお金も動きます。生活やビジネスのヒントが埋もれているかもしれません。
FINANCIAL FIELD編集部

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社会生活基本調査とは

総務省によると、「社会生活基本調査」は国民の社会生活の実態を明らかにするための基礎資料を得ることを目的に「1日の生活時間の配分」「1年間の主な生活行動」それぞれの生活行動について、種類別行動者数などを集計しています。調査は5年ごとに行われ、対象は総務省統計局が定めた地域から選ばれた約9万世帯に居住する10 歳以上の世帯員約19 万人です。
 
総務省はW杯開催にちなみ、8月に公表した同調査の結果から、わが国のサッカーを行った人の状況を紹介しています。
 

533.9万人以上が年間1回以上ボールを蹴った!?

「スポーツ」を種類別にみると「フットサルを含めたサッカー」(以下、サッカー)の行動者数は533.9万人で、行動者率は4.7%でした(図表1)。
 
行動者数とは過去1年間(2020年10月20日~2021年10月19日)に該当する種類の活動を行った人(10歳以上)の数で回数は問いません。行動者率は10歳以上人口に占める過去1年間に該当する種類の活動を行った人の割合(%)です。種類別行動者率には、職業スポーツ選手が仕事として行うものや、児童・生徒・学生が体育の授業で行うものは除き、クラブ活動や部活動は含みます。
 
図表1 「スポーツ」の種類別行動者率(2021 年)

出典:総務省 「統計トピックスNo.133 統計からみたサッカーの状況-「2022FIFA ワールドカップ」にちなんで-(社会生活基本調査の結果から)」より引用
 
「サッカー」の行動者率の推移はJリーグが開幕した1993年直後の1996年は7.4%でしたが、2001年から2016年までは6%前後で推移し、2021年は前回調査より1.3ポイント低下しています(図表2)。
 
図表2 「サッカー」の行動者数及び行動者率の推移(1996年~2021年)

出典:総務省 「統計トピックスNo.133 統計からみたサッカーの状況-「2022FIFA ワールドカップ」にちなんで-(社会生活基本調査の結果から)」より引用
 

年を重ねるとともに減少する「サッカー行動」が30代半ばで盛り返す

「スポーツ」の種類別行動者率を年齢階級別にみると、10~14歳ではサッカーが球技で最も高い行動者率の種目となっているほか、10~14歳、15~19歳、20~24歳では上位10位以内となっています(図表3)。
 
25歳以上では13位以下ですが、35~39歳、40~44歳で11位まで浮上しており、「サッカー離れ」からの「サッカー回帰」が見られます。10代から20代当時に2002年日韓大会に触れ、フットサルが流行しボールに触れる機会があった世代でもあります。
 
図表3 「スポーツ」の種類、年齢階級別行動者率-上位5種類-(2021年)

出典:総務省 「統計トピックスNo.133 統計からみたサッカーの状況-「2022FIFA ワールドカップ」にちなんで-(社会生活基本調査の結果から)」を基に編集部作成
 

サッカー行動に伴う消費行動や経済効果は?

サッカーを別の視点で見ると、競技を行うために必要な準備がいくつかあります。
 
まず、ボールとメンバーと場所です。試合を行うにはボールは最低1個、メンバーは交代要員を除けば11人×2チーム、ゴールポストとラインが設置されたコート(できれば芝生の)1面、それと審判3人(主審と2人の線審)が必要です。夜間であれば照明設備も必要です。
 
この調査ではサッカーとフットサルを含めた数値で表されています。フットサルは1チーム4人、コートは公式では屋内アリーナで20×40メートルの広さを必要としますが、アマチュアの場合は屋外の人工芝コートでも盛んに行われています。
 
サッカーのグラウンドは主に公共施設や学校施設が多く、天然芝ピッチよりも人工芝ピッチ、芝生よりもクレーの施設が安価に利用できます。壁などを損傷させる恐れがあるなどの理由で、アマチュアのフットサル向けに貸し出している公共の体育館は全国的に少数です。そのため屋外の人工芝施設の需要があります。
 
また、チームとして、選手を色や番号で識別できるユニホーム、それに代わるビブスも必要です。
個人で準備が必要なものはサッカースパイクやフットサルシューズ(屋内用・屋外用)や練習着、ドリンク類です。可処分所得のある行動者が増えれば、その数だけ、シャツやシューズを購入するといった消費行動も発生することでしょう。
 
アマチュアレベルでサッカーやフットサルを行う施設が充実している地域では、20代以上も行動に移しやすく、人が集まれば、汗をかいた後、温泉につかったり、ビールで乾杯したり、といった余暇活動に波及することも想定されます。
 
地方の場合、施設が郊外に設置されている傾向が高く、現地までマイカー移動ということもあるでしょう。施設の近隣に宿泊機能がなければボールを蹴り終わったら「乾杯無し」で帰宅することになります。欧米のスポーツ施設には会食やレセプションが行える「クラブハウス」が併設されていることが一般的です。
 
日本のサッカー施設は公共の施設が多いため、条例による厳格な設置目的などに制約され、きれいに管理されている反面、競技以外に楽しめる「のりしろ」部分が不足しがちです。
 

1位は愛知で静岡は山梨と同率の6位タイ

都道府県別に「サッカー」の行動者率をみると、愛知県が6.0%と最も高く、次いで神奈川県が5.9%、茨城県が5.7%などとなっています(図表4)。10都県のうち、三重県以外にはJリーグクラブがありますが、三重県にはアマチュアのJFLに加盟するクラブが活動しています。
 
前回調査で20位台だった茨城県、鹿児島県、三重県は大幅アップです。10都県のうり、東京都は2013年、茨城県は2019年、三重県は2021年、鹿児島県は2023年の国民体育大会開催県でもあります。アマチュアスポーツの国内最大級のイベント開催と開催地に住む人のスポーツ行動、施設の充実ぶりとの関係をうかがわせます。
 
図表4 都道府県別「サッカー」の行動者率(2021年)-上位10都道府県-

出典:総務省 「統計トピックスNo.133 統計からみたサッカーの状況-「2022FIFA ワールドカップ」にちなんで-(社会生活基本調査の結果から)」より引用
 
これを地図に落とし込んだものが図表6です。おおむね人口の多い都府県に分布している様子がうかがえますが、分布状況を見る限り、サッカーグラウンドの面数よりもフットサルコートの面数や高校サッカーの競技力との相関性を感じさせます。
 
図5 都道府県別「サッカー」の行動者率(2021年)

出典:総務省 「統計トピックスNo.133 統計からみたサッカーの状況-「2022FIFA ワールドカップ」にちなんで-(社会生活基本調査の結果から)」より引用
 

サッカーしない人も見る楽しみは味わえる

ワールドカップ開催により注目されるサッカーを実際に行う機会は、年齢を重ねるごとに減っていきます。しかし、若者の行動に少なからず影響を与えるきっかけにはなりそうです。
 
地上波での試合中継が限られるため、自国開催の2002年大会ほどの盛り上がりになることは想定しにくく、図表2のように推移することでしょう。あとは日本代表が決勝トーナメントに進出し勝ち続けることで、2002年大会のような盛り上がりが再燃するかもしれません。
 

出典

総務省統計局 統計トピックスNo.133 統計からみたサッカーの状況-「2022FIFA ワールドカップ」にちなんで-(社会生活基本調査の結果から)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部