更新日: 2023.03.01 その他暮らし
仕事激減で暮らせないかも…。「住居確保給付金」を利用できますか?
家賃の工面にも困るような収入状態になった場合は、「住居確保給付金」を利用できる可能性があります。
本記事では「住居確保給付金」の概要や受給要件、支給額、申請方法などの基本事項を分かりやすくまとめました。給付金の申請を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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住居確保給付金とは?
住居確保給付金とは、離職ややむを得ない休業などの理由で経済的に困難な状況になり、住居を失った人や失う恐れがある人などを対象に、一定期間に限って家賃相当額を支給する制度です。
次の期間の家賃を対象に、自治体から不動産媒介業者や貸主などの口座に直接振り込む方法で、給付金が支払われます。
●新規に住宅を借りる場合:初期費用として支払う家賃の翌月以降の家賃
●すでに住宅を借りている場合:申請日を含む月以降の家賃
支給期間は原則として3ヶ月ですが、以下のような条件に当てはまっていれば2回まで延長ができ、最長9ヶ月まで受給できます。
●3ヶ月の間に常用就職ができなかった
●3ヶ月の間に常用就職したが収入額が基準額に満たない
●3ヶ月の間に業務上の収入を得る機会が改善しない
住居確保給付金の受給要件
住居確保給付金を受給するための主な要件は、次のとおりです。
●離職や廃業後2年以内、またはやむを得ない事情による休業などで離職や廃業と同等の収入状況になり、住居を失った、または失う恐れがある
●世帯の生計を主に維持している、または離職・廃業まで維持していた
●直近の月の世帯収入合計額が、各自治体が定める基準額と家賃の合計額以下
●世帯の預貯金合計額が、各自治体が定める基準額以下
●国や自治体が実施する類似の給付金や貸付を世帯全員が受けていない
●常用就職に向けた一定の求職活動を行う
収入要件の詳細な金額は自治体によって異なるため、自治体のホームページなどで確認しましょう。例えば東京都江東区では、基準額を図表1のように定めています。
【図表1】
世帯人数 | 基準額 |
---|---|
単身世帯 | 8万4000円 |
2人世帯 | 13万円 |
3人世帯 | 17万2000円 |
4人世帯 | 21万4000円 |
5人世帯 | 25万5000円 |
また、一定の求職活動とは次のようなものです。(※申請理由により必要な活動内容が異なります)
●ハローワークへの求職申込
●常用就職を目指す就職活動の実施
●月1回以上の自立支援相談員などによる相談
●月1回以上のハローワークでの職業相談
●原則月1回以上の企業などへの応募・面接
活動報告が提出されない場合、給付金の支給が停止することがあるため注意が必要です。
住居確保給付金の支給額
住居確保給付金の支給額は、自治体や世帯の人数によって異なります。東京都江東区の場合、支給上限額は世帯人数ごとに図表2のとおりです。
【図表2】
世帯人数 | 基準額 |
---|---|
単身世帯 | 5万3700円 |
2人世帯 | 6万4000円 |
3~5人世帯 | 6万9800円 |
6人世帯 | 7万5000円 |
7人世帯 | 8万3800円 |
世帯収入が基準額を超える場合は、収入額に応じて支給額が調整されます。また、支給されるのは家賃のみで、敷金や共益費、駐車場代は含まれません。
住居確保給付金の申請方法
住居確保給付金の申請は、自治体に設けられた生活困窮者自立相談支援窓口で行います。次のような必要書類を揃えて提出しましょう。
●生活困窮者住居確保給付金支給申請書
●住居確保給付金申請時確認書
●本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)
●世帯員の確認書類(世帯全員が記載された住民票の写しなど)
●2年以内に離職・廃業したことが確認できる書類の写し(離職・廃業の場合)
●やむを得ず収入を得る機会が減少したことが分かる文書など(休業による収入減少の場合)
●世帯全員分の収入確認書類(給与明細、各種手当、年金の通知など)
●世帯全員分の預貯金関係書類(通帳の写しなど)
●賃貸借契約書
●入居住宅に関する状況通知書
自治体によって、郵送申請が可能な場合と窓口申請のみの場合があります。また、自治体によって申請に必要な書類が異なる場合があります。自治体のホームページなどで手続き方法を確認の上で手続きするとスムーズです。
仕事減少で生活に困ったら住居確保給付金の受給を相談しよう
住居確保給付金は、退職や廃業、やむを得ない休業による収入減少などの理由で家賃の支払いが困難な場合に、家賃相当額の給付を受けられる給付金です。
急な経済状況の悪化で住む場所にも困るような場合は、借金などをする前に、本給付金の受給を検討するとよいでしょう。
求職活動を行うことなど、積極的に自立を目指すことが受給の条件となっているため、早期の生活立て直しにもつながるはずです。
出典
厚生労働省 住居確保給付金のご案内
東京都福祉保健局
東京都福祉保健局 住まいに困っている
江東区 離職等により住居に困っている方(住居確保給付金事業)
町田市 住居確保給付金の支給期間延長の申請について
厚生労働省 生活支援特設ホームページ 住居確保給付金 よくある質問
厚生労働省 生活支援特設ホームページ 住居確保給付金 手続きの流れ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部