50代でバイクに目覚めた夫。購入費用に各種諸費用、税金…予想外の出費に白目をむいた妻が取った行動とは?

配信日: 2023.01.23

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50代でバイクに目覚めた夫。購入費用に各種諸費用、税金…予想外の出費に白目をむいた妻が取った行動とは?
「仕事一本で無趣味な人だったので、最初は応援していたのですが……」と苦笑いするのは、Sさん(56歳)だ。
 
夫のAさん(55歳)が、リタイア後を見据えて選んだ趣味は「バイク」。免許の取得からスタートするという、正真正銘の「中年ライダーデビュー」だった。
 
Sさんはバイクに興味を持ったことがなかったため、実はかなりお金がかかる趣味ということを知らなかった。そのため、Aさんがバイク購入を検討しているタイミングで算出された総コストを見て、思わず白目をむいてしまったという。
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知らなかった!「バイク代」は天井知らず?

一般社団法人日本自動車工業会が発表した「2021年度二輪市場動向調査報告書」によると、二輪車を購入する人の平均年齢は54.2歳とされている。「バイクの免許を取る」とAさんが言い出したときは52歳だったため、決して遅くはないといえるだろう。
 
Sさんいわく、Aさんは「口に出したことは絶対にやるタイプ」らしく、実際に管理職として働きながら、約2ヶ月で大型二輪免許を取得したという。
 
「免許取得費用は全部、夫が自分の口座から支払ったので詳しくは把握していなかったのですが、どうやら20万円近くかかったそうです。この時点で私はすごく嫌な予感がしましたね(笑)。いつもは基本的に、夫が決めたことには口を出さないようにしていたのですが、今回ばかりは早めにちゃんと家族会議を開かないとダメだと思いました」
 
そしてAさんが大型バイクの免許を取得して約1ヶ月後のある日、バイクの取得費用から維持費までを洗い出す家族会議が開かれたという。
 
Aさんの要望をそのまま反映した最初の大まかな試算結果を見たときの瞬間を、Sさんは「項目の数を見ただけで気絶しそうになった」と振り返る。

【大型バイクの取得、維持にかかる一般的なコスト】

・本体車両価格
・整備手数料
・登録手数料
・重量税、軽自動車税
・自賠責保険
・自動車保険(任意保険)
・車検費用
・ガソリン代
・駐輪場代
・消耗品代
・ツーリングの食事代など

最初、Aさんは1000ccの大型バイク購入を狙っており、本体車両価格だけで当時は160万円を超えていた。乗り出し価格も非常に高額だったという。
 
さらに各種税金や保険に加え、新たにマンションの駐輪場を契約しなければならないといった「諸費用」の数も、Sさんにとっては衝撃だった。
 
「子どもは全員、家を出て働いていますし、購入できない金額ではないとは思います。ただ、どうしても50代で初めての趣味にかけるお金ではないという印象が強かったですね。『自転車だったら10分の1くらいのお金で楽しめるじゃない』と何度も言いそうになりました」
 

よくある?妻と夫のバイクをめぐる「落としどころ」

バイクや時計、車といった嗜好性のあるものの愛好家において、「嫁ブロック」という言葉があるほど、新車などの購入は配偶者の存在が高い壁になることが多い。
 
Aさんも事前にリサーチしていたようで、「車体の購入費は自分の貯金から出す」、「維持費も小遣いから捻出する」と力説。ただ、言ったものの全額を出すのは難しかったらしく、プレゼン中に本体車両価格と排気量は次第に小さくなっていったという。
 
「なんとなくですが、そこまで排気量にこだわっていなかったような気がしたので、税金、保険料、本体車両価格が安く、車検もいらない『250ccのバイクから始めたら?』と提案しました。その後は『大型免許を取った意味がない』とか、『最初に大型バイクを買った方が買い替えないからトータルで安い』とかいろいろと反論されました(笑)。ただ、結局は250ccに落ち着いてくれて本当によかったですよ」
 

趣味にかかるお金を許容できるから、応援できる

家族会議から約3年たった現在も、Aさんは250ccのバイクに乗って、毎月2回程度のペースでツーリングしている。
 
「バイク仲間も増えたようで、仕事以外の話題も増えて結果的にはとても良かったと思っています。250ccのバイクにも愛着があるみたいで、いつもピカピカに磨いています。ただ、たまに『大型マウントが気になる』とこぼしていることもあるので、未練はまだ断ち切れていないのかもしれませんね(笑)」
 
Sさんは、最初はバイクにかかる費用に白目をむきつつも、バイクの購入そのものをブロックするつもりはなかったという。
 
家計は家庭によってさまざまだが、0か100ではなく、お互いに妥協点を見つけて少しでも趣味にチャレンジしたり、続けたりすることが、豊かな人生につながるのではないだろうか。
 
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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