更新日: 2023.01.28 子育て

「児童扶養手当」は誰でもはもらえない?「支給額」や「制度内容」について解説

「児童扶養手当」は誰でもはもらえない?「支給額」や「制度内容」について解説
これから子どもを授かりたいと思っている人で、児童扶養手当の受給を考えている人もいるでしょう。しかし児童扶養手当は、離婚によるひとり親世帯などが受給できる手当となるため、夫婦がいる世帯では受け取れません。
 
本記事では、ひとり親世帯が受給できる児童扶養手当の制度内容や、支給額を解説します。
古田靖昭

執筆者:古田靖昭(ふるた やすあき)

二級ファイナンシャルプランニング技能士

児童扶養手当とは

児童扶養手当とは、離婚によるひとり親世帯などで、父または母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活や自立を促進するために手当を支給する制度です。
 
ひとり親世帯は、父母が離婚した児童のほか、父または母が亡くなった場合や、父または母の生死が明らかでない児童などを監護や養育している人となります。また、ひとり親世帯ではないものの、父または母が一定程度の障害状態にある場合の児童も含まれています。
 
児童扶養手当の支給対象者は、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童や、20歳未満の障害状態にある児童を監護する母、監護しつつ生計を同じくする父または祖父母などの養育者です。
 
児童扶養手当を受給するには、住んでいる住所地の市区町村において申請する必要があります。また毎年、受給資格の確認のために8月1日時点の状況を知らせる「現況届」を提出しなければなりません。もし現況届を提出しないと手当が受けられなくなります。
 
なお児童扶養手当と混同しがちな制度に「児童手当」があります。児童手当は、日本国内に住む0歳から中学校卒業(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)までの児童を養育する人に支給されます。児童扶養手当がひとり親世帯を対象としているのに対して、児童手当は子育てしている親全般が対象となります。
 
児童扶養手当と児童手当は併給が可能なため、両方支給している人も多いでしょう。
 

児童扶養手当の支給額

児童扶養手当は所得に応じて全部支給と一部支給があります。児童扶養手当の2022年4月現在の月額支給額は図表1のとおりです。
 
図表1

厚生労働省 児童扶養手当制度の概要 より筆者作成
 
例えば、18歳未満の子どもが3人いて全部支給であれば月額5万9340円です。支給時期は奇数月に2ヶ月分となります。
 
児童扶養手当は扶養親族などの数によって、図表2のように所得制限が設けられています。
 
図表2

※1 扶養親族などの数が4人目以降の場合、1人増えるごとに38万円が加算
※2 扶養親族などの数が0人とは前年末時点で子どもが生まれていない場合などのこと
東京都福祉保健局 児童扶養手当 より筆者作成
 
例えば、本人と児童の2人で生活している場合、本人の所得が見られます。もし受給資格者本人が実家に帰るなどした場合、その両親などの所得も確認されることになります。
 
図表2の所得制限額以上になれば児童扶養手当の全部支給または一部支給がなくなります。
 

児童扶養手当は手続きしなければ支給されない

これから子どもを授かりたいと思っているものの、子どもの養育費に不安がある場合、児童扶養手当ではなく児童手当の手続きを行えば支給されます。児童手当は、日本国内に住む0歳から中学校卒業までの児童が対象となります。
 
児童扶養手当は離婚などでひとり親世帯になった場合に支給されるため、誰でももらえるわけではありません。
 
もし児童扶養手当が必要になったら、必ず住所地の市区町村に児童扶養手当の支給手続きをしましょう。手続きが遅れたり、書類に不備があったりすればその分支給が遅れてしまうため注意が必要です。
 
なお児童扶養手当は自立を促進するための手当となるため、手当の受給資格者となってから5年などが経過した後、就労意欲などが見られないと判断された場合、児童扶養手当の支給額が2分の1となる可能性があります。
 
児童扶養手当はひとり親世帯を対象とした手当ではあるものの、一時的な経済支援であることを覚えておくようにしましょう。
 

出典

厚生労働省 児童扶養手当制度の概要
八尾市 (受給者の方)現況届について(児童扶養手当関係)
内閣府 児童手当制度のご案内
東京都福祉保健局 児童扶養手当
 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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