習い事がたった2つでも、家計と精神的に負担大? 2児の母が行った「学校外活動費」のデトックス
配信日: 2023.02.02
2022年12月21日、文部科学省が発表した「令和3年度子供の学習費調査」によると、年間の学校外活動費は幼稚園の公立幼稚園で約9万円、私立で約14.4万円。小学校では公立が約25万円、私立で約66万円となっている。
月平均2~5万円程度と幅があり、その実情は「もっと複雑で家計管理が難しい」と語るのは、公立小学校に通う長女を持つ32歳の主婦、Aさんだ。教育熱心だったAさんが「陥った習い事とお金の盲点」とは。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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週三回の習い事で予算オーバー?
「中学受験を考えていたので、長女が小学生2年生になったタイミングで、大手中学受験塾に通わせました。費用は大体、1万5000円程度。また、どうしても習ってほしかった『バレエ教室』にも、1年生になったときに入会させました。こちらは週1回のレッスンで約1万円。合計2万5000円なら問題ないと思っていましたね」
当時、Aさんは夫と小学生の長女、幼稚園の年長の長男の4人家族で、首都圏在住でマンションを購入したばかりだった。
夫は会社員で、Aさんは時短勤務で働いている状況だったという。それでも子どもたちのために、しっかりと習い事をさせたいという気持ちもあった。しかし、塾とバレエの両方で「予想外のお金」が発生して、Aさんは頭を抱えることになったという。
「衝撃だったのは『バレエの発表会』にかかるお金ですね。参加費用は5万円超、レンタル衣装や謝礼、DVD代などを合わせるとゆうに10万円を超えました。正直、バレエはお金がかかる習い事というイメージがあり、先輩ママからも『発表会前はお金を貯めといた方がいいよ』と言われていたのですが、完全に予想外でした。詳しい費用のことは聞きにくいんですが、もっと早く質問しておけばよかったです」
さらに費用はもちろん、時間的にも辛かったのが、バレエや塾に子どもを通わせている保護者同士の「交際費」だ。
学校や習い事の付き添いや送迎で顔を合わせる機会が増えると、毎月、複数回はお茶をする機会があったという。
「お茶やランチ、先生方との懇親会など、合計月5000円程度の出費は痛いですよ。それに習い事をさせていなかった幼稚園の頃と比べると、自分の時間がなくなってしまうのも精神的に辛かったです。意外と『マウント合戦』にもなってしまいますしね……」
加えて塾も、教材費や特別講習など、十二分な教育を受けさせるための「オプション」の案内も相次ぐことも、Aさんにとって「金銭的な不安」を搔き立てた。
そこで長女が小学4年生、長男が小学2年生のときに「習い事デトックス」を敢行したのだ。
長男のことも考えて決意した「習い事デトックス」
「長女の習い事にかかるお金は月4万円にまで膨らんでいました。当初、計画していた2万円程度よりもかなり大きな金額です。大きな理由としてはバレエが週2回のレッスンになったことと、進級して塾の月謝が値上がりしたことです。」
中学受験向けの塾の場合、3年生から6年生にかけて、1学年ごとに料金が値上がりするケースは珍しくなく、教科数も増えるため、最終的に月謝が2~3万円も上がる料金プランも珍しくない。このままでは、長男の習い事も合わせると、月8万円以上の出費になる可能性があった。
「当時はもう、長女が『バレエがしんどい』と言っていたのを知っていました。けれど周りの保護者の目を気にしていたのと、私が始めさせた意地もあり続けさせていたのです。そこで長女に『辞める?』と聞くと二つ返事で『うんっ!』と返されて……。私はなんのためにお金を払っていたんだろうと勝手にむなしくなりましたね」
バレエを辞める代わりに、長女が「やりたい」と言ったスイミングスクールに通わせることにした。週1回でレッスン代は月8000円ほど。近所の先輩ママの子どもと同じスクールに通うことで、水着や帽子などはおさがりをもらえたので格安で始められた。また、保護者の集まりも極力、必要不可欠な会以外は断るようにしたという。
子どもに経験させられるのは「習い事」だけじゃない
Aさんは毎週の習い事だけではなく、自治体や企業が開催する単発のワークショップや体験会なども家族で参加するようにしているという。
「『教育』というと、お金を払って決まった習い事をさせるのが一般的なイメージですが、子どもに日常とは異なる刺激を与える場は習い事だけではなりません。無料や安価で参加できる単発のイベントでも、子どもが学ぶ場はたくさんあります。家族のコミュニケーションのきっかけにもなりますし、『通わせているから大丈夫』ではなく、もっと子どもと家計に寄り添った家庭での教育をしていきたいですね」
出典
文部科学省 令和3年度子供の学習費調査 2.調査結果の概要
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部