【大学無償化】「世帯年収380万円以上」の人にも知ってほしい!「年収」や「家庭状況」で一部支給の可能性もアリ
配信日: 2023.03.06 更新日: 2023.03.16
しかし、この制度を知っておかないと、後で損する可能性があります。本記事では大学無償化制度の基礎知識と、制度を知っておくべき理由について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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大学無償化制度とは
大学無償化制度の正式名称は「高等教育の修学支援新制度」です。対象者は大学の授業料や入学金が免除または減額され、返済不要の給付型奨学金も支給されます。この制度は、一定の要件を満たせばすべての学生が利用可能です。また、大学だけではなく、「短期大学」や「高等専門学校」、「専門学校」も対象になります。
支援内容
高等教育の修学支援新制度は、「授業料や入学金の減免」と「給付型奨学金の支給」の2つの支援がセットになったものです。授業料や入学金の減免額は進学する学校によって異なり、給付型奨学金の支給額は進学先や自宅から通学するか自宅外から通学するかにより異なります。
授業料や入学金の減免
支援の対象となると、大学等に納める授業料または入学金から、図表1の金額を上限に免除・減額されます。ただし世帯収入によっては、図表1で示した額の2/3または1/3の支援額となります。
図表1
文部科学省 高等教育の修学支援新制度より筆者作成
給付型奨学金の支給
学生生活に必要な費用を支援するために、日本学生支援機構から一定の金額が支給されるのが、給付型奨学金です。年額にすると、進学先や住居の違いにより図表2の金額となります。
奨学金と聞くと、将来返さなければいけないイメージがありますが、これは給付型なので返済の義務はありません。こちらも世帯収入によっては、図表2で示した額の2/3または1/3の支援額となります。
図表2
文部科学省 高等教育の修学支援新制度より筆者作成
対象となる学生
支援の対象となるかどうかは、「世帯の収入・資産額」と「学ぶ意欲」の2つの要件を満たすかどうかで判断されます。
住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯
支援の対象となるのは、「住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯」です。住民税非課税世帯とは、その言葉のとおり、住民税が課税されていない世帯のことです。住民税には「所得割」と「均等割」の2種類あり、「所得割」は前年の所得に応じて課税され、「均等割」は基本的にすべての人に課税されます。
各自治体によって条件は異なりますが、前年の所得が一定額以下であれば、「所得割」と「均等割」が非課税となり、住民税非課税となります。さらに、世帯全員が住民税非課税の場合、住民税非課税世帯と呼ばれます。
例えば4人家族の場合、非課税世帯に該当する大まかな年収の目安は図表3のとおりです。ただし、非課税世帯に該当するかどうかは家族構成や年齢などによっても異なります。
図表3
文部科学省 高等教育の修学支援新制度より筆者作成
また、住民税非課税世帯だけではなく、「住民税非課税世帯に準ずる家庭」も制度の対象です。住民税が課税されていても、世帯年収が低く家計状況が厳しければ支援を受けることができます。ただしこの場合、授業料や入学金、給付型奨学金は満額支援されるわけではありません。図表3のとおり、家庭状況や年収により満額の2/3または1/3の金額が支援されます。
また、生計維持者の資産額について、生計維持者が2人の場合は2000万円未満、1人の場合は1250万円未満であるといった基準額が設けられています。
学ぶ意欲がある
高等教育の修学支援新制度は成績だけでなく本人の「学ぶ意欲」も重視します。そのため、「面談」や「レポートの提出」により、学ぶ意欲を確認します。また、「高等学校等における全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上であること」といった学力基準も存在します。
万が一に備えて「制度を知っておく」ことが大事
大学無償化制度は主に住民税非課税世帯の家庭が対象です。しかし、住民税を支払っていても、世帯年収が低ければ「非課税世帯に準ずる家庭」として支援を受けられる場合もあります。
また、今は大学無償化制度の条件に該当していなくても、制度自体を知っておくことは非常に大切です。なぜなら、予期せぬ休職や失業で、突然収入が下がる可能性もあるからです。
この制度は大学入学前だけではなく、大学入学後でも申し込めます。突然家庭環境が変わった時、そもそもこの制度を知らないと、生活に苦しみながら通い続けたり、やむを得ず退学の道を選んだりする可能性があります。事前に制度を知っておけば、いざという時に金銭的な負担が減らせるので、知識として頭に入れておきましょう。
出典
文部科学省 高等教育の修学支援新制度
※ 2023/3/16 記事を一部、修正いたしました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部