更新日: 2023.02.09 子育て

子どもが「会計前のお菓子」を食べてしまった! お金を払えば大丈夫?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

子どもが「会計前のお菓子」を食べてしまった! お金を払えば大丈夫?
小さな子どもを連れながらのスーパーやコンビニでの買い物は、育児中ならよくあることです。そして、ほんのわずかな時間、目を離したすきに、「子どもが会計前のお菓子を食べてしまった」などの経験がある方は結構多いのではないでしょうか。そのようなとき、「お金を払えばいい」と思われるかもしれません。
 
今回は、会計前の商品を子どもが食べてしまった(壊して売れない状態にしてしまった)場合の対処について解説していきます。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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購入前のお菓子を食べるとどういった罪になる?

物には「所有権」があり、代金を払って初めて所有権が購入者に移ることになります。購入前の商品は店の所有物になるため、「勝手に食べてしまうのは窃盗罪」に該当します。
 
陳列棚から直接取って食べる行為はもちろんですが「どうせ買うから」という理由で、買い物かごに入れた商品を会計前に食べる行為も同様です。状況にもよりますが、中身を全て食べることで「証拠の隠滅」と捉えられてもおかしくありません。
 
14歳未満の場合、窃盗罪で逮捕されることはないものの、「児童相談所へ通告される恐れ」と保護者に「賠償責任が発生する恐れ」があります。スーパーやコンビニで保護者と一緒に買い物をしているときなら、通常は保護者が謝罪と被害弁償により責任を取るのが一般的です。
 
しかし、法的には「年齢に関係なく窃盗罪に当たる」ことを理解しておいた方がいいでしょう。店側の通告を受けた児童相談所が調査した結果、14歳未満の少年でも「家庭裁判所での審判が必要」と判断されれば、家裁に送致されます。
 

お金を払えば大丈夫という考えは持たないこと

子どもが食べてしまったときは、保護者が素直に申告して代金を払えばほとんどの場合において穏便に解決するかもしれません。しかし、「お金を払えば大丈夫」だと判断するのは「店側」です。店側に「悪質」と判断された場合きは、代金支払いや店に二度と行けないなどのペナルティーだけでは済まない可能性もあります。
 
それに「お金を払うから大丈夫」という考えを持ってしまうと、子どもも購入前の商品を食べることに「抵抗」がなくなる可能性が高まります。たとえ買い物かごに入れていても、会計を済ませる前の商品は自分の所有物ではありません。
 
保護者としての監督責任を果たす上で、子どもには「お金を払うまで食べてはいけない」と教えることが、「責任能力」を規定する民法712条と「責任無能力者の監督義務者等の責任」を定める同法714条観点からも必要です。
 

子どもが購入前に食べてしまったときの適切な対処は?

もし、買い物中に子どもがお菓子を食べてしまったときは、気づいた時点ですぐにお店の人に伝えましょう。買い物を続けて最後にレジで報告するという人もいるかもしれませんが、それより前に、「保護者として監督不行き届きであったために子どもが購入前の商品を食べてしまった事実」を謝罪し、商品の代金を払うことが先決です。
 
店によってはほかの商品の会計のときに一緒に支払うことで不問にしてくれる場合もありますが、そもそも損害を与えた側が勝手に判断することではありません。
 
説明したように、代金を払っていない商品を食べた時点で刑法上の「窃盗罪」が成立しえます。ですから、面倒に感じても早めに申し出て解決しておくことが優先です。
 
食べてしまった場合だけでなく、子どもがイタズラして傷つけた食品やおもちゃなども、そのままにせずきちんと報告しましょう。「子どもがやったこと」と開き直り責任を免れようとする保護者もいますが、被害を受けた店に判断が委ねられているのです。
 

ささいなことで大きな問題にならないよう早めの対処を


 
購入前のお菓子を子どもが食べてしまったときは、面倒に感じてもすぐにお店に申告することです。正直に話してすぐに代金を支払えば、通常はトラブルになることはないでしょう。
 
面倒という理由で支払いを後回しにした場合「犯罪」と判断されることがあっても仕方ありません。子どもがお店のお菓子を食べてしまったときはお金を払うことはもちろんですが、タイミングを間違えて大きな問題にならないよう、早めの対処をすることが大切です。
 

出典

e-Gov法令検索 商法 第二十六条

e-Gov法令検索 民法 第百七十六条、第五百五十五条、第七百九条、第七百十二条、第七百十四条

e-Gov法令検索 刑法 第二百三十五条

家庭裁判所 少年審判について

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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