更新日: 2023.02.06 子育て

育児休業中の社会保険料免除制度改正の内容を解説。改正前との違いは?

執筆者 : 北山茂治

育児休業中の社会保険料免除制度改正の内容を解説。改正前との違いは?
育児休業期間中は健康保険や厚生年金保険(合わせて社会保険と言います)の保険料の支払いが免除されることはご存じですか?
 
2022年10月に、育児介護休業法が大きく変わりました。それに伴い、健康保険法と厚生年金保険法も改正されて、育児休業中の社会保険料免除制度も大きく変更されています。
北山茂治

執筆者:北山茂治(きたやま しげはる)

高度年金・将来設計コンサルタント

1級ファイナンシャルプランニング技能士、特定社会保険労務士、健康マスターエキスパート
大学卒業後、大手生命保険会社に入社し、全国各地を転々としてきました。2000年に1級ファイナンシャルプランニング技能士資格取得後は、FP知識を活用した営業手法を教育指導してきました。そして勤続40年を区切りに、「北山FP社会保険労務士事務所」を開業しました。

人生100年時代に、「気力・体力・財力3拍子揃った、元気シニアをたくさん輩出する」
そのお手伝いをすることが私のライフワークです。
ライフプランセミナーをはじめ年金・医療・介護そして相続に関するセミナー講師をしてきました。
そして元気シニア輩出のためにはその基盤となる企業が元気であることが何より大切だと考え、従業員がはつらつと働ける会社を作っていくために、労働関係の相談、就業規則や賃金退職金制度の構築、助成金の申請など、企業がますます繁栄するお手伝いをさせていただいています。

HP: https://www.kitayamafpsr.com

改正前の育児休業中の社会保険料免除制度とは

3歳未満の子を養育する方が健康保険と厚生年金保険の被保険者である場合、その方が育児休業を取得している期間は、健康保険料と厚生年金保険料が免除されます。この免除は、事業主および被保険者ともに適用されます。
 
改正前の制度は該当者が月末に育児休業を取得していれば、その月の給与・賞与の保険料が免除されています。つまり、月末1日だけ休業していたらこの月の社会保険料が免除されます。逆に月初から月末の1日前まで休業していたら免除されませんでした。
 

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改正後の育児休業中の社会保険料免除制度とは

改正後は、月の途中で14日以上休業する場合も保険料が免除されることになりました(以下「育休期間14日要件」として説明します)。改正前の制度も残ります。つまり、月末で育児休業を取得しているときも免除されます。
 
ただし、賞与については、当該賞与月の末日を含んだ連続した1ヶ月を超える育児休業等を取得した場合に限り、免除されます。ここは注意が必要です。
 
<育休期間14日要件>
育休14日要件をもっと詳しく解説します。
 
この育休14日要件は、暦上の同じ月に育児休暇の始まりの日と終わりの日がある場合だけ有効になります。いくら14日あっても前月から引き続き取得している時は、同一月内でないため免除の対象になりません。
 
例えば、11月25日に育児休暇開始して、12月15日に終了した場合、11月は11月月末に育児休暇していますので免除されますが、12月は、始まりの日が11月中にあるので、対象になりません。
 
同一の月の断続した休業は通算されます。例えば、同一内に8日と6日の2回育児休暇をした場合は合計の14日以上となるため免除されます。図表1の月額保険料を参照ください。
 
【図表1】


 

産後パパ休暇

2022年10月から始まった「産後パパ育休(出生時育児休業)」も免除の対象になります。
 
産後パパ育休は、労使協定を締結することによって、休業の途中で就業することもできますが、就業した日数は休業日数から引かれます。例えば、同じ月に14日休業しても、そのうち3日就業したら、休業日数が11日となって、免除されません。
 
産後パパ育休中に、半日だけ就業した場合などは、就業した時間数を1日の所定労働時間で割って出た日数で控除します(1日未満は切り捨てます)。
 

賞与の1ヶ月超とは

賞与については、育児休業期間が当該賞与月の末日を含んだ連続した1ヶ月を超える場合にのみ免除されることになります。この場合も暦上で判断します。
 
例えば、10月14日から休業を開始して11月14日までですと暦上1ヶ月になりませんが、10月14日から休業を開始して11月15日までですと暦上1ヶ月超なので、免除になります。図表2の賞与保険料を参照してください。
 
【図表2】


 

手続き

帳票は「育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届」です。これまでの帳票は改正されていますので注意してください。
 
免除の手続きは原則育児休業中に行うことになっていますが、2022年10月以降は、2回に分割して取得することが可能となり、産後パパ休暇も新設されるので、「育児休業等の終了日から起算して暦日で1ヶ月以内」であれば、特別な理由がなくても受付されます。 
 
【図表3】


 
該当しそうな方は、制度の改正点をよく理解して活用してください。
 

出典

日本年金機構 令和4年10月から育児休業等期間中における社会保険料の免除要件が改正されます
 
執筆者:北山茂治
高度年金・将来設計コンサルタント

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