更新日: 2023.04.06 子育て
「ランドセルの料金」は過去100年でどれくらい変わった? 大正3年は「1円50銭」だった!?
ランドセルは、時代を追うごとに料金にも変遷がみられます。100年前のランドセルの料金を把握している人は、おそらく多くはありません。
今回は、ランドセルの料金が過去100年でどの程度変わったのか、その他の物価などとも比較しながらみていきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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大正から昭和にかけてのランドセルの料金の変遷
一般社団法人日本鞄協会ランドセル工業会のWebサイトには「ランドセル価格の遷移」が掲載されています。これをもとに、まずは、大正から昭和にかけてのランドセルの料金の変化をみてみましょう。
・大正時代のランドセルの料金
ランドセル工業会によると、ランドセルの料金の記録でもっとも古いのは大正3年頃のようです。大正3年のランドセルの料金は1円50銭となっています。あんぱんが1銭の時代であるため、ランドセルはあんぱんの150倍の料金だったことになります。
その10年後の大正13年には、ランドセルの料金が2円ほどになったようです。大正3年と比較して、あんぱんが2銭5厘と2.5倍になっているのに対し、ランドセルの料金は1.3倍ほどしか上昇していません。ちなみに、大正13年は、そば1杯を食べるのに7銭ほどを要したようです。
・昭和時代のランドセルの料金
昭和4年のランドセルの料金は3円ほどだったようです。大卒男子の初任給が55〜80円ほどだったため、そこまでの高級品とはいえないでしょう。ただ、昭和2年のランドセルの使用率は1割程度で、主に呉服屋や炭屋、米屋の子どもが持っていました。昭和4年も、まだ同様の傾向がみられたと推測されます。
昭和12年には、ランドセルの料金が5円まで上昇。あんぱんが5銭の時代です。ランドセルの料金が10円を超えたのは昭和20年頃で、当時12円ほどでしたが、昭和22年には120円、昭和23年には700円と急激に上昇しています。
そして、昭和26年には2000円ほどとなり、そこからも物価の上昇は続き、昭和50年には、ついに1万円台へと到達しました、ちなみに、あんぱんの価格は、昭和26年で10円ほど、昭和50年で70円ほどです。
ランドセルの料金は、昭和4年は大卒男子の初任給の10分の1以下でしたが、昭和50年の大卒男子の初任給は8万9000円ほどだったため、10分の1では買えないほどに料金が上がったといえます。平成へと突入直前の昭和63年のランドセルの料金は2万5000円ほどでした。
平成になっても上がり続けるランドセルの料金
平成元年のランドセルの料金は2万8000円ほどだったため、昭和から平成になっても、ランドセルの料金が上がり続けていることがわかります。翌年の平成2年には3万円を突破。このときの大卒男子の初任給は17万円ほどだったため、よりランドセルが高級品となっていることもうかがえるでしょう。
ただ、バブル景気崩壊後の平成4年から平成16年までは3万5000円ほどで推移します。そこから平成21年頃までは、3万円台前半でランドセルが購入できました。
しかし、平成22年頃から再び上昇し始め、平成26年には4万円台に到達。平成30年には5万円を超えてきており、物価動向によっては今後も上昇する可能性があります。
過去100年間でランドセルの料金は2万5000倍に
大正3年のランドセルの料金は1円50銭と、あんぱんの150倍ほどでした。昭和に入ると急激な物価高騰が起こり、昭和22年には120円、昭和26年には2000円と、短期間でランドセルの料金は急騰しました。
その後も上昇し続け、昭和50年には1万円を、平成2年には3万円を突破。大正13年には2円、そして、平成の終わりには5万円ほどとなっているため、過去100年間でランドセルの料金は2万5000倍にもなっていることになります。
出典
一般社団法人日本鞄協会ランドセル工業会 ランドセルの価格・今昔
一般社団法人日本鞄協会ランドセル工業会 ランドセル年表 (平成〜現在)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部