更新日: 2023.03.27 子育て

妊娠出産にかかるお金が変わる! 出産育児一時金の増額や出産クーポンとは?

執筆者 : 下中英恵

妊娠出産にかかるお金が変わる! 出産育児一時金の増額や出産クーポンとは?
日本では少子化が進んでいます。さまざまな原因や理由が考えられますが、子どもを育てるうえで家計にかかる経済的負担はそのひとつです。国は少子化対策として、妊婦の方や子どもがいる世帯を経済的に支援する制度の改正や新設を予定しています。
 
本記事では、これから子どもが生まれる世帯では、どういった国の支援制度を活用できるのかチェックしていきます。

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下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

妊娠中や出産にかかるお金

妊娠・出産は病気ではないので、治療を必要としない場合は公的医療保険の3割負担や高額療養費制度を適用することができません。そのため、一般的な妊婦検診や出産費用は基本的に自己負担となります。
 
地域などにもよりますが、保険が適用されない通常の妊娠・出産の場合、妊婦検診は1回につき1万円を超えるときもあり、出産費用も平均で50万円近くかかります。そこで、妊婦の方がいる世帯を対象に、妊娠中と出産にかかる費用について経済的な支援制度が設けられています。
 
まず妊婦検診の費用ですが、妊婦検診では母子手帳の交付時に受け取る補助券を使うことができます。補助券は、毎回の検査項目が示されている「受診券方式」と、補助額が記載された「補助券方式」(毎回の検査項目は医療機関の判断による)の2種類があり、自治体によって交付方法が異なります。
 
また、補助額も自治体によって変わりますが、補助券を使用すれば妊婦検診の費用を大きく抑えることができ、自己負担額は妊婦検診1回につき無料から5000円程度に減らせます。
 
なお、補助券は、毎回の検査項目が示されている券を妊婦が医療機関に持参して健診を受ける「受診券方式」と、補助額が記載された券を妊婦が医療機関に持参して健診を受けるもので、毎回の検査項目は医療機関の判断による「補助券方式」の2種類があります。自治体によって補助してくれる金額も異なります。
 
そして、国民健康保険や健康保険の被保険者、または健康保険の被扶養者が出産をしたときは出産育児一時金として、子ども1人当たり原則42万円の支給を受けられます。ただし、自然分娩ではなく帝王切開や無痛分娩などでの出産でも支給額は変わりません。
 

出産育児一時金の増額

出産費用は地域や病院によって差があります。例えば、東京都内などの大都市の病院では、出産育児一時金の金額を大幅に超えてしまうこともありますが、令和5年4月からは出産育児一時金が42万円から50万円に引き上げられます。
 
帝王切開や無痛分娩などで出産費用が高額になるケースでも、出産育児一時金の増額分の自己負担が減ることになります。
 

出産クーポンとは?

出産後もミルクやおむつ、ベビーカーやチャイルドシートなどの購入にお金がかかりますが、最近は物価上昇の影響を受け、ベビー用品も値上がりする傾向がみられます。
 
そこで、基本的に令和5年1月以降に子どもを妊娠・出産した場合、出産・子育て応援ギフトとして子ども1人当たり10万円相当の出産クーポンの支給、または現金での給付が行われます。
 
令和4年4月以降の妊娠・出産についてもさかのぼって支給の対象となりますが、開始時期やクーポンなど支給の形態について給付時期は自治体によって異なります。対象となる世帯に所得制限はなく、該当するすべての子育て世帯が支援を受けられるため、出産前後に必要なベビー用品の購入や育児サービスの利用などに充てることができます。
 
経済的な理由から妊娠や出産に不安を感じている方も多いと思いますが、今回の出産育児一時金の増額や出産クーポンは大きな支援になるでしょう。
 

まとめ

日本の深刻な少子化に対応するために、妊娠・出産への経済的な支援は今後も継続的に行われ、その内容も拡充していくことが考えられますが、これから妊娠・出産を予定している世帯では、自分たちがどんな支援が受けられるのか知っておくと安心できます。
 
本記事で紹介した内容を参考にしながら、妊娠・出産に向けて必要となるお金のほか、国による支援を確認しておきましょう。
 

出典

東京都福祉保健局 妊娠がわかったら
全国健康保険協会 協会けんぽ 子どもが生まれたとき
厚生労働省 妊婦・子育て家庭への伴走型相談支援と経済的支援の一体的実施(出産・子育て応援交付金)
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
 

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