更新日: 2023.01.20 その他暮らし

会社の飲み会でコロナの「濃厚接触者」に。労務から「抗原検査費やテレワークの通信費などは自腹で」と言われたらどうしたらいい?

会社の飲み会でコロナの「濃厚接触者」に。労務から「抗原検査費やテレワークの通信費などは自腹で」と言われたらどうしたらいい?
会社の行事がきっかけで、思いがけず体調を崩すこともあるでしょう。会社の飲み会でコロナの濃厚接触者になった場合、自分に症状はなくても一定期間の自宅待機を迫られることになります。
 
業務内容によっては、待機期間中に在宅ワークを命じられるかもしれません。このような場合の検査や仕事にかかる費用について、労災やテレワーク時のルールの観点からどのようにすべきなのか解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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会社の飲み会は業務にあたるのかどうかがポイント

労災保険が適用される対象は「業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等」とされています。また、労働基準法では労働時間の考え方を「使用者の指揮命令下に置かれている時間のこと」としており、その中には研修や教育訓練の受講、着替えなど業務準備にあてる時間なども含まれます。飲み会は会社行事になり、一見して業務との関連性は薄いように感じるかもしれません。
 
しかし、会社の恒例行事であったり上司や経営者の命令で半ば強制な参加だったりする場合は労働時間と判断されることになります。そのため、会社の飲み会がきっかけとなって新型コロナウイルスの濃厚接触者になった場合は、労災の適用範囲と考えることができます。
 
労災保険は、公正に保険を給付しなければなりません。かつ、労働者が社会復帰できるよう適切な促進と援護が求められています。これらを踏まえ、抗原検査などにかかる費用を社員の自費でまかなうのは妥当とはいえないでしょう。
 
ただし、会社の飲み会がどのような経緯で行われたのかでも事情は変わってきます。例えば、気の合う同僚数名と個人的な飲み会を開催したのであれば、会社行事とは異なります。飲み会が会社主催のものなのか、経営者や上司の参加命令があったのかといった点がポイントです。
 

通信費などテレワーク時にかかる費用負担の考え方

厚生労働省は、事業者がテレワークを適切に導入できるよう、公式サイトで「適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」を公開しています。その中では、テレワークでかかるさまざまな費用負担の決め方にも触れています。
 
会社側が負担すべきとしている費用例として挙げているのが「機器購入費」「通信費」「消耗品購入費」「光熱費」です。つまり、自宅待機でテレワークを命じられた際にかかる通信費は、会社負担となるのが原則であり、社員が負担する必要はありません。
 
通信費だけではなく、テレワークでかかった光熱費なども会社側が負担する必要が出てきます。業務上必要な消耗品を購入した場合は、その費用も請求できるということです。ただし、通信費や光熱費となると、実際にはプライベート用として使用した部分との線引きが難しいといえます。
 
その点については、本来は就業規則に盛り込んでおく必要があります。テレワーク導入の環境が整っておらず、就業規則もまとまっていない場合は、会社側と負担割合を含めたルールについて話し合いが必要です。
 

抗原検査費やテレワーク時にかかる費用は会社側と話し合いを


 
飲み会が会社の行事であり労働時間とみなされる場合は、労災保険が適用される可能性が高いといえます。また、新型コロナウイルスなどで自宅待機となり、その間にテレワークを行うことになった際にかかる費用は原則として会社負担です。
 
実際にはどういった飲み会だったのか、就業規則はどのようになっているかで異なるため、会社側との話し合いで決める必要があります。
 
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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