更新日: 2023.02.03 その他暮らし
職場の「餅つき大会」に参加しなかったら「自分勝手で和を乱す」とクビになりました…これって妥当ですか?
しかし、過剰になれば家族との時間が減ってしまうなどの弊害も出ます。今回は、餅つきやバーベキューなど職場のイベントに参加しないことを解雇理由にできるのかどうかについて解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
そもそも休日を利用した行事の強制は可能?
労働基準法では、使用者は労働者に対し「少なくとも毎週1日の休日もしくは4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならない」と定められています。つまり、労働者は最低でも毎週1日は休日を取る権利があります。休日は、労働の疲れを取ったりプライベートな時間にあてたりすることが目的です。そのため、休日に会社行事の参加を強制させることは本来できません。
もしも毎週2日以上の休日が与えられており、その中で月に1日程度会社行事があるというなら労働基準法が定める休日の条件を満たしていることになります。それでも、あくまで休日としている以上は参加を強制させるのは無理といえるでしょう。例えば、はじめから出勤日という扱いなら、餅つき大会やバーベキューといった内容であっても業務の一環として原則全員参加とすることはできます。
ただし、労働契約にともない、労働者が生命や身体等の安全確保をしながら働くための配慮をするのは使用者の義務です。そのため、体調不良などで当日参加できないときは、使用者はそれを認めなければなりません。
会社行事に参加しなかったことを理由とする解雇は不当?
使用者からの申し出によって労働者を解雇することは可能です。ただし、使用者の身勝手な理由で自由に解雇できるわけではありません。
解雇するには、社会的な常識で考えた場合に誰もが納得できるような理由が必要になります。客観的に見て合理的であり、社会通念上妥当であると認められない限り、労働者を解雇することはできません。解雇のルールについては、労働契約法第16条で定められています。
つまり、休日に会社行事をあて、それに参加しなかったことを理由に解雇するのは社会的な常識として妥当とはいえません。もしも、普段からさまざまな問題行動を起こしていて、それが業務や企業イメージに支障を与えていると判断されれば合理的な解雇ととらえることは可能でしょう。しかし、休日の会社行事に参加しなかったことだけが理由なら、その解雇は不当として扱われます。
また、解雇については法律で禁止されているケースもあります。例えば「業務上災害のため療養中の期間とその後の30日間」「産前産後の休業期間とその後の30日間」「労働基準監督署に申告したことを理由とする場合」「労働組合の組合員であることなどを理由とした場合」などの解雇は禁止です。
休日行事の強制参加や不当な解雇は管轄の労働基準監督署へ相談を
休日に会社行事などをあてられた場合、参加するかどうかは原則として労働者の自由な意思で決めることです。使用者は休日の行事参加の強制はできませんし、参加しないという理由で一方的に解雇することも妥当ではありません。
休日の行事が頻繁でかつ強制参加が暗黙の了解になっているうえに参加しないことで解雇発言をされたときは、管轄の労働基準監督署に相談しましょう。
出典
厚生労働省 労働時間・休日
厚生労働省 労働契約の終了に関するルール
厚生労働省 労働契約法のあらまし
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部