更新日: 2023.02.08 その他暮らし

生活保護は「住所なし」でも申請可能? 税金を支払えていない場合でも大丈夫?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

生活保護は「住所なし」でも申請可能? 税金を支払えていない場合でも大丈夫?
厚生労働省によると、2022年3月の速報値ベースで、生活保護受給世帯は増加傾向にあります。しかし、さまざまな手続きをする際には必ず住所が必要になるケースが多く、「生活保護の申請をしたくても、住所がないので無理なのではないか」と悩む人もいるかもしれません。
 
そこで、今回は住所がない場合に生活保護を申請できるのかどうかといったことについて解説します。
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生活保護を申請する世帯数は増加傾向にある

厚生労働省が2022年6月に発表した「生活保護制度の現状について」を参考に、生活保護の受給世帯数やどのようなことをサポートしているのか見てみましょう。
 
・生活保護受給世帯数は約164万世帯
前述した厚生労働省の発表で、2022年3月現在の生活保護受給世帯数は164万2821世帯であることがわかっています(速報値)。65歳以上の高齢者世帯が91.3万世帯と最も多く、続いて障害者・傷病者世帯は40.4万世帯、そのほかの世帯が25.0万世帯、母子世帯は6.8万世帯です。
 
高齢者世帯、障害者・傷病者世帯、そのほかの世帯の受給世帯数が増加しているのに対し、母子世帯の受給世帯数は平成24年の11.4万世帯をピークに減少しています。
 
・現状として生活保護費は生活扶助を負担
2020年頃まで、生活保護費は医療扶助が最も多く、つづいて生活扶助、住宅扶助、そのほかという順で多く負担していました。しかし、2021年からは全面的に生活扶助を負担している状態です。令和4(2022)年度、生活扶助のために生活保護で負担された金額は3兆7351億円となっています。
 

生活保護は住所がなくても申請可能


生活保護の申請は、日本国民の誰もが平等に与えられている権利です。実際に受給できるかどうかは審査があるため、申請すれば必ず受給できるというわけではありません。
 
ただ、理由があって働けない、働いていても収入が少なすぎて生活できない場合などは、生活保護の受給ができる可能性があります。
 
・住所がない場合は申請した市役所が現在地に
「定住している住所がない場合、申請できないのではないか」と不安に感じている人がいるかもしれません。
 
しかし、住所がない場合は「現在地主義」が適用されます。現在地主義とは、住所がない人が生活保護の申請を行う市役所を「現在地」として申請する方法です。また、住民票がある地域と現在いる場所が異なる場合も、現在住んでいる場所を住所として申請できます。
 
・税金・社会保険料などを滞納している場合も申請可能
住所がない場合、税金、社会保険料、国民健康保険料などを滞納していたり、借金をしていたりするケースもあります。そのような場合、生活保護の申請をしても受給できないだろうと考えている人もいるようです。
 
しかし、さまざまな支払いの滞納や借金があったとしても、生活保護は申請できます。生活保護は国民の権利なので、生活が困難な場合は相談・申請してみましょう。
 

住所がない場合でもまずは相談を

生活保護は何らかの理由があって生活が困難な場合に受給できる制度です。住所がない人であっても、市役所などを現在地として申請できます。また、借金がある場合や税金などの滞納がある場合でも申請は可能です。申請後は審査があるので、必ず受給できるわけではありません。
 
しかし、日本国民の誰もが与えられている権利であるため、まずは相談してみましょう。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度の現状について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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