更新日: 2022.12.14 子育て

【忘れずに!】産前産後の「国民年金保険料免除」には届け出が必要

執筆者 : 柳沢俊宏

【忘れずに!】産前産後の「国民年金保険料免除」には届け出が必要
国民年金の第1号被保険者の方は、産前産後期間の国民年金保険料が一定期間免除されることを知っていますか?
 
子育て世代にとって非常に助かる制度ですが、届け出をしないと免除にならないので注意が必要です。
 
今回は、フリーランスの産前産後の国民年金保険料免除について解説します。
柳沢俊宏

執筆者:柳沢俊宏(やなぎざわ としひろ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、ワイゼットFPオフィス代表

制度の概要

産前産後の国民年金保険料免除とは、どのような制度なのでしょうか? 制度の背景、免除の内容、免除される期間の順に見ていきましょう。
 

制度の背景

まずは制度導入の背景を確認しておきましょう。会社員などの第2号被保険者は、育児休業等期間・産前産後休業期間における保険料が免除されます。
 
一方で、フリーランスなどの第1号被保険者は、育児休業等期間・産前産後休業期間の保険料免除がありませんでしたが、会社員などと比べて手薄な第1号被保険者の保障を拡充し、次世代育成支援の観点から、2019年2月1日以降の出産について、産前産後の国民年金保険料が免除されることとなりました。
 

免除の内容

通常の国民年金保険料の免除(全額免除)の場合、将来の年金受給額は全額納付時と比べ2分の1となりますが、産前産後の国民年金保険料の免除制度は、保険料を免除された期間も保険料を納付したものとみなして将来の老齢基礎年金の受給額に反映されます。
 
つまり、免除されていた期間があっても、将来の老齢基礎年金の受給額は減りませんので、気兼ねなく免除制度を利用できます。
 
また、第1号被保険者が定額保険料に付加保険料(月額400円)をプラスして納付することで、将来の老齢基礎年金に付加年金が上乗せされる制度がありますが、他の国民保険料の免除制度と異なり、産前産後の国民年金保険料の免除期間については付加保険料を納付することができます。
 
子育て世代のフリーランスには非常にありがたい制度ですね。
 

免除される期間

免除される期間は、出産予定日または出産日が属する月の前月から4ヶ月間です。なお、多胎妊娠(2人以上を同時に妊娠)の場合は、出産予定日または出産日が属する月の3ヶ月前から最大6ヶ月間が免除されます。
 

免除されるためには届け出が必要

産前産後の国民年金保険料の免除制度を利用するためには、届け出が必要になりますので、注意が必要です。届け出は出産予定日の6ヶ月前から行うことができ、出産後でも届け出が可能です。
 
届け出先は、住民票のある市(区)役所または町村役場の国民年金担当窓口で、手続きには「国民年金被保険者関係届書(申出書)」、「マイナンバーが確認できる書類」、「母子健康手帳」などが必要になります。
 

フリーランスの方はぜひ活用を

産前産後期間の国民年金保険料の免除制度は、国民年金保険料を月額100円程度引き上げることにより、国民年金の被保険者全体によって支えられています。
 
現在の日本は少子化への対応が喫緊の課題とされています。そのためには、多様な働き方ができ、会社員やフリーランスなど立場にかかわらず子どもを産み育てやすい環境作りをしていかなければなりません。
 
多様な働き方をする方、出産・育児をしていく方を皆で応援し、少子化へ対応していきましょう。
 

出典

厚生労働省・日本年金機構 産前産後期間の国民年金保険料が免除されます!
日本年金機構 国民年金保険料の産前産後期間の免除制度
 
執筆者:柳沢俊宏
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、ワイゼットFPオフィス代表

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