児童扶養手当って、児童手当とは違うの? もらえる要件の違いは?
配信日: 2023.03.13
児童扶養手当と児童手当の違いを把握するためにも、それぞれの制度の概要について知っておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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児童手当は対象者の範囲が広い
児童手当は、日本国内に居住している0歳~中学校修了まで(15歳に達する日以降の最初の3月31日まで)の児童を監護・養育している人が対象です。
ただし、児童手当には所得制限限度額と所得上限限度額が設けられているため、一定額以上の所得がある養育者には支給されません。
支給額
児童手当の支給額は下記のとおりです。
0~3歳未満点一律月額1万5000円
3歳~小学校修了前までの第1子および第2子…が月額1万円
3歳~小学校修了前までの第3子以降…月額1万5000円
中学生…一律月額1万円
なお、所得制限限度額以上で所得上限限度額未満の監護・養育者には、特例給付として一律月額5000円が支給されます。
養育者の所得制限限度額と所得上限限度額
養育者の所得制限限度額と所得上限限度額は下記のとおりです。
・扶養親族数0人の場合(前年末に児童が生まれていない場合など)
所得制限限度額…622万円
所得上限限度額…858万円
・扶養親族数1人の場合
所得制限限度額…660万円
所得上限限度額…896万円
・扶養親族数2人の場合
所得制限限度額…698万円
所得上限限度額…934万円
・扶養親族数3人の場合
所得制限限度額…736万円
所得上限限度額…972万円
以降、1人増えるごとに38万円が加算されます。
手続き方法
子どもが生まれたり引っ越したりした際には、「認定請求書」に必要書類(健康保険証の写しなど)を添付して現住所地の市区町村へ提出します。
児童扶養手当は対象者の範囲が限定的
児童扶養手当は、父母の離婚やなどで父または母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭(ひとり親)の生活の安定と自立を促し、児童の福祉を推し進めることを目的として支給される手当です。
支給対象者は、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童や、20歳未満の障害児を監護する母親、または監護しながら生計を一にする父、もしくは父母に代わってその児童を養育している方(祖父母など)です。なお、児童扶養手当にも所得制限限度額が設けられています。
支給要件
児童扶養手当が支給されるためには、養育する児童が下記のいずれかの状態にあることが必要です。
(1)父母が離婚してからどちらかと生計を一にしていない
(2)父か母が死亡している
(3)父か母が一定程度の障害者である
(4)父か母の生死が不明である
(5)父か母がいずれかの申し立てにより保護命令を受けている
(6)父か母から引き続き1年以上遺棄されている
(7)父か母が法令により引き続き1年以上拘禁状態にある
(8)婚姻によらずに生まれた
(9)父母が不明
支給額
児童扶養手当の支給額は下記のとおりです(令和4年4月~)
・児童1人の場合
全部支給…月額4万3070円
一部支給…月額4万3060~1万160円まで10円単位で変動(所得に応じて決定)
・児童2人目の場合の加算額
全部支給…1万170円
一部支給…1万160~5090円まで10円単位で変動(所得に応じて決定)
・児童3人目以降の加算額(1人につき)
全部支給…6100円
一部支給…6090~3050円まで10円単位で変動(所得に応じて決定)
受給資格者本人の所得制限限度額
受給資格者本人の児童扶養手当の所得制限限度額は、下記のとおです。
・児童が0人の場合(前年末に児童が生まれていない場合など)
全部支給…49万円
一部支給…192万円
・児童が1人の場合
全部支給…87万円
一部支給…230万円
・児童が2人の場合
全部支給…125万円
一部支給…268万円
・児童が3人の場合
全部支給…163万円
一部支給…306万円
以降、1人増えるごとに38万円が加算されます。
受給資格者の配偶者、扶養義務者、孤児などの養育者の所得制限限度額
受給資格者の配偶者、扶養義務者、孤児などの養育者の所得制限限度額は、下記のとおりです。
●児童が0人の場合(前年末に児童が生まれていない場合など)…236万円
●児童が1人の場合…274万円
●児童が2人の場合…312万円
●児童が3人の場合…350万円
以降、1人増えるごとに38万円が加算されます。
手続き方法
現在の住所地の市区町村で手続きを行います。その際、申請者および対象児童の戸籍謄本や申請者名義の預金通帳といった書類が必要となりますが、詳細についてはお住まいの市区町村の窓口に問い合わせてみてください。
児童扶養手当がもらえる人は必ず請求手続きをしよう
子育てを支援する国の主な制度には、児童手当と児童扶養手当があります。児童手当は対象者の範囲が広く設定されていますが、児童扶養手当は対象者の範囲が限定的です。また、支給要件や支給額などにも違いがみられます。
児童扶養手当をもらうためには、住所地の市区町村への請求手続きが必要です。申請をしないでいると支給されない可能性があるため、該当する人は必ず請求手続きを行いましょう。
出典
厚生労働省 児童扶養手当について
内閣府 児童手当制度のご案内
東京都福祉保健局
東京都福祉保健局 児童扶養手当
東京都福祉保健局 児童手当
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部