マイホームの売却時にかかる費用はどんなものがある?

配信日: 2023.01.05

この記事は約 4 分で読めます。
マイホームの売却時にかかる費用はどんなものがある?
家庭環境の変化により、マイホームを手放さなければならなくなることが人生のどこかの時点で起こるかもしれません。家を売却する時の費用を事前に知っておけば、実際に売却する時に慌てなくて済みます。
篠原まなみ

執筆者:篠原まなみ(しのはら まなみ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、管理業務主任者、第一種証券外務員、内部管理責任者、行政書士

外資系証券会社、銀行で20年以上勤務。現在は、日本人、外国人を対象とした起業家支援。
自身の親の介護、相続の経験を生かして分かりやすくアドバイスをしていきたいと思っています。

マイホームを手放す理由

マイホームを手放す理由としては、子どもが成長し、もっと広い家を購入したり、逆に子どもが巣立ち夫婦2人になったので、大きな家がいらなくなったりするケースがあります。
 
老齢になり、戸建てから手間がかからないマンションに引っ越しをしたり、施設に入居したりということもあるでしょう。また、離婚をして夫婦で購入した家がいらなくなるということもあるかもしれません。
 

売却時にかかる費用

家を売却する時の経費(諸経費)の目安は、一般に売却代金の5%とされています。それではいったいどのような費用が掛かるのでしょうか。 
 

1. 仲介手数料

家を売却する時は、通常、個人間売買ではなく、不動産会社に仲介を依頼することになります。 
 
売買が成立した場合、成功報酬として不動産会社に仲介手数料を払います。仲介手数料の上限額は、取引価格によって変わってきます。取引価格が200万円以下の場合は、取引価格×5%、200万超~400万円以下の場合は、取引価格×4%+2万円の手数料、400万円超の場合は、取引価格×3%+6万円の手数料です。つまり、取引価格が3000万円であれば、96万円です。
 
これはあくまで上限ですので、不動産会社によっては、値引きをしてくれる場合もあります。この報酬には、通常の広告費は含まれていますが、特別の広告を売主が希望した場合は、別途、費用がかかります。
 

2. ローンの繰り上げ返済手数料(家を売却する時点で残債がある場合)

家を売却する時点でローンが残っていると、全額を繰り上げ返済することになります。通常の返済による完済とは異なるため、多くの金融機関ではローン繰り上げ返済手数料を請求します。金融機関によって手数料は違うので確認が必要です。
 

3. 抵当権抹消登記(残債があり、抵当権抹消登記をしていない場合)

ローンを組んだ時に自宅に設定された抵当権は、引き渡し前に抹消する必要があります。抵当権抹消登記に必要な登録免許税は、不動産1つにつき1000円です。マンションの場合は、土地1筆と建物1棟で2000円となります。
 
登記申請書に金額の収入印紙を添付します。抵当権抹消登記の手続きを司法書士に依頼する場合は、数万円程度の報酬がかかります。
 

4. 印紙税

契約金額により印紙税額が異なってきます。1000万超~5000万円以下の場合は、1万円です(2024年度までの軽減措置)※ 
 

5. 引っ越し代

新居を購入してから引っ越す場合は、引っ越しは一度で済みますが、売却が先で新居購入を後回しする場合は、一時的に賃貸住宅に住む必要が生じて、引っ越しは2度になります。引っ越し費用は、家族の人数や間取り、作業人数、引っ越し先までの距離、繁忙期(3、4月)か平日かなどによって変わってきます。
 

6. 測量費用

土地付きの戸建て住宅を売却する場合は、不動産価格に反映されるため、正確な土地の面積が必要となります。取得年月が古い土地の場合は、古い測量技術で測られているため正確でない場合もあります。そのため、現況測定(仮測量)と確定測量を行う必要が出てきます。
 
現況測量は、隣地所有者の同意を得たものであるか問わず、所有者の依頼のみで作成されるもので、費用は、100平方メートル程度の一般的な整形地(四角い土地)の場合、おおよそ10万円から20万円です。
 
一方、確定測量は、土地家屋調査士と隣地の所有者の立ち合いの下、境界点の同意を得てから行われていますが、隣地所有者が多ければ多いほど、立ち会ってもらう人数、日数、費用がかさみます。測量図面の作製、境界確認書面の作製、登記費用……これらを加えると、費用は100万円程度となる場合もあります。
 

まとめ

家の売却を急ぐときは、不動産会社に直接買い取ってもらう「不動産買取」という方法があります。この場合は仲介手数料はかかりませんが、市場価格の7割前後で売却になることもあります。家の売却の費用を抑えたいのであれば時間をかけることと、不動産会社を比較検討して親身になってサポートをしてくれるところを探しましょう。
 

出典

(※)国税庁 不動産売買契約書の印紙税の軽減措置

 
執筆者:篠原まなみ
AFP認定者、宅地建物取引士、管理業務主任者、第一種証券外務員、内部管理責任者

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集