マイナンバーカードを健康保険証として使うと「医療費が高くなる」!? よくある3つの「勘違い」について解説
配信日: 2023.04.03
ただ、マイナンバーカードと健康保険証の関係について、勘違いされていることが多々あります。本記事では、マイナンバーカードと健康保険証の認識について勘違いしやすい3点を解説します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
よくある勘違い(1)マイナンバーカードを使うと医療費が高くなる
「マイナンバーカードを健康保険証として使うと、医療費が高くなる」と聞いたことはないでしょうか。確かに2022年9月末までは、マイナンバーカードを健康保険証として使った方が医療費は高かったのですが、現在は逆に安くなります(2023年3月時点)。
現在の診療報酬
2022年10月に診療報酬が改定され、マイナンバーカードを健康保険証として使う方が医療費は安くなりました。窓口負担が3割負担の場合、自己負担額は図表1のとおりです。
【図表1】
デジタル庁 マイナンバーカード制度 よくある質問 より筆者作成
従来の健康保険証で受診した場合の自己負担額は初診料12円、マイナンバーカードを健康保険証利用した場合は初診料6円で、6円の差額になります。
2023年4月から12月までの診療報酬
2023年4月には再び診療報酬が改定されます。政府は、従来の健康保険証を使った場合、追加負担を値上げすることを明らかにしました。2023年4月から12月における、それぞれの診療報酬の自己負担の金額は図表2のとおりです。
【図表2】
厚生労働省 個別改定項目について より筆者作成
従来の健康保険証を使用した場合、初診時は12円から18円に、再診時は0円から6円に値上げされます。たった数円の差ですが、マイナンバーカードを使った方が医療費はお得になることが分かります。
よくある勘違い(2)手元に来たらすぐに健康保険証として使える
自治体からマイナンバーカードを受け取っても、すぐに健康保険証として使えるわけではありません。医療機関等で健康保険証として使うためには、事前に利用申し込みが必要です。
事前利用申し込みに必要なものは次のとおりです。
・マイナンバーカード
・利用者証明用暗証番号(4桁)
・カードリーダー機能を備えたデバイス(PC、スマートフォン)
カードリーダー機能を備えたデバイスを所持していない場合は、セブン銀行のATM、各自治体に設置されている住民向け端末でも手続きができます。
医療機関や薬局でも顔認証付きカードリーダーから申し込みすることも可能です。しかし、受診時に待ち時間が発生しないように、事前に利用申し込みを済ませておきましょう。
よくある勘違い(3)受診歴や処方薬をすべて知られてしまう
マイナンバーカードを健康保険証として使うメリットは、過去の特定健診情報や薬剤情報が医療機関と共有できることです。医師や薬剤師がこれまでの健診データや薬剤情報を確認できるので、より適切な医療を受けられます。
ただし、「マイナンバーカードを健康保険証として利用する=すべての医療情報が知られる」というわけではありません。医療機関を受診してマイナンバーカードを認証した際、過去の医療情報をその病院に提供することに「同意する」か「同意しない」かを選択できます。
例えば、「睡眠薬を飲んでいることを、かかりつけの病院には知られたくない」と思ったら、かかりつけの病院を受診した際に「同意しない」を選択します。これでその医療機関に過去の薬剤情報が共有されることはありません。
誤解を減らして便利な使い方を
マイナンバーカードを健康保険証として使うことに対して、さまざまな勘違いから「なんとなく怖い」「よく分からない」と感じ、従来の健康保険証を利用し続けている人も多いかもしれません。
しかし、マイナンバーカードを使った方が医療費は安くなりますし、初めて受診する病院でも適切な医療が受けられる可能性が高くなります。その他、健康保険証の切り替え手続きがいらなくなったり、医療費控除の確定申告が簡単になったりと、メリットがたくさんあります。
2023年4月からは全国すべての病院や薬局でマイナンバーカードが対応可能になります。今まで利用したことがない人は、この機会に利用してみてはいかがでしょうか。
出典
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用について
厚生労働省 個別改定項目について
デジタル庁 よくある質問:健康保険証との一体化に関する質問について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部