更新日: 2023.03.03 その他暮らし

恋人と別れたら「これまでのプレゼント代を返せ!」と言われた! 返す必要はある?

恋人と別れたら「これまでのプレゼント代を返せ!」と言われた! 返す必要はある?
恋人と別れたとき、これまでのプレゼントやデートにかかった費用の返還を相手が求めてくるというケースがあります。別れたことへの腹いせで請求する人もいるでしょうし、本当に返して欲しいと思う人もいるでしょう。いずれにしても「返せ」と言われた以上、返す必要はあるということなのでしょうか。
 
今回は、法律の観点から元恋人にもらったプレゼントの扱いについて解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

恋人からもらったプレゼントは贈与に該当する

民法549条では「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」としています。恋人からもらったプレゼントは、通常は何かの代償として与えられたものではなく、無償によるものと考えるのが一般的です。そのため、恋人からのプレゼントは、民法上の「贈与」に当たります。
 
相手から「返せ」と言われた場合は、贈与の撤回という見方もできるかもしれません。しかし、民法500条によると「書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない」としており、すでに受け取ったものについては該当しないと考えるのが妥当です。
 
つまり、撤回が可能なのはまだ履行が終わっていないもの(受け取っていないもの)で、交際中にすでにプレゼントしたものについては通常は撤回することができません。法律的な観点からいえば、たとえ別れた後で「返せ」と言われても返す必要はないと考えるのが妥当です。撤回できるのは履行していないものなので、約束していてもまだ受け取っていないものがあれば該当します。
 

返還したほうがいいものは返すのも一つの考え方

恋人からのプレゼントといっても、中には高額なものやお金を受け取る人もいます。例えば、ハイブランドのバッグや高額な貴金属、車などは、別れた後も使い続けるのは気が引けるという人もいるかもしれません。高額なものや相手が大切にしていたもので「返して欲しい」と言われたときは、素直に返すのも一つの考え方であり、トラブルを避けるための適切な手段です。
 
恋人でも、お互いの考え方にズレが生じていることもあります。実際にはどのような考えで付き合っていたのかは、相手にしかわかりません。言葉にしなかっただけで結婚まで考えていたという場合は、高価なプレゼントを贈る人もいるでしょう。そのような場合、相手によっては婚約不履行という捉え方をされるかもしれません。
 
いずれにしても、別れた後でプレゼントや代金を返すよう求めてくる相手なら、可能なものは返しておくほうが無難です。ただし、すでに消費したプレゼントの代金や交際中にかかったすべてのお金を請求されたときは、そもそも返す必要はないでしょう。
 

交際中にプレゼントされたものは別れても返す必要はない

交際中にプレゼントされたものは、民法第549条の贈与に該当します。お互いが了承してすでに受け取ったものは、別れてから返すよう求められても本来返す必要はありません。
 
ただし、高額なプレゼントをもらっている場合は可能な限り返しておくのもいいでしょう。プレゼントにかかった分をお金で返す義務はないものの、後で何らかのトラブルが起こることを避けるためにも、可能な範囲で返しておくという考えも必要です。
 

出典

法務省 民法(債権関係)の改正に関する論点の検討(16)

e-Gov法令検索 民法 第549条、第500条

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集