更新日: 2023.03.06 子育て
「大学入学の前」までに教育費はいくらかかる? 幼稚園から高校までの総額は?
本記事では、幼稚園から高校までにかかる教育費がどのくらいなのかを紹介し、さらに教育費を貯める方法や利用できる支援制度について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
幼稚園から高校までにかかる教育費
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」では、学習費総額の結果を図表1のように伝えています。
【図表1】
校種 | 学習費総額 | |
---|---|---|
幼稚園 | 公立 | 16万5126円 |
私立 | 30万8909円 | |
小学校 | 公立 | 35万2566円 |
私立 | 166万6949円 | |
中学校 | 公立 | 53万8799円 |
私立 | 143万6353円 | |
高等学校(全日制) | 公立 | 51万2971円 |
私立 | 105万4444円 |
学習費総額の内訳は、学校教育費と学校給食費、学校外活動費です。また同調査では、 幼稚園から高等学校卒業までの15年間について、すべて公立の場合の学習費総額は約574万4000円、すべて私立の場合は約1838万5000円になると伝えています。
さらに受験期には学習塾費や通信教育・家庭教師費がプラスでかかることを想定する必要があるでしょう。学習塾費と通信教育・家庭教師費の年間1円以上支出者の年間平均額は、図表2のとおりです。
【図表2】
校種 | 学習塾費の年間平均額 | 通信教育・家庭教師費の年間平均額 | |
---|---|---|---|
幼稚園 | 公立 | 約8万3000円 | 約3万1000円 |
私立 | 約9万1000円 | 約3万4000円 | |
小学校 | 公立 | 約20万8000円 | 約5万5000円 |
私立 | 約37万5000円 | 約10万円 | |
中学校 | 公立 | 約35万6000円 | 約8万5000円 |
私立 | 約32万6000円 | 約10万8000円 | |
高等学校(全日制) | 公立 | 約36万3000円 | 約8万8000円 |
私立 | 約44万7000円 | 約10万4000円 |
国公私立大学の授業料・入学金
子どもの教育費がかかるのは高等学校までではありません。大学に進学した場合も、入学金や授業料といった費用がかかります。
文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」によると、国立大学、公立大学、私立大学それぞれの令和3年の授業料は下記のとおりです。
・入学金…28万2000円
・年間授業料…53万5800円
・入学金…39万1305円
・年間授業料…53万6363円
・入学金…24万5951円
・授業料…93万943円
比較的安いイメージのある国立大学でも、1年目に約82万円が必要なことが分かります。
教育費を貯める方法
幼稚園から高等学校まで、さらに大学進学も含めてかかる教育費は、公立と私立のどちらかによって差はあるものの、多くのお金が必要です。
教育費が必要になったタイミングで貯金をするのでは間に合わない場合がありますし、お金はすぐに貯まるものではありません。教育費を早いうちから計画的に貯めておくことが重要になるでしょう。
教育費を貯める方法を紹介しますので、参考にしてみてください。
【学資保険】
学資保険とは、教育資金を準備するための貯蓄型保険です。満期時には満期保険金の受け取りが可能で、契約時の満額が保証されます。生命保険料控除の「一般生命保険料」の対象になるため、所得税や住民税の節税にもつながります。
【児童手当をそのまま貯金する】
中学校卒業まで(15歳の誕生日後の3月31日まで)の児童を養育する者に対して支給される児童手当を、そのまま貯金しておくのも教育費を貯めるのに効果的な方法です。
児童手当の額は、以下のとおりです。
3歳未満…一律1万5000円
3歳以上小学校修了前…1万円(第3子以降1万5000円)
中学生…一律1万円
教育費の支援制度
教育費は、国の教育ローンや奨学金制度を利用して用意することもできますが、保育の無償化や就学支援金制度といった、国の支援制度の活用も検討してみるとよいでしょう。
【幼児教育・保育の無償化】
幼児教育・保育の無償化は、幼児教育の負担軽減を図ることを目的に、2019年10月1日より実施された制度です。
原則、3歳から5歳までの子どもが対象で、国立・公立・私立の区別なく、幼稚園、保育所、認定こども園に加え、地域型保育(小規模保育、家庭的保育、居宅訪問型保育、事業所内保育)、企業主導型保育事業(標準的な利用料)の利用料が無償です。
【高等学校等就学支援金制度】
高等学校等就学支援金制度とは、国公私立問わず、高等学校などの教育費の負担軽減を目的とした制度です。
制度の対象となる学校は以下のとおりで、年収約910万円未満の世帯の生徒に対し、 授業料に充当するための高等学校等就学支援金が支給されます。
・国公立、私立の高等学校(全日制、定時制、通信制)
・中等教育学校後期課程
・特別支援学校高等部
・高等専門学校の1~3年
・専修学校高等課程
・専修学校一般課程や各種学校のうち国家資格者養成課程に指定されている学校
・各種学校のうち一定の要件に該当する外国人学校
支給される就学支援金は、公立高校の場合、以下のとおりです。
・全日制:月額9900円
・定時制:月額2700円
・通信制:月額520円
私立高校は、全日制・定時制・通信制かかわらず月額9900円が支給され、通う学校によって加算額が支給される場合があります。
早いうちに教育費の準備に取り組んでおこう
幼稚園から高校卒業までの15年間でかかる教育費は、公立が約574万4000円、私立が約1838万5000円です。そのほかにも、学習塾費や通信教育・家庭教師費、クラブ活動にかかる費用など、かかるお金は相当な額になるでしょう。
教育費を貯める際には、いつ、どのくらいの金額を必要とするのかを把握しておくことが重要です。目標金額と期限が明確になれば、あとはその資金をどのように準備するのか、計画するだけです。
早いうちから、時間に余裕を持って教育費の準備をしておきましょう。
出典
文部科学省 2 調査結果の概要
文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移
内閣府 児童手当制度のご案内
文部科学省 高等教育の修学支援新制度
文部科学省 高等学校等就学支援金制度に関するQ&A
内閣府 幼児教育・保育の無償化概要
厚生労働省 3歳から5歳までの子供たちの幼稚園、保育所、認定こども園などの利用料が無償化されます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部