更新日: 2023.03.15 その他暮らし

盗難対策はどうしたらいい? 累計600万円の時計オーナーが考える「嗜好品と保険」と「防犯対策」

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

盗難対策はどうしたらいい? 累計600万円の時計オーナーが考える「嗜好品と保険」と「防犯対策」
生命保険や自動車保険など、「人生のリスク」に備えるための最適な保険選びに頭を抱える人は尽きない。それが生きるために必要のない、嗜好性の高いモノに掛ける保険であればなおさらだ。都内で士業を営む男性のAさん(47歳)は、20年間で累計5本・時価総額600万円超の高級時計をコツコツと収集してきた。
 
ただ、腕時計の本数が増えるほど高級腕時計の「盗難」や「強盗」といったニュースが気になり、一時期、腕時計の保険に加入しようと試みたがいろいろ計算した結果、結局は加入しなかったという。その経緯と、誰でもできる「最大の防犯対策」について伺った。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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時計愛好家なら誰もが知る盗難・強盗のリスク

「今、所有している時計で最も高価なのはランゲ&ゾーネの『ランゲ1』。士業では成功している諸先輩方が付けていることが多く、独立して5年目を迎えた10年前に大奮発して購入しました。現在は、新品で400万円くらいでしょうか。当時と比べるとかなり値上がりした印象です。購入したときは、先輩や時計店の方から『腕ごと盗られないようにしてください』とよく冗談を言われました」
 
当初は受け流していたが、次第に時計の価格が上がるごとに不安が増大していった。それに拍車を掛けたのが近年、資産価値が急激に上昇したロレックスと時計店の窃盗事件だ。
 
「大手メディアもYouTuberなども『時計=資産』と発信することが増え、恐ろしくなりました。私はロレックスを持っていないのですが、『すべての時計は資産』という誤った認識が広がるのは、所有者にとってはリスクが大きくなるだけですよ。実際、海外で有名タレントがパテック フィリップという高級腕時計のなかでも、トップクラスのブランドの時計を強奪されたニュースも聞いただけでゾッとしました」
 

時計の保険は「携行品保険」と「火災保険(家財保険)」が主流

Aさんいわく、窃盗などに対して時計に掛ける保険は、旅行時や日常的に携行しているモノが対象となる「携行品保険」もしくは、自宅での窃盗などに備える「火災保険(家財保険)」の2つが主流だという。いずれも各保険会社がオプションプランなどで提供していることが多いが、いずれも「文句なしに入るべし!」という内容を探すのは難しいとAさんは語る。
 
「まず携行品保険ですが、こちらは補償額が数十万円程度と上限が低いのがほとんど。例えばランゲ1を例に考えると、満額が下りたとしても半分以下の金額ですから。入るなら火災保険(家財保険)ですかね。最大1000万円以上を補償してくれる保険もあり、掛け金もお手頃なプランもあります」
 
ただ、火災保険(家財保険)はあくまで自宅での盗難などに備える保険だ。オートロックのマンション住まいであるAさんにとっては、必要性はあまり高くないと判断した。さらにAさんが時計に保険を掛けることを断念した理由は、「保険会社によって内容があまりにも違いすぎる」という点もあったという。
 
「携行品保険の対象が貴金属に該当するか否かの判断、購入価額もしくは時価での補償かなど、考えることが思った以上に多く、各社によって異なるんですよ。しかもお得にするなら保険の乗り換えも検討しなければならない……。となると、『もういいや』となってしまいましたね(笑)。もっと言うと、高級腕時計はどれも品薄でお金が戻ってきても再購入できる補償なんてどこにもないですし」
 

最大の防犯対策は「見せびらかさないこと」

保険に入らないと決めたAさんは、最大の防犯対策として「普段の態度」を重視しているという。
 
「海外旅行に行くときは高価でないものにすればいいですし、もしそれなりのレストランに行くときは、入店時だけ着用する。といった自衛の意識を高めるための『腕ごと盗られる』という言葉だと思います。あと大事なのは、いくら高価な時計だからといって周囲に『よい時計しているアピール』をしないこと。正直、ロレックスでなければ一目見て数百万円する時計の価値なんて分かりませんから(笑)」
 
また、Aさんは家に人を上げるときは時計のコレクションは棚の奥に隠して、存在そのものを悟られないようにしているという。
 
「よい物を身に付けている、よい物が家にあるとよっぽど親しい人以外には公言しないようにしています。正直、高級腕時計をアピールしたところで、印象を含めてよいことなんてありませんからね。ただ、一方で愛好家には時計に秘めた思いなどを『語りたい欲』もあるので両立が難しいです。一生の課題ですね(笑)」
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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